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体外受精★

専門医Q&A 女性の健康

体外受精★

2017.4.15

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りいさん(26歳)

今回初めて体外受精をしたんですが
移植後4日目に採血をしたところ
黄体ホルモンの値が6にまで下がっていました。
移植当日は12あったみたいです
半分まで下がったので
先生にも薬忘れてない?って言われたんですが
忘れたずにしてるし飲んでます。
なのになんで下がったんでしょうか?
あと判定日まで注射と飲み薬を増やすしかないと言われて今飲んでいるんですが
また黄体ホルモンの値が上がることはあるんですか?



お話を伺った先生のご紹介

山口剛史 先生 (醍醐渡辺クリニック)






≫ 醍醐渡辺クリニック

 結論からお話しすると、体外受精の採卵後に黄体ホルモン値が下がることはよくあります。ご心配はいりません。黄体ホルモンは排卵後に形成される黄体の顆粒膜細胞から分泌されます。卵巣刺激法によっては、GnRHアゴニスト/アンタゴニストの脳下垂体抑制の影響が残っていたり、あるいは採卵にともない顆粒細胞膜の多くが取り除かれることによって、黄体ホルモンが下がることはあります。

 通常、採卵前にhCG注射を行うことが多いのですが、hCG投与後の黄体ホルモン値は採卵した卵子の個数と強い相関関係があります。ですから採卵後、急激にホルモン値が低下してしまうのはやむを得ないと思います。そのかわりに自然周期でない卵巣刺激法の場合は、採卵後に十分な黄体ホルモン補充が必要になります。採卵時に内膜が薄かったり、採卵個数が少ない場合はエストロゲンを一緒に補充することもあります。

 黄体ホルモン補充には飲み薬、筋肉注射、膣剤の3つの方法があります。飲み薬はデュファストン®、ルトラール®などを用います。これらは合成プロゲステロンですので、お薬を飲んでも実際の吸収量が血中の黄体ホルモン値として反映されません。
 筋肉注射にはルテウム®、プロゲホルモン®といった天然型プロゲステロン、膣剤にはルティナス®などの天然型プロゲステロンがあります。筋肉注射と膣剤の天然型プロゲステロン製剤は血中の黄体ホルモン値として反映されます。それならば、黄体ホルモン値を上げるためには筋肉注射と膣剤が有効だと思われるかもしれません。しかし、天然型プロゲステロンを増やすことで血中の黄体ホルモン値は上昇しますが、子宮内の局所濃度を反映するわけではありません。お薬によって血中の黄体ホルモン値の反映が異なりますから、あまり気にされなくてもいいと思います。

 ただ、飲み薬は体内で代謝されてしまうなど、全身血中に循環する確率が低い(10%程度)ことが指摘されていますので、投与量には十分留意が必要とあります。また、筋肉注射と膣剤を比較すると、黄体ホルモンの血中濃度は膣剤のほうが高くなるといわれています。これは膣内で薬剤が直拡散するためと考えられています。

 ご心配ならかかりつけの先生に、筋肉注射や膣剤を試したいと申し出てはいかがでしょう。移植後の黄体ホルモン補充における飲み薬、筋肉注射、膣剤の比較では、臨床的妊娠率に有意な差を認めなかったという報告もありますから、先生に相談して納得のいく治療法を選択してください。


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