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1回目の顕微授精に失敗。もう子どもは諦めないといけないのでしょうか?

1回目の顕微授精に失敗。もう子どもは諦めないといけないのでしょうか?

1回目の顕微授精に失敗。もう子どもは諦めないといけないのでしょうか?

2013.7.2

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相談者
しょうこさん(42歳)
■ パートナーができたら子づくりをしようと思っていたので、昨年11月に不妊専門病院に行きました。すると、医師から「厳しいことを言うようだけど、体外受精を50回して1回妊娠するかどうか。妊娠したとしても流産になる確率が高い。子どものいない生活を受け入れることも考えたほうがいい」と言われました。ショックで何も質問できず、家で泣いてばかりでした。彼と話し合い、今年2月、初めて顕微授精にもチャレンジしましたが、妊娠できませんでした。私は生理があれば年齢が高くても出産できると思っていました。AMHのことを早く知っていたらと今は後悔ばかりです。



ジネコ:AMHの値が0.34ng/mLと低いことを受けて、治療は厳しいと主治医に診断されたそうです。妊娠の望みは薄いのでしょうか?


宮崎先生:確かに、かなりよくない状態ですね。年齢的にも40歳を超えていらっしゃいますし、どんな排卵誘発をしても、一度にたくさんの卵子が得られることはちょっと考えにくいでしょう。
ただAMHの値は、妊娠の「結果」を判断する材料ではありません。今残っている卵子の総数、あといくつ残っているかという在庫の量の目安に過ぎないのです。たとえば、若い人は1回の採卵で30個の卵子が採れることもあるだろうけれど、しょうこさんの場合は頑張って3個でしたよね。国際的に信頼できる文献もまだありませんし、当院でも正確な統計を取ったわけではないのですが、AMHは卵巣年齢といわれますが、閉経年齢を予測するものではないと私は思います。 成熟卵が3個採れていて、顕微授精で胚盤胞移植まで進んでいることから、可能性はまだ十分あると思います。


ジネコ:AMHだけにこだわり、悲観するのはよくないことでしょうか。


宮崎先生:そうです。もちろん相関関係はあるでしょうけれど、卵子の品質を評価するものではありません。AMHが高ければ高いほど妊娠しやすい、というものでもない。AMHは発育過程にある卵胞から分泌されるホルモンで、加齢や卵胞の量によって増減がありますが、20.0ng/mLなんていう値の方もおられて、このような方の場合は非常にOHSSを発症しやすいので、卵巣刺激の方法も慎重に考えなければいけません。
いずれにせよ、AMHの値が低い方は卵巣にある卵子の総数が少ないので、妊娠率が低くなる傾向はありますが、それがすべてではないということを知っておいてほしいです。1回の刺激で採れる卵子の数は少ないものの、たとえ1個の卵子でも妊娠できる方はできます。40~45歳で妊娠されている当院の患者さんの多くは、やっと採卵できた1~2個の卵子で妊娠される方ばかりです。


ジネコ:先生は治療の際、すべての患者さんにAMHの測定をすすめられているのですか?


宮崎先生:基本的に皆さんに検査を受けていただいています。しかし、その理由は、卵巣刺激の方法を選択する時の参考データとして有効だからです。AMHが高いと、卵巣が薬の刺激に対して反応がよい、低いと反応が悪いということですから、それがある程度わかっていたほうが刺激しやすいのです。注射の薬剤の量を決める時の参考にもなります。
転院されてきた患者さんに対しても、2年前のデータだったりする場は再検査をおすすめしています。加齢や健康状態によって数値が変動していることが少なくないですから。逆に、過去に強い刺激をしても1個しか採卵できなかったような方には、あえて再検査をすすめたりはしません。


ジネコ:漢方薬やサプリメントについても調べられているようです。できることは試してみるべきでしょうか?


宮崎先生:長寿遺伝子を活性化するという、レスベラトロールやDHEAなどは、学会でも有効なデータが発表されて注目を集めていますね。漢方薬も同時にあれこれ飲むのはよくありませんが、その人の体質に合ったものをきちんと処方してもらうのはいいと思います。 過去に早発閉経の患者さんで、卵巣の組織も調べたうえで、妊娠は諦めかけていたのに、当帰芍薬散(とうきしゃくやくさん)を飲み始めて1カ月くらいで自然妊娠した方もいらっしゃいました。
しょうこさんの場合、通院や費用のストレスもあるとは思いますが、やはりマイルドな自然周期に近い形で、あと2~3回体外受精にチャレンジされるのは無駄な努力ではないと思います。主治医の先生は「体外受精を50回行って1回妊娠するかどうか」という極端なことをおっしゃったようですが、当院の40代で妊娠できた人たちは、たいてい2~3回の体外受精で妊娠されたケースが多い。これは、「体外受精で妊娠できる人は2~3回のうちに結果が出ている」ということです。自然周期に近い刺激だと費用も少なくてすみますし、思うように卵子が育たなかったら「今月はやめておこう」という選択も可能です。この方法ならそう負担にはならないでしょう。


ジネコ:しょうこさんは「生理があれば高齢でも出産できると思っていた」ということですが、このような患者さんは多いですか?


宮崎先生:多いと思います。先日も42、43歳のご夫婦が相談に来られて、年齢のことを説明したら驚いておられる様子でした。しかし、厳しいことを言うようですが、42歳の方が2年間、一般不妊治療をした後に、44歳から体外受精へステップアプ、というのは治療方針として問題があると思います。当院では、一般不妊治療で来られた患者さんにも、38歳以上の方には1年以内に体外受精をすすめています。ご本人にその意思があれば、最初から体外受精でもかまいません。
しょうこさんの場合、精液検査のデータも考慮してのことだと思いますが、42歳で最初に顕微授精から治療をスタートされたのはよいことだと思います。体外受精をしながら一般不妊治療を並行して行ってもいいわけですし、可能性があると感じることは試す価値があると思います。



宮崎 和典 先生
大阪医科大学医学部卒業。学生時代の新生児医療への興味がきっかけとなり、体外受精や不妊治療の世界を志す。同大学産科婦人科講師を経て、1992年に不妊症、不育症治療専門クリニック、宮崎レディースクリニック開業。開業当初より泌尿器科の専門医による男性不妊外来を開設する。A型・しし座。忙しい合間を縫って、シーズンになれば仲間と釣り船をチャーターして、毎年15回くらいは海釣りに出かけるという先生。春先には鯛を求めて徳島・鳴門まで出かけたが、1尾も釣ることができなかったとか。「6時間半もいたのに、一度も、誰もアタリなし!」とどこか楽しそうに、あくまでもマイペースな先生でした。




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