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2019.9.7 sat 『ジネコ 妊活セミナーin 横浜』(@横浜市市民文化会館関内ホール)を開催しました!

レポート 妊活

2019.9.7 sat 『ジネコ 妊活セミナーin 横浜』(@横浜市市民文化会館関内ホール)を開催しました!

今回はセミナー第二部の、とりわけ来場者の関心が高かった馬車道レディスクリニック池永先生の講演についてレポートします。

2019.10.21

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「妊娠への近道」


できるだけ早く妊娠するためには、どんなことを心がけたらいいのでしょうか。
そこで、今回は妊活をするうえで知っておくといい8つのポイントについて解説します。


 


1:不妊症は、他の病気と異なり患者が夫と妻の2人いる


不妊とは、子どもを望む男女が避妊をせずに子づくりをしたのに、一定期間、妊娠しない場合のことをいいます。ちなみにこの一定期間ですが、ここ最近では「1年」というのが一般的。通常、子づくりをスタートして1年以内に80%が、2年以内に90%のご夫婦が妊娠するといわれているからです。

1年間子づくりをしても妊娠できない場合は、医療機関に相談するなど次のステップに踏み出すといいでしょう。
ここでポイントとなるのが、夫婦でよく話し合って方針を決めること。他の病気と違い、不妊治療は対象となる患者さんが夫と妻の2人。その2人の妊活への知識レベルがバラバラだったり、考え方に偏りがあると、なかなか進まず、それが結果に影響することがあります。
このようなセミナーにご夫婦で参加してお互いに共通認識をもち、たまには時間をとってよく話し合い、足並みを揃えておいてください。


 


2:妊娠は「期間限定」である


治療をしていくうえで頭ではわかっていても意外と抜け落ちてしまうのが、「妊娠できる期間には限りがある」ということです。

女性の生理はだいたい13歳~50歳ぐらいの約35年間。ただ、現在の女性が働く環境や社会的背景を考えると、実質的な妊娠期間は、結婚する30歳~出産、育児をするのに体力的に限界となる40歳の約10年前後ということになります。
その10年ほどの間、毎日妊娠できるチャンスがあればいいのですが、そうではありませんよね。排卵は1カ月に1回なので、計算すると一生のうち妊娠できるチャンスは、約120回のみになります。

「人生85年」といいますが、妊娠できる期間は“とても短くて限定されている”ことを忘れないでください。


 


3:妊娠する力は加齢とともに低下する


妊娠は、卵子と精子が出会って受精し、それが、子宮に着床することで成立することはご存じの方も多いと思います。
妊娠するのに重要なのが卵子。そのもとになる原始卵胞の数は、女性がお母さんのおなかにいる時期が最多で、生まれてくる段階でガタンと少なくなります。それから年を経るごとにどんどん減っていきます。多くの卵子が使われることなく、卵巣内で自然と消滅してしまいます。
また、数だけでなく、卵子の質も加齢とともに低下します。質が低下すると染色体異常が多くなり、子宮に着床しても流産する率が高まります。


 


4:妊活はスピードが勝負


今までの話をおさらいすると、
・不妊症とは1年子づくりをして子どもができないことを指す
・妊娠できる時間はとても限られている
・妊娠するために重要となる卵子の数、質は加齢とともに低下する
ということがわかったと思います。
以上のことから、限られたチャンスをフルに活かすためにも、「子どもを産みたい」と考えているなら、できるだけ早く妊活することが大切です。

では、いざ「妊活を始めよう」とした場合、どんな点に注意したらいいかを解説していきます。


 


5:精液検査と卵管造影検査は妊活の最初に受けるべきもの


妊活をするうえで初めにやっておきたい検査が精液検査と卵管造影検査の2つです。

精液検査は、夫の精液を採取し、精子の数や奇形率、運動率などをチェックします。
一方、卵管造影検査は卵子と精子の通り道である左右の卵管が詰まっていないかを造影剤を流して画像で確認する検査です。
この2つの検査を妊活の最初にやっておくと、自分たちに合った治療法が見つけやすくなり、限られた妊娠できる時間を有効に使うことができます。

ちなみに治療は大きく分けて、以下の3つになります。
■タイミング療法…採血などから排卵日を特定し、そこを狙って性交する方法。

■人工授精…採取した精子からよい状態の精子だけを集め、それを女性の腟内に挿入する方法。

■体外受精…
女性の体内から卵子を採り出し、シャーレ上で精子を振りかける、もしくは精子を一匹だけ採り出して卵子に注入して受精させます。その受精卵を子宮に戻す方法。

たとえば、卵管が詰まっている患者さんに、いくらタイミング療法を実施しても卵子と精子が出会えないため妊娠できませんよね。貴重な時間を無駄にしないよう、まずこの検査を受けてください。
どちらの検査も保険適用です。すでに妊活を始めている方で、まだこの検査をしていない方は、早めに受けましょう。


 


6:「若いのに不妊」「2人目不妊」は要注意ケース


よく「不妊」で誤解があるのが、「若いのに妊娠しない」方と、「2人目不妊」の方です。

若いと「もう少し妊娠するか様子をみてもいいのではないか」と考えがちですが、それは間違いです。普通、20代であれば3~4周期にわたって子づくりすれば妊娠します。加齢というリスクが加わっていないのに妊娠できないということは、それ以外で何らかの大きな原因があると考えられるので、逆により手厚い治療が必要なケースが多くあります。

2人目不妊は、「1人目はすぐ自然に授かったのだから2人目だって自然に妊娠できるはず」と考える方が多く、長期間病院を受診せず、自己流で頑張ろうとする傾向が見受けられます。
ただ、見方を変えると「1人目がすぐ自然に授かったのなら、2人目もすぐにできないとおかしい。それなのに授からない=何らかの問題がある」という図式も考えられます。

年齢が若ければ、確かに治療にかけられる時間はたっぷりあります。ただ、その間も時間は過ぎていくので、「若いから」「1人目は自然に授かっているから」と妊活を躊躇しているなら、ぜひ早めに医療機関に相談をし、妊活をスタートさせてください。


 


7:体外受精の特徴① ~着床障害以外の原因はカバー~


不妊治療の一つである体外受精。実際のところ「体外受精をすれば誰でも妊娠できるのではないか」と考えている人もいるのではないでしょうか。
そこで体外受精でできること、できないことを解説していきます。

不妊の主な理由として、卵巣から排卵された卵子を、排卵采がうまくキャッチできない、精子の量が少なくて受精できないなどの原因があります。

体外受精は、上記のような不妊に関する主な原因をカバーできる治療法です。
ただし、染色体異常などの受精卵を着床させることはできません。また、受精卵が子宮に着床して妊娠はするものの、お母さんのおなかの中で育たず、流産を3回以上くり返す「不育症」も体外受精ではカバーできません。不育症と不妊症はまったく別領域の治療になるので、もし「不育症かもしれない」という場合は、不育症を診察できる医療機関で適切な治療を受ける必要があります。


 


8:体外受精の特徴② ~短期間で結果が出やすく、受精卵を凍結しておけば2人目以降の妊娠率も高い~


先ほど妊娠するための治療法として大きく分けて、タイミング療法、人工授精、体外受精の3つがあることを解説しましたが、なかでも体外受精は、短期間で結果が出やすく、1回の実施で妊娠する確率が高い治療法。そのため限られた時間を有効に使えます。
また、複数個採卵でき、受精卵が2個以上できることがあります。その際、移植する以外の受精卵を凍結しておけば、次の妊娠につなげることができます。2人目以降を産むときも、その凍結していた若い時の受精卵を移植できるため、実年齢で採卵したものより、妊娠率が高くなります。

実例として、29歳の時に採卵し、2つの受精卵ができたので、1つを体内に戻して出産。残りの1つを凍結していた方がいました。その凍結受精卵で2人目を産むのかと思ったら、3年後に破棄してほしいとの依頼があり、ご本人の意志が固かったため、破棄をしました。
ところが、35歳の時に「やっぱり2人目が欲しい」と、再度来院。体外受精で採卵して受精卵ができましたが、結果的に妊娠することはできませんでした。この方の場合、29歳から体外受精をしたことで子どもを授かることができましたが、35歳からスタートした場合、妊娠することが難しかった可能性があります。

体外受精は、妊娠率を高める有効な治療法ですが、万能な治療法ではありません。
体外受精も卵子の質が低下し始める前にやることが大切。できるだけ早めに妊活をスタートするように心がけてください。


 


体力、精神力、経済面など総合的にみて効率的な体外受精を


妊娠率が高い体外受精ですが、お母さんの体力、精神力、経済面でもとても効率のいい治療法です。そのため私は、適切な刺激法をもちいて10個前後採卵し、複数個の受精卵をつくることが望ましいと考えています。
たまに「10個も採卵すると、残っている卵子の質が悪くなりそう…」、「自然な方法がいいので、できるだけ薬を使わず1つずつ採卵する方法がいい」と、考える方がいますが、たくさん採卵したからといって卵子の質が下がることはありません。また、採卵数を抑えると質のいい卵子が採れるとも限りません。

1回の採卵で複数個の受精卵ができた場合、ぜひ凍結をしておいてください。2人目、3人目はこの凍結しておいた受精卵を体内に戻せば、採卵から行うより経済面でも体力面でもラクになります。また、若い時期の受精卵なので、染色体異常の確率も下がり、妊娠できる可能性が高まります。


 


池永先生のまとめ


今回は、妊活を始めようと考えているご夫婦に向けて知ってほしい8つのポイントをご紹介しました。
まとめると、なるべく早めに妊活をすることが、妊孕性を高めることにつながります。
妊活で行われる治療法のなかでも体外受精は、短期間で結果が出やすく、凍結できれば2人目、3人目をつくる際も体力的にも経済的にも有効です。
ぜひ自分に合った治療法を見つけ、できるだけ早く妊娠できるようにしてください。


 


講演いただいた先生のご紹介

池永 秀幸 先生(馬車道レディスクリニック 院長)


1959年横浜生まれ。地元聖光学院高等学校を卒業し、東邦大学医学部に入学。
卒業後、東邦大学大森病院第1産婦人科に勤務。周産期医学、体外受精を中心とした不妊症やその合併症(多胎妊娠や卵巣過剰刺激症候群など)の治療にあたる。さらに東邦大学リプロダクションセンターとチームを組み、閉塞性無精子症などの男性不妊の治療を行う。


≫ 馬車道レディスクリニック

編集部より:初心者にもわかりやすい内容で理解が深まった参加者も


妊活を始めようか迷っている人や、取り組んでいるご夫婦向けに、知っておいたほうがいい知識や情報を8つのポイントにまとめ、わかりやすく解説してくれた池永先生。
先生の「妊娠できる時期はきわめて限られている」という話にハッとし、熱心にメモを取る参加者の姿が多く見られました。

妊活のことや、体外受精のことをもっと詳しく知りたい方は、池永先生が院長を務める「馬車道レディスクリニック」に相談してみるといいでしょう。JR、横浜市営地下鉄の関内駅や、みなとみらい線馬車道駅からも近くアクセスしやすいうえ、池永先生以外、スタッフは全員女性なので、親しみやすいのも大きな魅力です。


 


参加された方の声


以下、今回 池永先生のお話しを聞いた方々の率直なご感想の一部です。


<セミナー事後アンケートより>
・検査内容の違いなど知ることができて良かった。
・不妊症に欠かせない検査を早く受ける重要性を理解しました。
・とても分かりやすかった。スライドもあり、理解できた。
・具体的な例を挙げて説明してくださり、分かりやすかったです。
・自分がこれから何をしたいか道が見えてきました。
・全く知らなかった知識が聞けて良かったです。
・不妊症について細かく知ることができて良かったです。
・卵管の大切さを感じ、体外受精に最後の望みをかけようと思った。
・自分は既に38歳で何もしないよりは現状を知って、気持ちを新たに前向きにできました。
・若くして体外受精をしたほうが良いということが分かった。
・夫への情報として良かった。
・もう少し40代の症例の話をして欲しかった。
・私のような高齢だと先生のところは受診しにくいと思った。



当日は、専門家による講演のほか妊活に役立つグッズの紹介、自治体による妊活支援の取り組みなどを紹介。
熱心にメモを取ったり、気になるグッズを試すご夫婦の姿が多数見受けられ、盛況のうちに終わりました。


今後も全国各地で妊活セミナーの開催を予定しております。詳しくはイベント情報をご確認ください。
少しでも気になる内容や興味のあるテーマのセミナーがございましたら、是非ご参加ください。 


 


【妊活セミナー in 横浜 協賛企業】
●フェリング・ファーマ株式会社
●りんどう漢方薬品株式会社
●株式会社TENGAヘルスケア
●株式会社ローズマダム


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