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ホルモン補充療法とは?

インタビュー 女性の健康

ホルモン補充療法とは?

更年期の不調の治療にホルモン補充療法がありますが、どんな治療法なのでしょうか。林康子先生に解説していただきました。

2019.2.15

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閉経前後、更年期にさしかかると女性ホルモンの分泌量が減少し、さまざまな不調が体に出てきたりします。そんな更年期の症状を改善する方法の一つにホルモン補充療法がありますが、実際にはどのような治療法なのでしょうか。やすこレディースクリニック院長の林康子先生にわかりやすく解説していただきました。




更年期の症状はどうして起こるのか?


閉経の前後5年間が更年期という定義ですが、表れる症状は人それぞれで個人差があります。その時期になると卵巣の機能が低下し、卵胞ホルモン(エストロゲン)の分泌量が急激に減ってしまいます。そこで脳が一生懸命卵胞ホルモンを出すよう卵巣に指令を出すのですが、機能がすでに衰えている卵巣はその指令に応えられません。このため十分な卵胞ホルモンが分泌されず、ホルモンや自律神経のバランスが崩れてしまい、さまざまな不快な症状が起きてしまいます。それが更年期症状(障害)と呼ばれるものです。

〈更年期のさまざまな症状〉
●顔がほてる(ホットフラッシュ)
●汗をかきやすい
●腰や手足が冷えやすい
●動悸、息切れがする
●寝つきが悪い、眠りが浅い
●怒りやすく、イライラする
●くよくよしたり、憂うつになる
●頭痛、めまい、吐き気がよくある
●疲れやすい
●肩こり、腰痛、手足の痛みがある
●腟炎、性交痛
など

典型的な更年期の症状がほてり(ホットフラッシュ)です。急にカーッと熱くなって顔がほてり、汗がとまらなくなり、動機がして息苦しくなったりします。そのほか、めまいやたちくらみ、イライラして怒りっぽくなったり不安を感じてうつ状態になったりする人も。症状の出かたも人それぞれなのが、更年期症状の大きな特徴です。


 


更年期の症状を軽減するためには?


更年期の症状を軽減する方法には以下の3つがあります。
①    生活習慣や環境などを見直し、症状を悪化させている原因に対処する。
②    不足している女性ホルモンを補う(ホルモン補充療法)。
③    漢方薬、抗うつ薬、睡眠薬などを用い、つらい症状を軽減する。

このなかでまず一番おすすめしたいのは、①の生活習慣などの見直しです。実際、更年期症状を訴える患者さんで、食生活を改善しただけでそれまでのつらい症状から解放された方も多くいます。しかし、それでも症状が軽減されない場合には②のホルモン補充療法も有効です。ということで、ここではホルモン補充療法について詳しくご説明していきます。


 


ホルモン補充療法(HRT)とは?


文字通り、更年期を迎えて減少したホルモンを補充することで、自律神経のバランスを整え、更年期の症状を軽減する方法です。

使用する薬には、卵胞ホルモン(エストロゲン)製剤、黄体ホルモン(プロゲスチン)製剤、卵胞ホルモンと黄体ホルモンの配合剤があります。
卵胞ホルモン製剤には飲み薬、貼り薬、肌に塗るゲル剤などがあります。これで卵胞ホルモンを補充するわけですが、卵胞ホルモンには子宮内膜を厚くする作用があるため、子宮体ガンのリスクが増えるという問題があります。そもそも私たちが卵胞ホルモンを出しているのに子宮体ガンにならないのは、黄体ホルモンも分泌しているからです。黄体ホルモンとは排卵の後に出てくるホルモンで、PMSなどの症状を引き起こすものですが、実はそれがガンを予防してくれているのです。ですから、卵胞ホルモン製剤を使用する際には、子宮体ガン予防のために黄体ホルモン製剤が併用されます。
また、あらかじめ1つの製剤に両方が含まれている配合剤で対応する人も増えています。配合剤にも貼り薬タイプがあります。貼るタイプのメリットは、胃腸を通らず皮膚から直接血液中に吸収されるので、胃腸や肝臓への負担がないことです。

さらに周期的に投与する方法と持続的に投与する方法があります。どの投与方法で、どんな薬を使うかは医師と相談して決めてください。いずれの方法でも保険は適用されるので安心してください。


 


ホルモン補充療法の効果とリスクは?


効果は人によって、また、薬によって違いはありますが、ほてりや発汗などの症状は比較的早く軽減されます。そのほか、性器の萎縮で起こる腟炎や性交痛なども改善されますし、不眠なども3カ月ほどで効果を実感できます。

副作用としては出血がありますが、長く続くものではないので、ふだんの生理が軽かった人は抵抗なく受け入れてくれるケースが多いです。それ以外にはおりもの、乳房の張りや痛み、下腹部の痛み、むくみなどの症状が出る人もいます。また、貼り薬を使用した場合にはかゆみやかぶれなどが起こることもあります。それらの症状が出たら医師に相談してみてください。

なお、乳ガンや子宮体ガンにかかっている、もしくはその疑いがある人、血栓性の疾患にかかっている、もしくはかかったことがある人、肝障害がある、心筋梗塞、脳卒中にかかっている、もしくはかかったことがある人は、HRTは避けたほうが良いでしょう。


 


林 先生より まとめ


更年期と聞くと、自分の人生が“落ちていく”ような悪いイメージを持っている人が大半。しかしこれは、15歳前後を思春期と呼ぶのと同じで、閉経前後5年の期間を示す言葉でしかありません。卵胞ホルモン(エストロゲン)の分泌が減ることで自律神経のバランスが崩れ、さまざまな症状を引き起こすわけですが、それも必ず終わりがくるものです。ですから、あくまで通過点ととらえ深刻にならないことが大事です。

とくにくよくよしたり、憂うつな気分が続くといったメンタル的な症状が出る人はやはり生活の見直しが重要。栄養バランスのとれた食事、十分な睡眠、適度な運動を習慣化することでかなり改善されるはずです。
また、ここでは触れませんでしたが、漢方薬も更年期の症状を緩和するのに有効です。漢方の種類も豊富なので、自身の症状を医師にできる限り詳細に伝え、適切な漢方薬を処方してもらうようにしてください。


 


お話を伺った先生のご紹介

林 康子 先生(やすこレディースクリニック 院長)


平成元年日本医科大学卒業。以後、大学病院、横浜日赤病院産婦人科など勤務を経て、2003年、どなたも安心して受診できる産婦人科を目指し、横浜市都筑区にやすこレディースクリニック開業。モットーは「女性がより良く生きるために、正しい医療を提供する」。一人ひとりの悩みの解決を手助けできることがやりがい。婦人科一般のほか、婦人科検診、ピル外来、妊婦健診、更年期外来がある。親しみやすい人柄とわかりやすい説明で人気がある。林先生自身のストレス解消法は愛犬チワワのチェリーと散歩すること。

≫ やすこレディースクリニック

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