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中国漢方

専門医Q&A 漢方・鍼灸

中国漢方

2012.4.19

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ろーりーさん(44歳)

北米在住で中国人の鍼灸を受けながら漢方も処方されています。 鍼灸師は良い感じの方で普通に会話も出来るのですが、漢方について具体的には英語では説明が出来ないようで、生産会社に電話するように言われます。

その漢方とは北米で生産されている、更年期障害向けと謳われており、 日本語のウェブもあるのですが、日本語がある程度できる中国人の方が訳されたといった感じで”サフラン、当帰、ニンジン等のいろいろな天然植物から抽出した純粋物の複合体です。”と書かれています。 会社のフリーダイアルに電話しても、不妊にも良いと言う程度の回答です。

ジネコで色々勉強させていただいてますが、不妊漢方と言っても人それぞれ処方されるものが違う、具体的なものを処方されているようなので、具体的に自分に意味のあるものなのか不安になってしまいます。

サフラン、当帰、ニンジンの意味だけでも知りたいです。因みに英語ではsaffron, angelica root, and ginseng
サフランはどのように良いのでしょうか?
当帰は当帰芍薬散のことでしょうか?
高麗ニンジンは摂って悪くないですよね?

日本人の身体をよく御存知の日本での鍼灸・漢方の先生に御意見お聞きしたく、こちらに投稿させていただきます、よろしくお願いします。




お話を伺った先生のご紹介

小島晃 先生 (小島薬局 本店)


1990年東京薬科大学。3年間大手製薬会社で東京の大学病院を担当し、西洋医学の医療現場を学ぶ。高度に細分化された西洋医学の治療に疑問を感じ始めているとき、人間全体を見る中医学を知る。

東京・高円寺(現在は中野に移転)にあるイスクラ中医薬研修塾で1年間学び、1994年より小島薬局本店で漢方相談に従事する。

1995年から3年間北京中医薬大学日本校で中医学をさらに研鑽し、1998年の卒業と同時に国際中医師試験に合格する。
1997年より日本中医薬研究会学術委員を務め、2002年~2006年まで日本中医薬研究会学術委員長を務める。
2003年7月発刊の「東洋医学の名医134人徹底紹介」に紹介される。
2008年5月に自身が学んだイスクラ中医薬経営塾の講師に就任する。
2008年7月に湖北民族学院の客員教授に就任する。
2011年1月に日本中医薬研究会学術委員長に再び就任する。
2011年3月に湖北中医薬大学の客員教授に就任する。

著書に「女性の悩みは漢方で治す」(知道出版)、「不妊症周期療法のお話」(自費出版)がある。
現在、小島薬局本店で漢方相談を行い、後進の指導や中国医学の普及に努めている。



≫ 小島薬局 本店

ろーりー様

現在は中国人の鍼灸師に治療を受けながら漢方薬も勧められているのですね。

お勧めされた漢方薬は成分が全て公開されていないようですので正確なことは言えませんが、サフラン、当帰、ニンジンなどの成分は下記の効果があります。

サフランは中国では番紅花と言われていて、血流を良くして淤血を改善します。
当帰は当帰芍薬散の当帰で、血を補う養血効果に優れています。
ニンジンは高麗人参のことで、気を補う補気効果に優れています。

以上の3種類の上にいろいろな生薬を配合していると思いますが、更年期障害をいわゆる”血の道症”と考えて、補気養血活血という方法で改善する漢方薬だと想像できます。おそらく、日本の実母散に似たような漢方薬だと思われます。

ろーりー様が冷え性で血行が悪い体質で、生理周期も遅れがちでしたら服用しても問題はないと思います。
逆に暑がりののぼせ症で、生理周期が早いようでしたら、体質に合っていない可能性があります。

さて、ろーりー様は現在44歳で人工授精を5回行っても妊娠していないということですね。
病院の検査に異常が無く、ご主人にも問題が無いということでしたら、卵巣機能が低下していることが考えられます。
この場合は、中国漢方では、腎が弱った”腎虚”と考えて、補腎作用がある漢方薬を使うことが多いです。
具体的には、熟地黄、山茱萸、山薬、枸杞子、莵絲子、肉従蓉、鹿茸、亀板、紫荷車(胎盤)などの生薬が配合された漢方薬です。
補腎薬もいろいろな種類があり、体質によって使い分けます。
具体的な症状や基礎体温の状況が分からないので、どの補腎薬が良いかはお答えできないのですが、補腎薬を飲まないと十分な効果が得られない可能性はあると思います。

中国人の鍼灸師の先生は、鍼灸は専門だと思いますので、鍼灸についてはお任せしても良いと思います。
漢方薬にどの程度の理解があるか分かりませんが、補腎薬の服用について質問してみるとよいと思います。

現在は日本でも中国でも不妊症に周期療法が注目されています。

鍼灸師の先生が周期療法をご存知でしたら、補腎薬を使った周期療法ができるとより望ましいと思います。

以上、ご参考になれば幸いです。


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