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凍結胚盤胞の移植日は黄体補充から何日目がベスト?

コラム 不妊治療

凍結胚盤胞の移植日は黄体補充から何日目がベスト?

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2019.9.20

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※2019年8月24日発刊「女性のための健康生活マガジン jineko vol.43 2019 Autumn」の記事です。


くーさん(40歳)からの相談
▶凍結胚盤胞の移植日について
ホルモン補充周期でD1からエストラーナⓇテープを貼っています。6月6日の13時頃から黄体ホルモン補充(腟錠)が始まり、10日の15時頃に4日目胚盤胞を移植予定です。ネットで調べると、黄体補充が始まった日を仮排卵日(0日)として、そこから5日目に移植している方が多いみたいで、そうなると11日に移植する方がよいのかと心配になってきました。「着床の窓」の関係も気になります。ぜひご意見をお聞かせください。

まとめ
●胚盤胞移植なら黄体補充から5日目、というのが一般的です。
●日数よりも、子宮内膜と受精卵のベストな状態の見極めが大切。

お話を伺った先生のご紹介

生田 克夫 先生(いくたウィメンズクリニック)


名古屋市立大学医学部卒業。名古屋市立大学産科婦人科学教室助教授、名古屋市立大学看護学部教授などの経歴を重ねたが、不妊に悩む名古屋の方たちの役に立ちたいという思いで、教育者の立場を辞して独立。地元・名古屋の中心部、栄に開院し、1986年から体外受精の現場を歩いてきた経験と穏やかな人柄で、数多くの患者さんを妊娠に導く。

≫ いくたウィメンズクリニック

黄体補充から4日目に移植予定のくーさんは、5日目のほうがよいのでは? と心配されていますが、先生のご意見はいかがでしょうか?


4日目に移植するというのは珍しいですね。分割期胚の移植なら3日目、胚盤胞移植なら5日目というのが普通です。ホルモンコントロール周期では、黄体ホルモンの服用を始めることでいわゆる排卵した日をつくって、翌日から黄体期の1日目とします。胚盤胞は受精後5日目でできるものなので、おおむね5日目の移植ということになります。
逆に、受精卵の発育が遅く5日目でも胚盤胞になっていない時は、もう1日培養して胚盤胞の形になった6日目に戻す、ということはあります。また、いったん凍結して次の周期の5日目に移植することもあります。


では、くーさんも11日に移植したほうがよいということですね。


施設によって多少差があるかもしれませんが、大部分の人が5日目に移植していると思いますね。多少の差とは何かというと、黄体ホルモン補充の投与の開始時間によります。くーさんはお昼ですが、夜から投与する場合は日数計算が多少ズレます。とはいえ半日もズレるわけではないので、だいたい5日目に移植ということになるのではないでしょうか。


「着床の窓」については?


わかりやすく言えば、受精卵が子宮内膜に着床できる黄体期の期間で、幅があってポイントではないので“窓”という表現なんです。人間の場合は実験ができないので正確なデータはありませんが、だいたい3日間くらいだといわれています。2〜3年前からは、子宮内膜の状態が本来の移植に最適な時期とズレているのではないかとして内膜の発育分化状態を調べるERA(子宮内膜着床能検査)を行っている病院も見かけます。3〜4回胚移植をしてもなかなか着床しない方にこの検査をすすめる施設もありますが、費用は十数万円と高額です。
ただ、検査しても2日も3日もズレているわけではなく、せいぜい半日とか1日くらいのようです。ではそれを修正したら100%妊娠するか、というとそこは疑問。というのは、子宮内膜の状態だけでなく、その時々で受精卵の発育の速度も多少なりと異なるからです。最近は慢性子宮内膜炎が原因となるともいわれたりしています。胚移植や着床不全に関しては、まだよくわかっていないブラックボックス的なところがあり、「これが原因」と断言できるものはあまりないので難しい問題ですね。
なかなか着床しない場合は、移植する受精卵を2つにしてみるとか、二段階胚移植にするという以前からの方法もあります。
 免疫系に異常がある場合も考えられるので、それを調べてみるのも一つの方法です。




出典:女性のための健康生活マガジン jineko vol.43 2019 Autumn
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