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月経の周期が不安定です。

専門医Q&A 漢方・鍼灸

月経の周期が不安定です。

2012.11.9

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ショコラさん(41歳)

月経の周期が不安定で、排卵誘発剤を使用しても
卵がたくさんできず、無排卵となることもあります。

去年の夏に18週で流産。
その翌年の4月に再度体外受精するも、採卵のタイミングも前回より早まり、分割も遅く、結果着床せず。
その後、2か月低刺激で排卵誘発するも、卵が育たず、無排卵に。以後、鍼灸にたまに通うが、生理後2週間で生理になることが、2回ほど(連続ではない)。

アドバイスをお願いします。


お話を伺った先生のご紹介

小島晃 先生 (小島薬局 本店)


1990年東京薬科大学。3年間大手製薬会社で東京の大学病院を担当し、西洋医学の医療現場を学ぶ。高度に細分化された西洋医学の治療に疑問を感じ始めているとき、人間全体を見る中医学を知る。

東京・高円寺(現在は中野に移転)にあるイスクラ中医薬研修塾で1年間学び、1994年より小島薬局本店で漢方相談に従事する。

1995年から3年間北京中医薬大学日本校で中医学をさらに研鑽し、1998年の卒業と同時に国際中医師試験に合格する。
1997年より日本中医薬研究会学術委員を務め、2002年~2006年まで日本中医薬研究会学術委員長を務める。
2003年7月発刊の「東洋医学の名医134人徹底紹介」に紹介される。
2008年5月に自身が学んだイスクラ中医薬経営塾の講師に就任する。
2008年7月に湖北民族学院の客員教授に就任する。
2011年1月に日本中医薬研究会学術委員長に再び就任する。
2011年3月に湖北中医薬大学の客員教授に就任する。

著書に「女性の悩みは漢方で治す」(知道出版)、「不妊症周期療法のお話」(自費出版)がある。
現在、小島薬局本店で漢方相談を行い、後進の指導や中国医学の普及に努めている。



≫ 小島薬局 本店

漢方医学から診ると、腎虚、瘀血、肝気鬱結の症状が見られます。
無排卵性月経や無月経、排卵誘発剤を使用してもたくさん卵ができない、稽留流産したことがある、初経が同世代のなかで遅かった、足腰のだるさや冷えを感じる、40歳以上であることから「腎虚」症状が考えられます。

月経終了から後に腰やお腹が重くて痛い、子宮筋腫、内膜症、卵巣嚢腫、子宮ポリープ、卵管癒着などがあるのは「瘀血」の症状です。
最後の「肝気鬱結」は、月経前にイライラしやすく、怒りっぽい、落ち込みやすい、体温の上下変動が激しい、月経周期が不安定、低温期から高温期の移行に時間がかかるなどから考えられます。
腎虚にはいろいろなタイプがあります。
ショコラさんは、初潮が遅かったなどから卵巣機能低下が見られるので、基本的には腎精不足です。
しかし、冷え症などから腎陽虚、エストロゲンの不足から腎陰虚の症状もあるなど複雑です。
低刺激で排卵誘発しても卵が育たなかったことから、腎虚の症状は軽くないようです。
そこへ体外受精を繰り返したことで卵巣に負担がかかり、さらに腎虚の症状が進んだと思われます。

通常の植物性の補腎薬ではあまり効果が期待できないので、鹿茸・紫荷車(胎盤エキス)・亀板などの〝血肉有情の品〞といわれる動物性生薬を配合した補腎薬を選ぶと良いと思います。
次に瘀血も少し重いようなので、水蛭・三陵・我朮などの作用が強く嚢腫や癒着を改善する効果が優れた駆瘀血薬を選びましょう。
最後に肝気鬱結ですが、肝気を巡らせてストレスを和らげる柴胡や香附子を含む漢方薬がおすすめです。
状況から見て簡単に改善するケースではないと思われますが、流産前までは排卵していたのなら、体質に合った漢方製剤を服用することで、卵巣機能が改善する可能性はあると思います。
むしろ、漢方薬でしか現在の状況の改善は難しいと思います。


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