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43歳の婚約中に治療スタート

コラム 不妊治療

43歳の婚約中に治療スタート

信頼できる先生との出会いや
治療できることに感謝し、
夫婦の協力と熱意で願いをかなえました。

2019.2.19

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天職とも思える仕事に出会い、
仕事もプライベートも謳歌し、気がつくと40代に。
年齢の壁という現実に向き合い
婚約中から夫婦で治療に取り組んだKさんのお話です。


※2019年2月25日発刊「女性のための健康生活マガジン jineko vol.41 2019 Spring」の記事です。


年齢の壁という現実を知りこれまでの人生に後悔も


「客室乗務員として仕事とプライベートを謳歌し、気がついたら40歳を超えていました」と語る、笑顔が素敵なKさん(46歳)。43歳の時に友人の紹介で医療にたずさわる一つ上のご主人と出会い、お互いの人柄に惹かれて交際3カ月で婚約。ご主人と出会った当初は不妊の知識がなく、「子どもはまだまだ産める」とのんびり構えていたといいます。しかし、「子どもが欲しい」という二人の思いが一致すると、医療に詳しい彼のアドバイスもあり、すぐに近くのクリニックで一般検査を受けることに。
卵巣年齢は40歳と実年齢より若く、特に問題はなかったのですが、婚約中に治療できる施設が限られていることがわかりました。Kさんは職場から通えそうな施設をインターネットで検索。電話でいくつか問い合わせしたなかで、温かい対応をしてくれた、あるクリニックの説明会に彼と一緒に参加します。そこで不妊治療に対する先生の熱意に触れ、「この先生ならお任せできる」と、通院を決めました。
初診では「一般検査で特に異常はなかったのですが…」と、それほど深刻に考えていなかったKさんでしたが、「43歳という年齢を考慮して、すぐに治療を始めたほうがいいでしょう」という先生の言葉に愕然とします。
「先生の一言でようやく現実を受け入れました。そして、結婚も出産も後まわしにして、この歳になってしまった自分を強く責めたくなりました」
そんなKさんに、先生は「あなたは今までの人生も懸命に生きてきたのでしょう。一緒に頑張りましょう」と励まし、治療に前向きに取り組むよう、背中を押してくれたといいます。


限られた時間のなかで治療ができることに感謝


こうして体外受精からスタート。最初のうちは仕事と治療を両立しながら自己注射などで卵子を育て、1回の採卵ごとに新鮮胚と凍結胚を移植することにしました。しかし、それを3周期繰り返しましたが、すべて陰性。毎回、期待した結果が出ない現実に直面するたび、落胆するKさんでしたが、それでも翌日には気持ちを切り替えて治療に向き合い続けました。
特に40代の不妊治療にはスピードが大切。この治療法では年間に採取できる数が限られてしまうことから、先生からの新たな提案で、治療2年目は毎周期の採卵に変更し、その間は胚移植をせず、受精卵を貯蔵する方法に切り替えます。
そして、45歳半ばを迎えた頃、受精卵の数と質がある程度整ったとの先生の判断から移植を再開。すると、2回目に行ったクリニック独自の方法で待望の妊娠判定が。しかし、その喜びもつかの間、45歳以上の流産率が50%以上と聞き、不育症予防の自己注射とさまざまな検査を行う不安な日々がしばらく続きました。
そうして7カ月。安定期に入ると、赤ちゃんの胎動を感じるようになり、「私たちを選んでくれてありがとう」と、ようやく愛しさと幸福感がこみ上げてきました。
「私たちは幸運なことに信頼できる先生に出会い、すべてお任せしましたが、ここに至るまでには涙することもありました。不妊治療は経験した人にしかわからない肉体的な痛み、精神的な痛みをともないます。私の年齢を考えると、治療にかけられる時間は限られていました。いつか必ず終わりを迎える不妊治療。治療できることへの感謝を忘れないようにしました」


「納得するまで諦めない」大切なのは夫婦の協力と熱意


「子どもが好きな主人が私と結婚するのは、大きな決断だったと思います。それでも私と人生を歩むと決め、二人三脚で治療に協力してくれたことに感謝しています」とKさん。不妊治療には夫婦の協力が欠かせないと振り返ります。
「クリニックでは1人の患者さんに与えられた時間は限られており、毎回いくつもの質問を書いたノートを持参して、先生が余すことなく回答してくれた内容を主人に共有していました」
時にインターネットで治療を検索していると、ネットの情報ではなく、信頼する先生に直接聞いて問題解決するようにと、ご主人からアドバイスを受けることも。また、仕事を辞めて治療に専念するようになってからは、治療中心の生活に。リフレッシュが大切だと考え、ご主人と国内外の旅行にたくさん出かけたそうです。その一方で「最後まで結果が出なかった場合、その後の人生をどのように歩むかといったライフプランも冷静に話し合いました」
また、Kさん自身も「歩んできた人生は取り戻せないので、明日より若い、今の自分を大切にし、愛する主人との間に子どもをもちたい」という一心で、これまで以上に食事や運動に気をつけました。実は、意外にも人見知りだというKさん。信頼する先生や看護師さんに心を開き、医師と患者の関係を超えた一人の人として、日々の治療に取り組むことを心がけていたそうです。そのうえで、不妊治療で後悔しないためには、「先生の熱意と同じか、それ以上に患者側も治療に対する熱意をもち、納得するまで諦めない」姿勢が大切だといいます。
その後、元気な男の子を無事出産し、子育てで忙しい日々を送りながらも、家族の幸せを実感しているKさん。
「できることなら、残された受精卵で家族を増やしたい」
これからの夢は広がっています。


 



出典:女性のための健康生活マガジン jineko vol.41 2019 Spring
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