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妊活のファーストステップ 「タイミング法」ってどんなことをするの?

インタビュー 不妊治療

妊活のファーストステップ 「タイミング法」ってどんなことをするの?

妊活のファーストステップである「タイミング法」ですが、具体的にどんな方法で行うのか、取り組む際のポイントを中野レディースクリニックの中野由美子先生に伺いました。

2020.1.27

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排卵日を予測してそこを狙って性交渉するのがタイミング法


タイミング法とは、自分の生理周期から妊娠しやすい日を予測。そこを狙って性交渉を行い、妊娠の可能性を高める方法です。

では「妊娠しやすい日」とは、具体的にいつなのでしょうか。


 


妊娠しやすい日は、生理開始から約2週間後の「排卵日」


個人差もありますが、一般的に女性は月経が始まって約2週間後に排卵があります。そこで卵巣から排卵された卵子と、性交渉などで腟から入ってきた精子が出会い、受精。その後、受精卵が子宮に着床すると妊娠が成立します。すなわち妊娠しやすい日=排卵日ということになります。逆に言うと排卵日とずれたタイミングで性交渉をしても妊娠にはいたりません。

精子は生存期間が長く一般的に2~3日、長いと1週間近く生きるものもありますが、卵子の寿命は排卵されて半日が限度とされています。その短時間でタイミングよく精子と出会って受精、着床する必要があるのです。

そのため「早く妊娠したい」と考えるなら、ご自身の排卵日がだいたいいつ頃になるのかを把握しておくようにしましょう。
排卵日は、基礎体温をつけることでおおよその時期を予測することができます。


 


自己管理で行う方法と病院で指導を受ける方法の違い


排卵日を予測してタイミング法を行うには、自己管理で行う方法と、病院を受診する方法があります。
それぞれ具体的にどんなことをするのかを解説します。

【自己管理で行う場合】
基礎体温を最短でも1カ月、理想は2~3カ月つけて自分の生理周期を把握しましょう。
月経がはじまって2週間ぐらいは低温期が続き、排卵が過ぎると今度は高温期が2週間ほど続きます。そして、次の月経がはじまると、また低温期になります。ただし、基礎体温が最も下がった日が排卵日とは限りません。人により排卵日は低温最終日、最低温日、低温から高温への移行日、高温期初日等に分かれます。グラフが、低温と高温のくっきり「二相」に分かれていれば、きちんと排卵していると考えていいでしょう。

排卵から月経までは通常14日であり、人によって差はありません。(稀に16日の人がいますが。)これに対して、月経から排卵までの日数には個人差があります。そのため、月経開始日からふり返って14日前を前月の排卵日と判定することはできますが、月経開始日から何日目が今月の排卵日となるかを、事前に予測することは難しいのです。

そこで、市販の排卵予測検査薬を使うのがおすすめです。排卵検査薬は排卵の1日半くらい前から尿中に出てくる黄体形成ホルモン(LH)を検出するものです。基礎体温表でだいたいの排卵日を予想して検査を開始します。陽性になりはじめたタイミングで性交渉をします。



【病院を受診して行う場合】
病院を受診してタイミング法を行う場合も、基礎体温はきちんと測定し、自分の体のリズムをある程度掴んでおくことは大切です。
受診の際は、計測した数値だけを持っていくのではなく、グラフにしたものを紙に出力して持っていきましょう。医師も状況を掴みやすくなります。自分でグラフ化するのが大変な場合は、基礎体温などの数値を入力しておくとグラフ化してくれるアプリがあるので、活用するといいでしょう。

上記の基礎体温にプラスして、エコーでどの程度卵子が育ってきているかを確認。また、市販のものよりも精度の高い排卵予測検査薬を使ったり、排卵日近くになると分泌される頸管粘液をチェックします。そうすることで、より正確に排卵日を予測することができ、自己管理のタイミング法よりも妊娠率を高めることができます。


 


不妊症のタイミング法は保険適用ですが、関連の検査は適用外のものも


タイミング法のみの通院は原則、保険適用外です。ただし、不妊症の検査の第一ステップとしてのタイミング法では保険診療が可能です。その場合でも正確なタイミングを知るうえで最も必要となってくる超音波検査には保険が適用されません。
しかし、保険適用の取扱いは施設によって違うようですので、受診前に確認してみてください。

最近では自治体ごとに不妊検査でかかった費用を助成してくれる不妊検査助成事業がおこなわれており、後で請求が可能ですので、一度自治体に確認しておくといいでしょう。


 


夫婦で同じ考えをもって取り組むことが大切


タイミング法に取り組む際に心がけたいのは、夫婦で同じ考えをもつことです。

今、不妊の原因は男女半々にあるといわれています。そういった現状をふまえるとどちらかだけが一生懸命にやるものではなく、夫婦そろって取り組むことが、妊娠への近道といえます。

また、一般的に大きな不妊原因がない場合、3~5周期ほどタイミング法を行うと約90%のカップルが妊娠します。タイミング法を始めたご夫婦の年齢によっても異なりますが、6周期タイミング法を続けても妊娠できない場合は、他の検査を受けてみる、他の方法を試してみるのがいいでしょう。

思うような結果が出ない場合、ご夫婦二人で考えてもなかなか決められないこともありますよね。
そんな時は専門家である医師に相談を。早く妊娠できる方法を一緒に探してくれることでしょう。


 


お話を伺った先生のご紹介

中野 由美子先生(中野レディースクリニック院長)


日本産科婦人科学会認定医、母体保護法指定医
秋田大学医学部卒業後、NTT関東病院、順天堂大学医学部附属順天堂医院、国立習志野病院、最成病院勤務を経て、2000年9月、王子に中野レディースクリニックを開業。「女性による女性のためのクリニック」をモットーに、不妊治療をはじめ、全年齢の女性の悩みに真摯に応えてくれる。
忙しい治療の合間を見つけて年に1回だけ海外旅行へ「今まで知らないところを訪れるのが好き」とのことでお出かけになるそう。趣味はゴルフ。


≫ 中野レディースクリニック

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