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【Q&A】慢性甲状腺炎で不妊治療中です。ー 木村先生

専門医Q&A 不妊治療

【Q&A】慢性甲状腺炎で不妊治療中です。ー 木村先生

半年の間に体外受精1回、顕微授精2回。1ヵ月でも早く採卵するべきか、卵巣を休ませた方が良いのか、船橋駅前レディースクリニックの木村秀崇先生にうかがいました。

2020.1.25

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相談者:haruyoさん(41歳)



慢性甲状腺炎で不妊治療中です。
この半年間の治療記録です。
●AMH 3.97(39歳)→1.85(40歳)
●治療歴
1回目 体外受精 採卵数15 受精卵11 ※約半分が多核受精
2回目 セントロメア抗体陽性が出たため顕微授精 採卵数13 受精卵5 ※卵巣が腫れて水がたまりOHSSに。
3回目 顕微授精(ホロスコープ使用)採卵数14 受精卵5
セントロメア抗体に対して、プレドニンを服用する以外に何かよい治療はありますか?
41歳という年齢を考えると1カ月でも早く採卵するべきか、卵巣を休ませた方がいいか悩んでいます。



甲状腺炎に罹って40歳を超えた不妊治療ですと、haruyoさんが受けたような治療がスタンダードなのでしょうか?





甲状腺炎を持ちながら不妊治療を望む方は当院でも少なくありません。
ここでは、haruyoさんの治療経過を元に、甲状腺炎、セントロメア抗体、OHSSのこと、また標準的な治療についてお話させていただきます。


 


haruyoさんは慢性甲状腺炎で不妊治療をされているとのことですが、甲状腺炎に罹っていながら不妊治療をすることはそもそも可能なのでしょうか?


はい。甲状腺炎を抱えて不妊治療を受けることは可能です。ただ、甲状腺炎の治療は別途内分泌科など専門医の元で並行して受けてください。

甲状腺機能が落ち着いていないと妊娠しにくく、また妊娠しても流産となるリスクがありますので、甲状腺機能が落ち着いている状態をキープしていくのがポイントになります。


 


セントロメア抗体、OHSSとはどのようなものですか?


セントロメア抗体とは自己免疫疾患のひとつで、甲状腺炎とは関係ありません。
セントロメアとは、染色体の中央の部分(center)であり、ペアーの染色体が分かれる際に紡錘糸(染色体を引っ張る糸)が付着する場所です。抗セントロメア抗体は、セントロメアに結合するため、紡錘糸が付着できなくなり、ペアーの染色体がうまく分かれないと考えられています。

haruyoさんの1回目の治療の際に多核受精(異常受精)が見られていますね。多核受精がみられる場合に抗セントロメア抗体の存在を疑います。抗セントロメア抗体が見つかった場合には、プレドニン服用による顕微授精が推奨されます。
2回目以降に顕微授精となったのは、セントロメア抗体の数値が陽性であったためと考えられます。

セントロメア抗体に対しては、haruyoさんのようにプレドニンという薬を処方するのが標準的です。ご質問にあった他の治療法についてですが、場合によっては免疫グロブリンを追加することも治療になるのではないでしょうか。まずは今までの経過をよく知る主治医の先生に相談されてみてください。

また、OHSS(卵巣過剰刺激症候群)の原因はHMG注射など排卵を誘発する薬の量が多かったことによるもので、卵巣が肥大してお腹に水が溜まってしまう症状をいいます。


 


AMHの数値がこの1年でかなり落ちていますが、原因はありますか?


AMHの数値が下がった原因はやはり年齢によるものが大きいと考えます。40歳を超えると数値は加速的に落ちていくのが実情です。そのうえでお答えすると、haruyoさんは治療の継続を悩まれているようですが、ぜひ継続するべきだと思います。時間を最優先して少しでも多くの受精卵を持っておくことをおすすめしたいです。

いずれにしてもharuyoさんの場合、持病をお持ちで慎重に治療を進めるべきことなので、ぜひ担当医、もしくは他のクリニックで先生に会って直接ご自分の思いや治療歴を話して、相談してみてください。


 



[無料]気軽にご相談ください

お話を伺った先生のご紹介

木村 秀崇 先生(船橋駅前レディースクリニック院長)


弘前大学医学部付属病院産科婦人科助教として活躍後、米国へ留学、国立病院機構弘前病院産婦人科、京野アートクリニック高輪、津田沼IVFクリニックを経て、2019年1月「船橋駅前レディースクリニック」を開院。「患者様ひとりひとりの声に耳を傾け、気持ちに寄り添うこと最優先とし、1対1でお話してその方の気持ちや身体の状態を汲んだうえで治療方針を決めていきます。」が先生の治療スタイル。先生を筆頭に、スタッフの皆さんが一丸となって治療をサポートしてくれます。


≫ 船橋駅前レディースクリニック

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