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卵管が完全閉塞なのに自然妊娠できたのはなぜでしょうか?妊娠後の処置も不安です

コラム 不妊治療

卵管が完全閉塞なのに自然妊娠できたのはなぜでしょうか?妊娠後の処置も不安です

「何もしないまま次の生理を待っていたのですが、先日、受診をしたら妊娠4週0日とのこと。来週、hCGとエコーの検査を予定しています。」

2013.6.27

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相談者
まおさん(38歳)
■ 今回、不育症の検査を行ったところ、凝固系に若干リスクがあり、卵管閉塞もあるので、数週間カウフマン療法をして体外受精を行う予定でした。何もしないまま次の生理を待っていたのですが、先日、受診をしたら妊娠4週0日とのこと。来週、hCGとエコーの検査を予定しています。そこで、ご質問したいのは4点です。①卵管が両側ともに完全に閉塞しているのに、自然妊娠したのはなぜか?
②血中hCGを測ることの意味と、周期ごとの正常値
③採血を毎週行う意味は?
④月経5日目で内膜が薄いとのことですが、なぜエコーをせずに黄体ホルモンを処方されたのか



ジネコ:子宮卵管造影検査をして、両側の卵管が完全に閉塞していると診断されたのに、妊娠できたのはなぜかというご質問です。実際によくあることなのでしょうか?


塩谷先生:まずはご妊娠おめでとうございます。子宮卵管造影検査で卵管閉塞だったのに、自然妊娠するというケースはまれにあります。検査の時に造影剤を入れることによって、もともと詰まっていた卵管がレントゲン写真では確認できないくらいに少しだけ通ったのだと思います。検査を受けてよかったですね。当院でも実際に何例か経験があります。ですから、たとえ子宮卵管造影検査をして両側とも卵管が閉塞していた場合でも、「今日の検査では通っていないように見えますが、自然妊娠の可能性がまったくないというわけではありません」というふうに患者さんには伝えています。子宮卵管造影というのは、造影剤の量や圧力を測りながら入れていくので、当院では患者さんがあまり痛がるようなら、それ以上、無理に造影剤を注入することをしません。だいたい300mm/Hgを超える圧力をかけると、たいていの人はとても痛がります。ヒトの血圧はだいたい100mm/Hgですので、血圧の3倍くらいの圧力を加えても造影剤が通らなかったら、それ以上は無理に通さないということなんです。そもそも当院の検査機器にはストッパーが付いていて、300mm/Hgを超えると、それ以上は造影剤が入らないようになっています。 子宮卵管造影検査を行った後は、卵管の通りがよくなって妊娠しやすくなるといわれています。まおさんも、検査の影響によって妊娠できた可能性が高いと思いますね。


ジネコ:なるほど、よくわかりました。では、妊娠と診断された後の超音波による検査についてはいかがですか。


塩谷先生:妊娠4週の日の受診でエコーによる検査がなかったのは、この時期にはまだエコーでわかる変化は特に表れないからです。次回の受診ではエコー検査があると思います。この時、子宮の中に胎児が宿っている様子、すなわち胎のうが見えれば、すごく順調な経過です。妊娠5週0日では、正常妊娠でもまだ胎のうが見えないこともありますので、見えないからといってあまり心配なさらずに、次回の診察を待ちましょう。


ジネコ:血中hCGの値を測る血液検査についてはいかがですか。


塩谷先生:血中hCGを測定することの意義は、妊娠かどうか確実に診断するためと、正常妊娠と異常妊娠を区別することです。正常妊娠ではhCGは高めになり、妊娠初期には上昇します。流産する場合にはhCGは低めとなり、やがて低下します。子宮外妊娠の場合は、低めでゆっくりと上昇するケースが多いでしょう。hCG値の目安は、妊娠4週では100mIU/mL以上、妊娠5週では1000mIU/mL以上と考えてください。これより低い場合には流産や子宮外妊娠の可能性に注意を払うことが必要です。今回、まおさんは妊娠4週0日でhCGが456mIU/mLということですので、流産や子宮外妊娠の可能性は極めて低いと思われます。毎週検査するのはhCG値がどのように変化しているか、増え方のパターンを見るためです。くり返しになりますが、正常妊娠では、hCGは測定するたびに上昇します。一方、数値が横ばいであったり、低下する場合は流産や子宮外妊娠を疑います。妊娠後の検査でhCG値を毎回チェックすることは、とても重要なことなのですよ。


ジネコ:妊娠後、検査をせずに黄体ホルモンが処方された理由についてはいかがですか。


塩谷先生:これも問題ありません。まおさんは黄体ホルモンを服用された後に妊娠されていますが、子宮卵管造影検査とともに、この黄体ホルモンの投与も今回の妊娠できた理由の一つと考えられます。黄体ホルモンは子宮内膜を変化させて受精卵の着床を円滑にさせる働きがあると同時に、妊娠を維持させるために必要なホルモンです。たとえ体外受精を行っていなくても、ホルモンでコントロールした周期で妊娠した場合、妊娠とわかってすぐに投与を中止すると、黄体ホルモンが不足し、その結果、まれに流産を招くことがあります。ですから卵巣にできた妊娠黄体、あるいは絨毛細胞から、黄体ホルモンが十分に分泌されるようになるまでは、補っておいたほうがよいと主治医が判断されたのでしょう。まおさんの質問内容を拝見すると、最初の段階からきちんとした検査や治療を受けていらっしゃるとお見受けしましたので安心してください。健康な赤ちゃんを出産するためにも、妊娠確定後の検査や、それにともなう処置はとても重要です。信頼できる先生のもとで無事に出産を迎えられることをお祈りしています



塩谷 雅英 先生
島根医科大学卒業。卒業と同時に京都大学産婦人科に入局。体外受精チームに所属し、不妊症治療の臨床に取り組みながら研究を継続する。1994~2000年、神戸市立中央市民病院に勤務し、顕微授精による赤ちゃん誕生に貢献。2000年3月、不妊専門クリニック、英ウィメンズクリニックを開院する。A型・しし座。来る3月31日、新神戸ANAクラウンプラザホテルで開催される「第8 回日本レーザーリプロダクション学会」で会長を務める。近年、不妊治療の領域においてもレーザー治療は注目を集めており、レーザー医学の臨床や基礎研究に携わる多くの専門家が参加するそう。





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