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受精卵がいつも8分割で止まってしまいます。どうすればいいですか?

コラム 不妊治療

受精卵がいつも8分割で止まってしまいます。どうすればいいですか?

「結局8分割でストップし、移植も凍結もできませんでした。この先、どんな治療が有効なのか、ご意見を聞きたいです。」

2013.6.21

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相談者
usaさん(33歳)
■ 2回目の体外受精で撃沈しました。1回目はアンタゴニスト法で採卵。胚盤胞まで育てる方針の病院ですが、8分割でストップ。「卵子の質がよくない」といわれ、半年間、鍼灸や低用量レーザー療法に通い、ルイボスティーも飲んで体質改善に取り組みました。2回目はロング法でチャレンジしたのですが、空胞ばかりで卵子は5個しか採れないし、通常の体外受精を試みた2個は受精もしない。顕微受精をした3個のうち2個は受精しましたが、結局8分割でストップし、移植も凍結もできませんでした。この先、どんな治療が有効なのか、ご意見を聞きたいです。



ジネコ:2回とも受精卵の成長が8分割で止まってしまったそうですが、どんなことが原因として考えられますか。


原先生:考えられる原因の1つとして、染色体異常があります。受精卵というのは、針をちょっと刺しただけで勝手に2分割くらいになってしまうのですが、そこからさらに成長していくためには染色体の情報が必要になってきます。8分割を越えて胚盤胞まで到達するためには、染色体がきちんと活性化していないといけないんですね。2回とも8分割でストップしたということは、その染色体に何らかの異常がある可能性があります。
本当にそれが原因かどうか、受精卵の染色体を調べる検査がありますが、残念ながら国内ではできません。しかし、受精卵自体の検査は不可能ですが、母親側、父親側の染色体を調べることはできます。採血で簡単にできるので、一度その検査を受けてみてはいかがでしょうか。


ジネコ:検査をして、染色体に異常があった場合は?


原先生:精子が持ち込んだ染色体に異常があった場合は、培養の方法を変えてみるのも1つの方法です。カルシウムイオノフォア法といって、培養液のカルシウムの濃度を少し変えてあげる方法で、特殊な薬剤で卵細胞質内のカルシウムの濃度の上昇を促すことで、卵子を活性化。精子側に卵子活性化物質が欠如しているケースでも、この方法で受精卵の分裂がスムーズに進むことがあります。


ジネコ:ほかに原因は考えられますか?


原先生:受精しにくく、受精しても分割が進まないということは、担当の先生がおっしゃるように、やはり卵子の質がよくない可能性も考えられますね。2回目のチャレンジではロング法で5個採卵できたとのこと。それほど少ない数ではないと思いますが、空胞が多いというのが気になります。このような場合は排卵誘発法を変えてみたほうがいいかもしれません。
前の周期に超音波で前胞状卵胞をみて、その数が3個以下であれば、薬をあまり使わないクロミッドⓇなどを用いた低刺激法や完全自然排卵周期法のほうがいいのではないかと思います。クロミッドⓇには、エストロゲンの分泌を抑えるとともにLHの分泌も抑える作用があるんですね。そうすると卵胞がゆっくり育ちますから、空胞を防ぐ効果が期待できます。
また、usaさんは現在33歳で年齢的にはまだ余裕があるので、薬を使わない自然周期による採卵にも挑戦して、質のよい卵子が採れるかどうか試してみるのもいいと思います。


ジネコ:卵子の質を上げるために、サプリメントや鍼灸にもトライされているようですが。


原先生:メラトニンなど、いろいろなサプリも試していらっしゃるようですね。現在はDHEAを処方されているようですが、これらのサプリには卵子の質を改善し、良好胚盤胞到達率や妊娠率を上昇させる効果があるという報告もされているので、引き続き摂取されていくことをおすすめします。また、活性酸素が卵子に悪影響を与えるというデータもあるので、これを予防するために、ビタミンEの摂取もプラスしていただくといいですね。
usaさんは、漢方療法はまだ試していないようですが、当院では卵子の質を上げることを目的に、場合によっては「白虎加人参湯」や「四逆散」「竹温胆湯」などの漢方薬を処方しています。体質にうまく合えば漢方も効果を発揮することがあるので、こちらも先生に相談されてみては?


ジネコ:ご主人側ができることはありますか?


原先生:男性については、残念ながら現段階では精子の状態を改善する絶対的な治療法はないのですが、少しでも精子の形態率や運動率をよくするために、当院ではいくつかの薬剤を組み合わせて服用する「MSF療法」という治療を始めました。
精子運動性と形態の改善、精子DNAの破砕を防ぐために「グルタチオン」、精子運動性の改善と精子数を増加させるために「L̶メチオニン」、他の薬剤との併用により精子産生細胞の酸化を防ぎ、精子の運動性を向上させるために「ビタミンA」、精子産生の原料となる「亜鉛」という4種類の薬剤を、精子の産生期間に合わせながら30日単位で服用していきます。女性と並行して、男性側もこのような治療をしてみるのもいいと思います。
さまざまな治療法を提案されていますし、胚盤胞まで育てられる培養技術のある病院だと思うので、先生を信頼されてもいいのではないでしょうか。できることは積極的に取り入れて、前向きに治療を進めていただきたいですね。



原 利夫 先生
1983年、慶應義塾大学大学院医学研究科修了にて医学博士学位を取得。同大産婦人科助手時代、日本初の凍結受精卵ベビー誕生の一員として活躍。その後、東京歯科大学市川病院講師、千葉衛生短大非常勤講師を経て、1993年はらメディカルクリニックを開院。わかりやすい説明に定評があり、テレビや雑誌でコメントを求められることも多い原先生。不妊症の多くが原因不明といわれているが、それでも諦めることなく、同クリニックでは漢方療法やサプリ、鍼灸、骨髄刺激など、治療外でもさまざまな取り組みを行っている。




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