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プロラクチンなどの値が高く、橋本病の疑いがあるとのこと。その可能性はありますか?

プロラクチンなどの値が高く、橋本病の疑いがあるとのこと。その可能性はありますか?

プロラクチンなどの値が高く、橋本病の疑いがあるとのこと。その可能性はありますか?

2013.7.4

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相談者
nonsaさん(34歳)
■ 不妊治療の血液検査の結果、プロラクチン/91.8(30分後の値は331)、抗甲状腺ペルオキシターゼ/9、抗サイログロブリン/63.6という数値が出て、医師からは「橋本病の可能性がある」とさらりと告げられました。何をもって橋本病なのかわからず、インターネットで橋本病の症状を調べてみたところ、当てはまるものも当てはまらないものもあり……。一点気になっているのは、数カ月前より目の奥や額を中心とした頭痛がひどく、脳下垂体腫瘍があったりしないものか、不安でなりません。上記の数値から考えられることはどういったことでしょうか。脳外科受診は必要ありませんか?ちなみに、子宮卵管造影検査の結果、卵管水腫が見つかり、今後の不妊治療は体外受精を考えています。



ジネコ:血液検査の所見からどのような状態であると診断できますか?


徳岡先生:まず、プロラクチンですが、このホルモンは脳下垂体から分泌され、乳腺を刺激して乳汁の分泌を促すホルモンです。検査のキットによって多少基準値が変わる場合がありますが、通常は15~32くらいが正常値と考えられています。nonsaさんはその3倍近い91.8、負荷テストをして測ったらさらに上昇して331ということですから、高プロラクチン血症であるということは明らかだと思います。次に抗甲状腺ペルオキシダーゼ抗体についてご説明すると、これは自己抗体なんですね。橋本病をはじめ、甲状腺の疾患の多くは自己免疫疾患です。免疫機能の不具合によって、自らの組織である甲状腺を敵と勘違いしてしまい、甲状腺に対する自己抗体をつくってしまうことから起こります。通常、健康であればこの検査は陰性という結果が出るのですが、9ということは自己抗体が認められるということになります。また、抗サイログロブリン抗体の値も高いようですね。これは甲状腺ホルモンの前駆体のようなもの。甲状腺ホルモンの分泌が低下しているので、その前の物質が一生懸命働いて分泌を促そうとしていることが考えられます。以上の数値からみると、担当医の先生がおっしゃったように、やはり橋本病である可能性が疑われます。


ジネコ:橋本病とはどのような病気なのでしょうか。


徳岡先生:甲状腺の機能に関わる疾患には亢進するものと低下するものがあるのですが、橋本病は甲状腺の機能が低下する病気です。男性の10~20倍と女性に多く、年齢は20代頃から見られ、30~40代にかけて多く発症するといわれています。発症する頻度は成人女性の10人に1人くらいといわれていますから、決してまれな病気というわけではなく、当院でも時々、血液検査で見つかる方がいます。症状は手足のむくみや全身のだるさ、悪化すると精神的な症状が出ることがあり、うつ傾向になる人もいます。また、甲状腺の機能が低下すると、甲状腺ホルモンを分泌するための刺激ホルモンを出そうと下垂体が働きます。それはTRHというホルモンなんですが、TRHの値が上がるとプロラクチンの値も上がります。高プロラクチン血症の状態だと排卵障害を引き起こすことがあり、不妊の原因になってしまうこともあるんですね。


ジネコ:脳下垂体腫瘍ではないかという不安もあるようですが。


徳岡先生:現段階では、数カ月前から続く頭痛が腫瘍によるものなのか、甲状腺機能の異常からくるものなのか、はっきりと判断することはできません。まず、この方がしなければいけないことは、甲状腺の専門医のもとで詳しい検査をして、正確な診断を受けることだと思います。インターネットで調べているだけではますます不安になるだけですし、そのまま放っておいたら病状が悪化してしまうかもしれません。甲状腺疾患を専門とする病院はお住まいの地域にもあると思います。脳下垂体の腫瘍も気になるようでしたら、脳外科もある大学病院や総合病院を受診されるといいでしょう。ほとんどの場合、血液中のホルモンや自己抗体を調べる血液検査で診断をつけることができるのではないでしょうか。橋本病ということがわかれば、お薬で補充療法を行っていきます。きちんとコントロールできて数値が落ち着いてくれば、半年おきくらいの外来受診でも大丈夫になってくると思いますよ。


ジネコ:その間、不妊治療はできますか?


徳岡先生:橋本病の治療と併行して不妊治療をすることは可能です。だからこそ早く、専門医のもとできちんと調べていただきたいですね。そのまま放っておくのが一番良くありません。排卵障害のほか、甲状腺機能亢進症も低下症も早産の原因になるなど、コントロールしないままだと妊娠や出産に悪影響を与えてしまいます。 橋本病は長くつき合っていかなければならない病気ですが、きちんと治療をして症状を抑えていけば、これまでと変わらない通常の生活を送ることができます。あまり、怖がらないでいただきたいですね。


ジネコ:甲状腺機能の異常のほかに、卵管水腫も見つかったようです。


徳岡先生:これは橋本病とはまた別の問題ですが、程度によってはnonsaさんもおっしゃっているように体外受精ということも視野に入れられたほうがいいかもしれません。1つ気になるのは「AMH(抗ミュラー管ホルモン)の検査はしたけれど、数値は忘れてしまった」ということ。AMHは卵巣の予備能をみる検査ですが、34歳といえばそろそろ卵巣の機能が低下してくる年齢です。覚えていらっしゃらないようなら、もう一度検査をしてきちんと数値を確認していただきたいですね。甲状腺の治療をしながら、妊娠に向けて、いい卵を採るための準備もしっかりしていっていただきたいと思います。



徳岡 晋 先生
防衛医科大学校卒業。同校産婦人科学講座入局。自衛隊中央病院産婦人科勤務後、防衛医科大学校医学研究科に入学し、学位(医学博士)取得。2000年より木場公園クリニックに勤務。5年間の勤務を経て2005年に独立し、とくおかレディースクリニックを開設。A型・みずがめ座。「冬にエネルギーを貯めて、その活力を発散させる夏は不妊治療においてとてもいい時期。治療を始めようか迷っている方や治療中に立ち止まっている方は、この時期、積極的にトライしていただきたいですね」。





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