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妊娠にそなえて受けておくべき検査とワクチン

インタビュー 妊娠・出産

妊娠にそなえて受けておくべき検査とワクチン

今までに打ったワクチンやかかった病気を知っていますか?妊娠する前に自分の体のことを知っておくのは安全な妊娠出産につながりますし、妊娠の準備として検査やワクチンを受けるのは大切なことです。それでは、受けるべき検査とワクチンとはなんでしょう?

2018.12.14

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自分が過去に打ったワクチンやかかったことがある病気について、正確に把握している人は意外に少ないものです。
広尾まきレディスクリニック院長の手塚 真紀先生は「自分の体のことは自身で主体的に考えてほしい」とおっしゃっています。女性として受けておくべき検査や、妊娠の前に接種しておくべきワクチンについて手塚先生に教えていただきました。




妊娠を考える前から受けたい検査


女性は生理が始まったらまず、生理が毎月いつ来ているか、何日周期で来ているのかを記録する習慣をつけてほしいと考えています。これは妊娠を目指すためというわけではなく、自分の体を知るためです。そして、性交渉が始まったら、子宮頸がん、性感染症の検査を年1回は受けましょう。同時に、超音波で子宮や卵巣のチェックもするのがおすすめです。子宮頸がんの検査には、細胞診とHPV(ヒトパピローマウイルス:子宮頸がんの元となるウイルス)の2種類の検査があり、どちらも内診で行います。性感染症の検査は何種類かありますが、クラミジアや淋菌などのおりもので調べる検査と、梅毒やHIVのように血液で調べる検査があります。


 


クラミジアはもっとも罹患の頻度が高く、無症状のことが多いので、気づかないうちに骨盤腹膜炎や不妊症の原因になることがあります。また、梅毒は、近年患者数が激増しており、それに伴って先天性梅毒という赤ちゃんの異常も増えています。自覚症状がなくても、一度は検査を受けましょう。超音波検査では、子宮筋腫や子宮内膜症、卵巣嚢腫などの病気がないか、排卵ができているかなどを画像で確認することができます。特に生理痛の強い方では、ぜひ超音波検査を受けてください。


妊娠を考えたら受けたいワクチン


妊娠を考えたら、まずは採血で風疹・麻疹の抗体があるかどうかを調べてください。検査は医療機関が実施しています。かかったことがあっても、ワクチンを打ったことがあっても、抗体が消えていることがあるので妊娠前にぜひ確認しましょう。


妊婦さんが妊娠初期に風疹に罹患すると、高い確率で先天性風疹症候群といって赤ちゃんの失明、難聴などの先天性の異常を起こす可能性があります。風疹はとても感染力が強く、また症状が出ない不顕性感染も多いため、妊娠中には気が付かず、出産後に赤ちゃんの異常によって罹患していたことを知るケースも多く存在します。また、妊娠中に麻疹に罹患すると、約30%の確率で流産や早産を起こします。早産によって、赤ちゃんが未熟児網膜症(視力低下や失明)や神経発達障害など、重篤なダメージを受ける可能性があります。麻疹も風疹も感染力が高いので、自分や家族に抗体があるかどうかぜひ調べてください。


HPVワクチン(子宮頸がんワクチン)も25歳以下で受けておくと有用性が高いワクチンです。日本で認可されているHPVワクチンは、HPV(ヒトパピローマウイルス)のうち、16型、18型をブロックでき、接種することにより罹患が半分に減ると言われています。世界的には、他の型番もカバーしたワクチンが出ており、いずれ子宮頸がんの9割を予防できるようになると言われています。また、性感染症のひとつでもある尖圭コンジローマもHPVウイルスによるものです。尖圭コンジローマもHPVワクチンで予防できるため、性交渉が開始する前に受けるともっとも効果が高まります。


「今の自分の生活が赤ちゃんの健康を作っている」


男女共に、自分が主体性を持って自分の体を知ることは、とても大事なことです。そして特に妊娠を考えている女性なら、自分の生活が赤ちゃんの健康を左右するということを改めて自覚してほしいのです。ぜひ、ワクチンなどによる病気の予防、普段の食生活、禁煙、などを意識して生活してください。誕生日や会社の健診を節目に、1年間の自分の生活を見直し、翌年の目標を立てるのもよいでしょう。また、情報があふれている現代社会では、情報の信ぴょう性が担保されないネットの記事や、人から聞いた不確かな情報に左右されやすいものです。自分の体の気になることや不安があったら、知識を持つ医師の元へぜひ足を運んでみてください。


お話を伺った先生のご紹介

手塚 真紀 先生(広尾まきレディスクリニック院長)


千葉大学医学部卒業。「女性特有の病気や悩みの力になりたい」という想いから、産婦人科を選択。東京大学付属病院産婦人科、霞ケ浦医療センター、JR東京総合病院、東京山手メディカルセンター勤務後、2014年 広尾まきレディスクリニックを開設。産婦人科一般、乳腺、肛門疾患、内分泌疾患など女性に多い病気に幅広く対応しており、また、アクセスしやすい都心にあるクリニックには、幅広い年齢層の女性が訪れる。趣味は、社交ダンス、読書。


≫ 広尾まきレディスクリニック

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