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なかむらレディースクリニック こころとからだに優しい中村嘉宏先生の不妊治療はじめて講座

コラム 妊活

なかむらレディースクリニック こころとからだに優しい中村嘉宏先生の不妊治療はじめて講座

WHOが発表した不妊症の原因では、男性側だけにある夫婦は約4組に1組、男女両方にある夫婦は約4組に1組であり、男性側の因子がかかわっている夫婦が約半数にのぼります。不妊症は、女性だけの問題ではなく夫婦ともに検査を受けることが重要です。

2019.2.24

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※2019年2月25日発刊「女性のための健康生活マガジン jineko vol.41 2019 Spring」の記事です。


テーマ
不妊の原因と検査
WHOが発表した不妊症の原因では、男性側だけにある夫婦は約4組に1組、男女両方にある夫婦は約4組に1組であり、男性側の因子がかかわっている夫婦が約半数にのぼることがわかります。不妊症は、女性だけの問題ではありません。夫婦ともに検査を受けることが重要です。

「不妊の原因と検査」まとめ
●ご夫婦ともに検査を受けられることが重要です。
●検査をしても原因がわからない場合もあります。
●原因究明ではなく、赤ちゃんを授かることを目標に。

お話を伺った先生のご紹介

中村 嘉宏先生(なかむらレディースクリニック)


大阪市立大学医学部卒業。同大学院で山中伸弥教授(現CiRA所長)の指導で学位取得。大阪市立大学附属病院、住友病院、北摂総合病院産婦人科部長を経て、2013 年より藤野婦人科クリニック勤務。2015年4月なかむらレディースクリニック開院。

≫ なかむらレディースクリニック

不妊症のおもな原因について教えてください。


おもに「排卵」「卵管」「子宮」「子宮頸管」「男性側」の大きく5つの因子に分かれます。
「排卵」の因子は、ホルモンバランスに問題があるなど、卵胞が育たない、排卵が起こらない、あるいは排卵が不規則になるなどの状態をいいます。代表的な疾患には、PCOS(多嚢胞性卵巣症候群)があります。また、難治性の排卵障害として早発卵巣機能不全があります。
「卵管」の因子でとくに多いのは、クラミジア感染と子宮内膜症による炎症で癒着が起きる場合です。卵管内側が癒着により詰まったり、細くなると精子や受精卵の通過性が低下し妊娠の妨げとなります。また、卵管の外側が癒着して卵管の動きが制限され、卵子をピックアップできないピックアップ障害も不妊の大きな原因となります。
「子宮」因子は、子宮筋腫や子宮腺筋症のような腫瘍により子宮内腔が変形した場合や、子宮の形態異常がある場合など着床しにくくなる状態を指します。
「頸管」の因子は、精子が正常でも精子が頸管を通過できない状態をさします。原因として、抗精子抗体により精子が動かなくなる場合や子宮頸部を円錐切除し、頸管粘液が十分に分泌されない場合などがあります。
「男性側」の因子として、精子の濃度が低い、精子の運動率が悪いなどがあります。男性因子は不妊原因の40%程度を占めています。その多くは顕微授精で解決することができます。




不妊症の検査にはどんなものがありますか?


女性側の初期検査は、ホルモン検査、ヒューナーテスト、超音波下卵管造影検査、経腟超音波検査の4項目を、生理周期に合わせて行います。また、クラミジア抗体の検査や甲状腺機能の検査、卵巣のなかの卵子の残り数を予測するAMH検査などを行いますが、これは、生理周期に関係なく行うことができます。
子宮筋腫などがある場合、子宮鏡検査を行う場合もあります。
男性側は精液検査を行います。不妊症の原因は多岐にわたります。複数の因子や、女性側と男性側の因子が重なり合っていることも多いので、ご夫婦ともに検査を受けられることが重要です。
最近は「卵子の老化」という言葉をよく耳にされると思います。卵巣のなかの卵子も体の老化と同じように老化しますが、35歳頃から急速に老化が進行していきます。すると体外受精の妊娠率も低下しはじめ、反対に流産率が上昇していきます。とくに30代半ばの方は早めに必要な検査を受けられて、早めに適切な治療につなげることが大切です。


検査でわかる原因と、わからない原因は?


不妊症は検査を行えば必ず原因がわかるというものではありません。
通常の検査では排卵しているかとか卵管が通っているかとか精子所見に異常がないか精子が子宮頸管に侵入しているかについて把握することができます。一方で、「排卵した卵子が卵管にピックアップされているか」「体内で受精が起きているか」「受精卵が着床できるか」などは通常の検査ではわかりません。
子どもに恵まれない場合、妊娠に至るどこかのプロセスに原因があることは確かなのですが、今の医学でも検査で調べられない部分も多く残っています。通常の検査では約40%の方は「原因なしあるいは不明(正常)」とされていますが、「正常であること=妊娠できる」ではないことをご理解いただきたいと思います。
しかし、治療の最初に行う検査は、治療方針を立てるうえで、とても大きな意味があります。検査でわかる情報をもとに、どの段階から治療をはじめるか、もしくは一般不妊治療をどのくらい行うかを考えていきます。


検査を受ける患者さんにメッセージをお願いします。


原因の特定や、正常であることを証明するため、あらゆる検査を希望される方もいらっしゃいます。
すこし矛盾するようですが、原因が見つかったからといって、その原因を治療しても必ずしも妊娠できるとは限らないのです。正常の場合でも同様です。なぜなら、検査ではわからない異常が隠れている場合もあるからです。卵子の状態や、受精できるかどうかなどは、実際に体外受精をしてみないとわかりません。
タイミングや人工授精などの一般不妊治療を4回程度やってみて、妊娠しない場合は、早めに体外受精にステップアップするほうがいいでしょう。妊娠しない原因として単純に体の中で卵子と精子が出会えていない、受精が起こっていないだけなのかもしれません。体外受精ではこの受精の過程が確実になります。何カ月もかけてさまざまな検査で原因を探っていくよりも、一般不妊治療を受けてみて妊娠するかどうかを確かめる「治療的診断」のほうが、はるかに有効な検査法だと思います。30代後半では早めに体外受精にステップアップしてもいいと思います。
目的は原因究明ではなく健康な赤ちゃんを授かることです。




出典:女性のための健康生活マガジン jineko vol.41 2019 Spring
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