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抗精子凝集抗体です。人工授精を行わず、すぐに体外受精をすすめられました

抗精子凝集抗体です。人工授精を行わず、すぐに体外受精をすすめられました

抗精子凝集抗体です。人工授精を行わず、すぐに体外受精をすすめられました

2013.6.21

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相談者

ししまるさん(29歳)
■ タイミング療法を6回行いながらいろいろと検査した結果、私が高プロラクチン血症、抗精子凝集抗体(抗体値などは不明、頭部と頭部の凝集が見られるとのこと。高プロラクチン治療にはテルロンⓇを服用)と診断。主人は精子運動率が常に34~38%、しかし数は1億個以上あるとのこと。先日「凝集抗体では人工授精をしてもあまり結果が出ない。すぐに体外受精にしたほうがいいのでは」と言われました。人工授精を一度も行わず、すぐに体外受精と言われ戸惑っていますが、私たちのようなケースでは、人工授精では妊娠は望めないのでしょうか?また2人目のことを考えると、今、体外受精して凍結卵を残しておいたほうがいいでしょうか?

ジネコ:まず、抗精子凝集抗体について教えてください。


操先生:抗精子抗体とは、要するに精子に対する抗体で、女性の体にそれが存在すると、精子を異物と判断して攻撃してしまい、不妊の原因になるというものです。 抗精子抗体で一番一般的なのは抗精子不動化抗体で、これは精子の尾部の動きを阻害して、精子の運動性を止めてしまうもの。ししまるさんの持つ抗精子凝集抗体というのは、精子同士をくっつけてしまう抗体です。所見にも「頭部と頭部の凝集」とありますが、精子の頭部と頭部、尾部と尾部、頭部と尾部をくっつけて精子の運動性をなくし、受精や着床の障害を起こします。抗精子抗体は血液検査によってその存在が確認できますが、原因はほとんど不明です。そして、子宮頸管粘液や子宮腔内、卵管、卵胞液中、精液中にも存在し、あらゆる段階で妊娠成立を妨げます。


ジネコ:抗精子抗体が存在する場合、どのような治療が適応となりますか?


操先生:そうですね。まず、精子への障害作用を見る検査として、精子凝集試験や精子不動化試験などがありますが、精子凝集試験というのはわりと不妊症と関連のない抗体を調べる内容も含まれていて、不妊症の患者さん以外でも高率に反応が出やすく、不妊治療と最も関係するのは、精子不動化試験です。不動化抗体が陽性であれば、どれくらい抗体が強いかを調べ、抗体値が低ければ人工授精、高ければすぐ体外受精へと、ガイドライン上でもかなり明確な診断基準があります。ただし、精子不動化試験が陰性であっても、試験の際に精子凝集反応例が認められれば自然妊娠率は低く、精子不動化試験に関係なく、早期に人工授精の適応となります。


ジネコ:ししまるさんは、すぐに体外受精をすすめられたようです。


操先生:そのあたりは、ヒューナーテストの結果が知りたいところです。精液所見も治療対象ではないですし、プロラクチンも正常値にコントロールされていれば、ヒューナーテストの結果次第では、自然妊娠も可能なケースです。ただ、すでに6回のタイミング歴があるということと精子の凝集反応があるため、ししまるさんの場合はヒューナーテストの結果がよくても、人工授精を始めたほうがベターかなとは思います。しかし、ヒューナーテストの結果が悪いということであれば、気持ち的に抵抗がなければ、体外受精に進んでもいいと思います。もう少し、そのあたりを明確にして納得してから、ということであれば、不動化抗体を測って、本当に適応かどうかを調べてもいいでしょう。また、AMH値は測っていませんか?もし卵巣予備能が悪くなければ、まだ年齢的にも若いですし、凍結卵を残すことにこだわる必要もあまりないと思いますよ。



操 良 先生



岐阜大学医学部卒業。岐阜大学附属病院で8年間、不妊専門外来を担当し、1992年には岐阜県下初の体外受精に成功。女性ホルモンに関する研究成果が認められ、平成9 年度に岐阜県医学研究奨励賞を、平成11年度に日本内分泌学会で研究奨励賞を受賞。現在、操レディスホスピタル副院長。医学博士。日本生殖医学会専門医。プライベートでは、2 人の男の子のパパでもある先生。休日にはいろいろなところへ遊びに行くそう。「こちらが疲れていても、遊んでと近づいてくるからね」と苦笑しながらも嬉しそうな様子に、子煩悩ぶりが窺えます。





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