HOME > 漢方・鍼灸 > 治療とわいせつの境目
HOME > 漢方・鍼灸 > 治療とわいせつの境目

治療とわいせつの境目

専門医Q&A 漢方・鍼灸

治療とわいせつの境目

2012.6.24

あとで読む

べるさん(39歳)

私は、去年の3月に稽留流産し、除去手術を受けた産婦人科に1年通っていましたが授かりませんでした。
排卵誘発剤とホルモン注射で体調を崩したため、その産婦人科はお休みし、漢方と鍼灸を組み合わせて不妊治療を行っている(70代くらいの男性鍼灸師)鍼灸院へ4か月通いました。
排卵日前と高温期3日以降の月2回の治療を受けていました

背中~腰にお灸をした後、跡を残さない為に、シアバターのホイップクリームでマッサージ(クリームを肌になじませる)をされます。
最初はお灸をした部分だけのマッサージでしたが、「気の流れに沿って神経を和らげる」と言って、クリームを使い、お灸をしていない太ももの外側を下方向に、太もものに向かって内側をなでてきます。足の付け根辺りになると3回に1回は股間に先生の指が当たってきました。(お腹にもマッサージされます)
ショーツは履いていたので、嫌でしたが我慢できました。
治療で子宮が温まっているかの確認で、陰部に(素手で)触ってきました。
通っている間、そこに通って授かったという方が、赤ちゃんを見せに来ていた場面に3回程遭遇し、皆私がやられているようなことをされていたのだ、我慢しよう。と思っていました。
しかし、5回目位から段々とクリームの量とマッサージの時間が増え、「いい気持ちにさせてあげる」とつぶやくようになり、鍼を打ちやすいように、少しだけショーツを下されることはあったのですが、8回目には、太ももの半分まで下され、太もも~お腹のマッサージの際、素手が陰部に当たってきていました。私は理解できずにやられたままでしたが、我慢できずに「トイレに行きたい」といってやめてもらいましたが、、、、

これは不妊治療に必要な行為だったのでしょうか?
切実な心境で通い始め、「これは子宮にいい」と言われればされるがままです。

高温期ががたがたで短かったのが、改善されています。



お話を伺った先生のご紹介

神薗克也 先生 (鍼灸治療室 翠明館)


当院に来院されている患者のうち9割以上は女性。しかも、その7割以上は不妊治療の方。一般に鍼灸治療は、腰痛や肩こりの治療と思われがちですが、実は、婦人科系や内科系の疾患にとても有効な治療方法なのですね。腰痛や肩こりで悩んでいる方と同じくらいに、婦人科系や内科系の症状で悩んでいる方は大勢います。内臓の不調からきている腰痛や肩こり、頭痛もありますので、そういう方には内臓の機能を整えないと、すっきりと治りません。特に、女性の場合は、ホルモンバランスによって多種多様な症状が現れます。

当院では、全身のアンバランスを整えていく治療をしていますので、体の様々な不調がすっきりとなくなっていきます。生理不順の延長線上に不妊症があり、さらにその延長線上に更年期障害があります。生理を整えることが、すなわち女性の健康を保つポイントなのですね。是非一度、体に優しい自然な治療方法の鍼灸治療をお試しください。



≫ 鍼灸治療室 翠明館

はじめまして、べるさん。

翠明館治療室の神薗といいます。

不妊治療のために、鍼灸治療に通われていたようですね。
高温期が改善してきたと、一定の効果は実感されていたようですが
施術中の治療行為で、不快な思いをされていたとのことで
とても残念に思います。

確かに、その施術行為が、純粋な行為であるのか、別の目的の
行為であるのかを判別するのは、難しいですね。西洋医学でも
産婦人科医が、時折訴えられることがありますが、
インフォームドコンセントをしっかり行わなかったために
その行為を誤解してしまったことによるものも少なからず
あるようです。

同じように、鍼灸師やマッサージ師、柔道整復師などの施術行為でも
わいせつ行為で訴えられるものがいることは事実です。
ほとんどの場合、意図的にわいせつ行為を行ったと本人が自白して
いますので、そういう目的があったことは確かでしょう。

ただ、実際に陰部付近に治療を行っている鍼灸師がいることを
聞いたことがあり、実際にその鍼灸師の治療を受けたという人が
当院にいらしたこともあります。その鍼灸師が、わいせつ罪で
訴えられたということは聞いたことがありませんので、おそらく
そのような治療をするということを、事前に説明をして、本人が
納得したうえで受けているからだと思います。

基本的にそのような女性が羞恥心を感じるような部分への
治療行為をする際には、しっかりその治療行為をすることの
必要性、その効果などを説明したうえで、本人が納得し、
その治療を受けることを了解することが前提です。

とはいえ、ほとんどの良識のある鍼灸師は、そのような部分への
施術はしません。なぜなら、その部分をわざわざ治療ポイントとして
選択しなくても、十分に他の部分で効果を出すことができる
からです。

たとえば、陰部に治療をする場合と、その他の部位に治療する場合の
効果の差をはっきりと示した臨床報告は、おそらくないと思います
ので、基本的にそのような部分への治療をすること自体の意味が
ないのです。

陰部で当てるという行為が、故意であるのか、あるいは過失である
のかは、微妙なところですが、少なくとも子宮が温まったかどうかを
確認するために陰部を触る行為は、限りなく故意に近いでしょう。
なぜなら、腹部で確認することができるからです。

どのような説明をしても、不妊治療において、鍼灸治療や
マッサージなどの治療をする上で、陰部に触れるという行為は、
基本的にないと思って差し支えないでしょう。

赤ちゃんを見せに来るほど患者から信頼されている鍼灸師が
そのような行為を意図的にやっているとしたら、それは同じ鍼灸師
として、とても残念に思います。

べるさんに、一日でも早く赤ちゃんが授かるよう
お祈りしています。


あとで読む

この記事に関連する記事

この記事に関連する投稿

女性のためのジネコ推薦商品

最新記事一覧

Page
top