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【Q&A】体外受精4回の結果、2回 流産。ー浅田先生

専門医Q&A 不妊治療

【Q&A】体外受精4回の結果、2回 流産。ー浅田先生

次は二周期あけて採卵から開始。多嚢胞で生理不順のため、この周期は体を休めた方が良いのか、リセットした方が良いのか?浅田レディースクリニックの浅田義正先生にお答えいただきました。

2019.11.6

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相談者:マリーさん(38歳)



体外受精4回の結果。
37歳から体外受精を4回。移植胚盤胞は
①4AA.ハッチングなし→陰性
②4AA.ハッチングあり変化なし→陰性
③4AA.4BBハッチングあり5AA.5BB→陽性
④4BB.3BBハッチングあり5BB.3BB→陽性

今年に入り陽性を2回連続でもらい、1度目は胎嚢確認後、2回目はHCG1200程上がっていても、胎嚢見えず…初期流産。
年が関係するのはわかっているのですが、不育症検査待ちな状態です。せっかくの陽性をもらえても、流産ばかりが2回も続きました。

①BT7判定日→HCG26.23→BT15/HCG1000胎嚢6mm確認後、流産
②BT7判定日→HCG35.9→BT14/HCG1186胎嚢見えず流産。

判定日が早いのもあるかもしれませんが、HCGの数値は流産に関係ありますか?

どちらも自然排出しました。出血や痛みはなく、柔らかい粘土のような物が排出され、塊は無かったです。その後、普通の鮮血の生理になります。
これはお腹の中で育った内膜や受精卵の跡形なのでしょうか?

不育症検査は、薬や流産の影響を受けない時まで保留になりました。次回はまた採卵からになりました。
DHEAやビタミンDは取っていましたが、採卵にはあまり影響しなかったように思います。次回は二周期空けて採卵予定になります。
なにを目安にすれば、良い採卵のタイミングになりますか? このホルモンがこれくらいとかの目安があれば教えて下さい。

できれば沢山の良質な胚盤胞が取れるように、2周期目の生理はピルを使わず自然に来るのを待ちます。
ただ多嚢胞で生理不順なのでほっとくと4ヶ月とか生理が来なくなります。
この周期はあえて体を休めた方が良いのかプラノバールなどでリセットさせた方が良いのかアドバイス下さい。



浅田先生からの回答




38歳で多嚢胞卵巣とのことですが、AMH値が2.24ということなので、それほどひどい多嚢胞卵巣ではないとも思われます。一方、多嚢胞で生理不順のため、放っておくと4ヶ月生理がこないという矛盾する記述もみられ、このあたりははっきりと分かりません。
ただ、多嚢胞卵巣であれば通常1回の採卵で十分な卵子が採れるので、これまで4回採卵した割には受精卵が少ないということになります。マリーさんに関して一番改善すべきことは何かというと、卵巣刺激の仕方だと思います。


卵子は排卵の6か月前から自ら成長し始めます。6か月のうちの後半の3ヶ月は、ホルモン依存性の成長になります。つまり、その時期のホルモン状態が悪ければ、十分な成熟卵が得られないということになります。従って、卵子のもともとの質はバラバラであっても、受精卵を作る際には成熟度の良い卵子を採取することが大切です。さもなければ、受精率の低下、ひいては妊娠率の低下に繋がってしまいます。
ですので、マリーさんにとっては、卵巣刺激の仕方の改善が重要となります。


卵巣刺激の仕方はクリニックによって大きく異なりますので、マリーさんの卵巣の状態に適した卵巣刺激をしてくれるクリニックを選択すべきです。38歳であれば、平均22、23個の卵子で一人の赤ちゃんが生まれるという報告があります。もちろん平均ですので、カップルの遺伝子の組合せによっては、50個、100個必要な人、逆に10個で十分な人もいるかもしれません。


また、不育症の検査というのは、不妊症のスクリーニングでほとんど網羅されていると思います。ほとんどの受精卵は途中までしか育ちません。非常に早い段階で成長が止まれば妊娠しないということになり、少し育てば流産、生まれる前で成長が止まれば死産となり、結局は受精卵がどの段階まで育ったのか、という結果に過ぎません。薬剤やその他の方法で外部から遺伝子の発現を変えることは基本的に不可能ですので、不育症の治療は効果が無いものとして、現在世界的には考えられています。


先ほど述べたように、ご自身にあった卵巣刺激をすること、しかもホルモン依存の3ヶ月を意識しながら治療を進めることが基本となります。単に周期を空けて休めば良くなるということではありません。月経周期が異常であれば、休むことで余計に卵の発育が止まり良い結果をもたらしません。なお、ピルはホルモン剤としては非常に強力ですので、私は使用していません。


 



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お話を伺った先生のご紹介

浅田 義正 先生


名古屋大学医学部卒業。1993 年、米国初の体外受精専門施設に留学し、主に顕微授精を研究。帰国後、日本初の精巣精子を用いた顕微授精による妊娠例を報告。現在、愛知県の勝川、名古屋駅前のほか、昨年5月には東京・品川駅前にもクリニックを開院。

≫ 浅田レディースクリニック

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