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ピルなどで生理を止めたら子宮の負担が減って妊娠しやすくなりますか?

コラム 不妊治療

ピルなどで生理を止めたら子宮の負担が減って妊娠しやすくなりますか?

「これから先、妊娠を望むのであれば、ピルなどで生理を止め、子宮への負担を少なくしたほうがいいのでしょうか?」

2013.7.2

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相談者
くりっぷさん(36歳)
■ 過去に、過労で半年~1年ほど生理が止まってしまい、めまいなど更年期障害のような症状があり、医師に「このままだと不妊症のような感じになってしまいますよ」と言われました。それからホルモン剤投与や食事療法、運動などで体調を整え、今は順調に生理が来ています。最近になって、35歳を超えると妊娠の可能性が下がってしまうという話や、卵巣や子宮の老化が一気に進むという話を聞き、不安を感じています。せっかく来るようになった生理ですが、これから先、妊娠を望むのであれば、ピルなどで生理を止め、子宮への負担を少なくしたほうがいいのでしょうか?



ジネコ:くりっぷさんは、35歳頃から進むといわれている卵巣や子宮の老化を少しでも遅らせたいようです。卵子の老化はよく耳にしますが、子宮も老化するのでしょうか?


松山先生:子宮自体は臓器ですから老化していくと言えますね。しかし、妊娠に関係する子宮の内膜は、新陳代謝によって機能層がつくられ、使われなければ剥がれ落ちていきます。これを毎月くり返すことが生理ですね。
ですから、内膜そのものは老化するとは言えないと思いますよ。子宮筋腫が多数できてしまうなど、特別な問題がなければ、子宮の老化ということはそれほど重く考えなくてもいいと思います。


ジネコ:それでは、卵巣の老化はどうでしょうか。ピルなどを用いて生理を止めれば、卵巣の機能を温存することができますか?


松山先生:そもそも、生理によって卵巣が酷使されるということはないと思いますよ。卵巣の機能よりも、重要なのは卵子の数です。
女性は誕生する時に、一生分の卵子を持って生まれてきます。そして、生まれてからは補充されることなく、ただ減少していくのです。もう少し詳しく言うと、卵子を包みこんだ原始卵胞のことをいうのですが、わかりやすく卵子といいますね。 母親の胎内にいる時、卵子は多い時で片側の卵巣に約700万個も存在しますが、生まれてくる時にはすでに100万個ほどに減少しています。これは、アポトーシスという、細胞が自ら死んでしまう現象によって起こります。
排卵が起こる第二次性徴期を迎える頃には、このアポトーシスによって卵子の数はすでに約40万個にまで減っています。それから毎月1000個ほどの原始卵胞が成長する訳ですが、排卵する1個を除いて、残りは死んでいきます。


ジネコ:何もしなくても卵子は減っていくのですね。アポトーシスに加えて毎月起こる生理によってさらに卵子が死んでいくのですね。それなら、せめて排卵を止めて生理を起こさせないことで卵子の減少を食い止められませんか。


松山先生:少しでも卵子の減少を抑えたい、というお気持ちはわかります。しかし、数から考えて、生理を止めたからといって違いが出るほどのレベルではないと思いますよ。アポトーシスによる減少があまりにも凄まじいので。


ジネコ:逆に、生理を止めてしまった場合、体にデメリットはあるのでしょうか。くりっぷさんは、過去に生理が止まった時に「このままでは不妊症になる」と言われたそうですが。


松山先生:排卵が行われなくなると、ホルモンに異常が生じて、更年期障害のような症状が出ることがあります。たとえば、閉経後に見られる骨粗しょう症などです。骨が弱く折れやすくなるほかにも、体の不調はいろいろなところに出ると思いますよ。子宮の筋肉にもホルモンが関係しますし、排卵障害にもつながります。
こうしたことを考えても、生理を止めて卵巣や子宮の負担を少なくしようとは考えないほうがいいと思いますね。


ジネコ:それでは、体の中に貯蔵している卵子の減少を食い止められるいい方法はないのでしょうか。


松山先生:決定的な方法というものは、残念ですがありません。卵巣のタイムスケジュールは、生まれた時から決まっているのです。


ジネコ:くりっぷさんのように、35歳を過ぎて、妊娠力が落ちてしまったと焦る女性は多いのではないかと思います。


松山先生:卵子の減少についてお話しした通り、一番気にしていただきたいのは年齢です。自然妊娠はもちろん、体外受精などあらゆる治療において、年齢が高くなればなるほど成功しにくいことはデータで証明されています。特に、35歳を過ぎると著しく成功率は下がります。卵子の数で言いますと、35歳~38歳頃になると減り方は著しくなります。ちなみに閉経前の50歳ぐらいになると、1000個を切るといわれています。


ジネコ:くりっぷさんや年齢の高い方々へ、アドバイスをお願いします。


松山先生:くりっぷさんが今すぐ妊娠できる状況かどうかは、質問いただいたデータだけではわかりません。妊娠歴がないことなど、いただいた情報から判断すると、もしかしたらまだご結婚されていないのかもしれませんね。ご自分で、いざという時のことを考えて妊娠できる体づくりをしておきたいというお気持ちはわかります。それと並行して、パートナーを持つなど、妊娠に近づくような環境を整えていくということでしょうか。
あるいは、ご結婚されているなら、卵子の数が多く残っているうちに妊
娠していただきたいですし、不妊の検査も受けてほしいと思います。今ある卵子を大切に、妊娠に向けて前向きに動かれていってはいかがでしょうか。



松山 毅彦 先生
東海大学医学部卒業。小田原市立病院産婦人科医長、東海大学付属大磯病院産婦人科勤務、永遠幸レディースクリニック副院長を経て、1996年厚仁病院産婦人科を開設。日本生殖医学会生殖医療専門医。おひつじ座のA 型。毎日忙しい日々を送る先生、最近は自分のコピーロボットが欲しいそう。「ちょっと前のアニメで流行りましたよね。僕も憧れるなぁ」。今回の取材も、診療後の夜遅い時間にもかかわらず丁寧にお答えいただきました。




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