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【3/1~8 女性の健康週間】若い女性に急増! 梅毒っていったいどんな病気?

インタビュー 女性の病気

【3/1~8 女性の健康週間】若い女性に急増! 梅毒っていったいどんな病気?

近年、急激に感染者数が増加している梅毒は、妊婦がもっとも注意すべき病気の一つ。入江琢也先生に梅毒について伺いました。

2019.3.8

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近年、急激に感染者数が増加している梅毒。なかでも若い女性の患者が激増しているのが特徴です。梅毒は妊婦がもっとも注意すべき病気といわれています。そこで、アイレディースクリニック新横浜 院長の入江琢也先生に、梅毒について詳しく伺いました。




若い女性が梅毒に注意するワケは?


梅毒は1990年代以降、患者が年間1,000人を下回ったため、過去の病気とされていました。それがどういうわけか2011年頃を境に、急激に患者が増加してきたのです。827人だった2011年から年々増加し、2017年には5,820人、2018年は6,923人となり、前年より約1,100人の増加となりました。(※)

さらに懸念されるのが、現在の流行の特徴である20代前半の若い女性が増えているということです。2015年の報告患者は2010年と比べて約5倍という多さです。梅毒は20~40代の男性に多いのですが、若い女性が激増するのは異常事態と言えるでしょう。

若い女性患者が増えると、妊娠した時に胎児に母子感染する「先天梅毒」が危惧されます。先天梅毒を発症すると約4割の確率で流産や死産になるとされ、死産を免れても目や耳などに障害を抱えたり、幼少期になって心臓などに障害が出現したりするケースもあります。

今後も増加傾向が続く恐れがあり、先天梅毒を防ぐためにも、早い段階での対策が求められています。そのためには、まず多くの女性に梅毒の恐さを知って欲しいと思います。そして私たち医師は梅毒の早期診断をして、感染拡大を食い止める任務にあたっています。

(※)出典
国立感染症研究所/日本の梅毒症例の動向について(2019/01/07)
https://www.niid.go.jp/niid/ja/syphilis-m/syphilis-trend.html

毎日新聞(2019/01/11)
https://mainichi.jp/articles/20190111/k00/00m/040/061000c


セックスで感染する梅毒。感染力は性病のなかでダントツ


過去の病気といわれていた梅毒とは、どんな病気かをご説明します。

梅毒はクラミジアや淋菌と同じ性病の一つで、梅毒感染者とのセックスやオーラルセックスによって感染します。原因は梅毒トレポネーマという菌で、皮膚や粘膜の小さな傷から侵入して感染します。

梅毒に感染しているかどうかは、問診と血液検査で確定診断します。問診では性風俗への従事歴や海外渡航歴など、梅毒に感染しそうな情報をお聞きします。そして血液検査で調べます。病変部を採る病原体検出は、採りこぼれがあるため診断には不向きです。感染後の潜伏期間を考慮し、検査を受けるタイミングは、感染したと思われる日から3~4週間後が目安です。

また、血液で調べる目的はほかにもあって、保健所への報告に血液検査のデータが必要だからです。梅毒は感染力が非常に強く、先天梅毒の危険性が高いことや、無治療の場合は死に至るため、同じ性病でもクラミジアや淋菌とは取り扱いが異なります。梅毒の確定診断が出た場合は、たった1人の患者でも保健所へ報告する決まりになっています。


大人の掌に湿疹ができたら、それは梅毒


梅毒の症状は、下記のように病期によって異なります。

第Ⅰ期(早期顕症梅毒)
感染後、3~4週間以上の潜伏期間を経て、菌が侵入した部分の性器や口唇のまわりに、潰瘍の硬性(こうせい)下疳(げかん)が出現します。腿(もも)のつけ根が腫れることもあります。痛みやかゆみなどの自覚症状はなく、治療しなくても数週間で消失します。

第Ⅱ期(早期顕症梅毒)
第Ⅰ期の症状がいったん消失した後、4~10週間の潜伏期間を経て、菌が血液に混じって全身を侵し、扁平に隆起した柔らかい湿疹(扁平コンジローマ)や赤い湿疹(バラ疹)が出現します。なかでも手の平にバラ疹ができたら、確実に梅毒を疑います。バラ疹は第Ⅱ期の特徴的な症状で、成人の掌に発疹ができる病気は、梅毒以外にないと言われているからです。

潜伏梅毒
血液検査が陽性でも、第Ⅰ期と第Ⅱ期の間、第Ⅱ期の症状が消失した状態を指します。これが梅毒の最も困った点で、患者は治ったと勘違いして治療の機会を逃します。しかし自然に治ることはなく、体のなかで静かに病状が進行します。

晩期顕症梅毒
第Ⅰ期、第Ⅱ期に治療をしなかった場合、数年~数十年かけて約1/3の確率で循環器系や中枢神経系に症状が出現します。

先天梅毒
先述したとおりで、梅毒に感染している母体から胎盤を通じて胎児に母子感染します。


梅毒の治療と予防は?


梅毒はすべての病期に、抗生剤のペニシリンを使って治療します。現在、クラミジアや淋菌には抗生剤が効かないケースもありますが、梅毒はペニシリンがよく効きます。

第Ⅰ期は2~4週間、第Ⅱ期は4~8週間、Ⅲ期以降は8~12週間服用します。血液検査を行いながら指標となる抗体の数値を見て治療していきます。治療の効果が表れると梅毒感染を示す抗体は下がっていきます。

ただし梅毒は治っても、再び性行為で再発する可能性はあります。予防するワクチンはありませんので、梅毒感染者との性行為を避けるか、コンドームでブロックするしかありません。


まとめ


現在も先天梅毒は増加傾向で、若年妊婦や未婚、妊婦健診を受けていない女性に多いという報告があります。現在、日本で行う妊婦健診には必ず梅毒の検査はあります。定められた健診を受けていれば、早期発見できるので安心してください。
とはいえ、梅毒は特定の女性がかかる病気だと他人事にしないでほしいと思います。性風俗を利用したパートナーから感染する可能性もゼロとは言い切れません。自分の体や赤ちゃんを守るために、いつでも適切な行動をとれる女性でいてください。


お話を伺った先生のご紹介

入江 琢也 先生(アイレディースクリニック新横浜 院長)


1992年、香川医科大学卒業。慶應義塾大学病院、足利赤十字病院、けいゆう病院、シーズレディースクリニック恵比寿、渋谷文化村通りレディスクリニックを経て、2016年、アイレディースクリニック新横浜院長に。医学博士。中核病院での勤務経験をいかし、良質な医療をクリニックで提供してくれる。バルトリン腺膿瘍の辛い症状を早く確実に処置してくれる。またCO2レーザーによる子宮頸部レーザー治療も行う。女性誌などで信頼できる医師として紹介されている。

≫ アイレディースクリニック新横浜

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