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鍼、お灸、マッサージとホルモン剤の併用は効果的?

専門医Q&A 漢方・鍼灸

鍼、お灸、マッサージとホルモン剤の併用は効果的?

2014.3.18

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JINEKO事務局さん(14歳)

アンケートにてお寄せ頂いたご相談について、ジネコが先生に聞いてきました。

【まーちゃんさん(39歳)】
ホルモンをコントロール中に、鍼、お灸、マッサージを毎日受けて、子宮内膜を厚くすることはほんとうに効果があるのでしょうか? 厚くしても月経ではがれてしまったら、それが無駄になるような気がします。貼り薬を開始したときに東洋医学を取り入れたほうがいいんでしょうか……。疑問だらけの私にアドバイス、助言などお願いいたします。


お話を伺った先生のご紹介

鈴木裕明 先生 (明生鍼灸院 本院)


昭和58年 明治鍼灸短期大学(現:明治国際医療大学)鍼灸学部 卒業、  同 年  渡部漢方クリニック 勤務、 昭和61年 明生鍼灸院 開業、 平成7年  金山レディースクリニック 鍼灸ブースオープン、 平成12年 竹内病院トヨタ不妊センター内鍼灸ルームオープン、 平成13年 明生鍼灸院金山分院 開設、 平成27年 医療法人社団 俵IVFクリニック 明生鍼灸院 開設、全日本鍼灸学会 認定鍼灸師、日本生殖医学会 会員、一般社団法人JISRAM(日本生殖鍼灸標準化機関) 名誉会員




≫ 明生鍼灸院 本院

妊娠・出産にとって重要なことは子宮内膜の厚さだけではないんですよ。自律神経系やホルモンバランスなども妊娠・出産にとってとても大切な要素です。
たしかに子宮内膜の厚さは、着床のしやすさと関係があります。
着床の時期だけでも鍼灸を行えば、その場の血流を改善することは可能でしょう。
しかし、着床はあくまでも通過点であって目標ではありません。
大切なことは妊娠を継続して無事に出産することです。

ここで西洋医学と東洋医学の妊娠の考え方の違いを考えてみたいと思います。
西洋医学では検査を行いホルモンや子宮内膜が望ましい数値になるように治療を行います。
タイミング法・人工授精では卵胞発育をうながしながら、排卵を予測して受精しやすい時期をうかがいます。
体外受精は採卵し精子を体外で出会わせて受精の場を作り、その結果できた受精卵を子宮に戻すことで着床・妊娠を期待します。つまり西洋医学的治療は「手助け」なのです。
排卵が難しければ排卵を助け、受精が難しければ受精できる場を手助けます。
一方、東洋医学は考え方が少し異なります。体全体を総合的に診て、妊娠しにくい体の状態だから妊娠しないと考えます。東洋医学では気・血・津液(水)がバランス良く身体中をめぐっているかどうかが重要で、この3つの要素が多くても少なくても良くないのです。
東洋医学で大切なことは、妊娠・出産しやすい体になるように日々改善を続け、それを維持することです。

こうして東洋医学で健康体に改善しながら、西洋医学の治療を行えば、よりその効果が期待できると考えます。
貼り薬を始める前から鍼灸治療を開始して、自律神経系やホルモンバランスを整える本質的な体作りとともに、子宮周囲の環境を整えることをおすすめします。
毎日の治療では時間も費用もかかり、負担になってしまいます。
鍼灸治療の頻度は週に1〜2回で充分なので、生活スタイルに合わせて続けてみてください。
鍼や灸などの東洋医学でより良い体を準備して、適切な西洋医学の手助けがあれば、きっと妊娠・出産の希望は叶いますので、あきらめずに鍼灸治療を続けてみてください。


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