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妊娠初期のホルモン補充周期で少量の出血が続いています

コラム 不妊治療

妊娠初期のホルモン補充周期で少量の出血が続いています

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2019.6.30

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※2019年5月24日発刊「女性のための健康生活マガジン jineko vol.42 2019 Summer」の記事です。


続さん(32歳)からの相談
ホルモン補充周期の出血について
ホルモン補充周期で妊娠4週目に陽性が出ました。hCGは317mIU/mlです。妊娠判定3日前(移植3日後)から少量の出血があり、色はピンクから薄い赤です。それが出たり止まったりしています。私の出血は動くとひどくなるらしく、外出したりすると少量強の出血になり、安静にしていると止まってきます。家事をする時も少量弱の出血があります。これは大丈夫なのでしょうか。いつになったら止まって動けるのでしょうか。

まとめ
●黄体ホルモン補充療法で使う薬の刺激により妊娠初期に出血することがあります。
●下腹部に強い痛みを感じたり、出血の量が増える場合は受診しましょう。

お話を伺った先生のご紹介

石原 尚徳 先生(久保みずきレディースクリニック)


高知大学医学部卒業後、神戸大学医学部大学院修了。医学博士。兵庫県立成人病センター、兵庫県立こども病院の勤務を経て、2008 年より久保みずきレディースクリニック菅原記念診療所勤務。不妊治療から周産期・小児医療まで、地域に根ざした総合的なサポート体制が整う同クリニックで、不妊治療/婦人科、産科の外来を担当する。

≫ 久保みずきレディースクリニック

黄体ホルモン補充療法について教えてください。


黄体ホルモンは排卵後の卵巣から分泌されるホルモンで、黄体ホルモン補充は、体外受精などに用いられる治療です。体内の不足している黄体ホルモン(プロゲステロン)を薬で補うことで、子宮内膜を整えて着床しやすくし、着床後は妊娠を維持する効果があります。


黄体ホルモン補充療法によって出血することはあるのでしょうか?


そうですね、出血しやすくなると思います。黄体ホルモン剤には注射剤、内服薬、腟坐薬がありますが、近年は腟坐薬の使用が世界的な主流になっています。通常は1日2〜3錠を採卵日から最長10週頃まで使用します。腟坐薬は子宮腟部(子宮の入口)の近くまで挿入しますので、お薬が子宮の入口に接触して物理的な刺激になることもありますし、薬の成分の刺激によっても薄ピンク色の出血を伴うこともあります。黄体ホルモンを補充していない方でも、妊娠初期に多少出血することはありますから、たいていの場合は問題ないでしょう。通常は妊娠8〜10週目になると薬の使用を中止しますので、それと同時に出血も治まることがほとんどです。
ただ、下腹部に強い痛みを感じたり、出血の量が増えるようであれば、切迫流産の可能性もありますから、連絡のうえ受診されることをおすすめします。


着床期や妊娠初期に「安静」が必要なのは、なぜでしょうか?


安静にすることで、子宮の収縮を必要以上に増やさないようにするためです。
日常の生活動作を最小限にするほどの強い安静は必要ないと思いますが、ストレスを受けるような動作や運動は控えたほうがいいですね。
子宮は何もしていない時期でもゆるく収縮していますが、妊娠して子宮が大きくなるにつれて、収縮する回数も増えます。しかし、収縮する回数が過度に増えると切迫流産につながることがあります。これを回避するために安静が必要で、さらにその役割を内側から担っているのが黄体ホルモン補充です。


続さんへのアドバイスをお願いします。


繰り返しになりますが、少量の出血であれば、あわてずに少し安静を心がけてください。ただし、下腹部に強い痛みと出血をともなうようであれば、担当の先生に相談しましょう。また、続さんに限らず、多くの方にいえることですが、出血がみられると、つい「流産のサイン?」と悪いほうに考えてしまいがちです。しかしナーバスになりすぎてもお腹の赤ちゃんによくありません。そのような時は、受診することで安心される方もいます。お一人で不安をかかえずに、ご自身が安心するために受診されるのも一つの方法です。


出典:女性のための健康生活マガジン jineko vol.42 2019 Summer
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