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移植よりも採卵を優先したほうがいいのでしょうか?

コラム 不妊治療

移植よりも採卵を優先したほうがいいのでしょうか?

皆さんの治療に関する相談を全国のドクターにお聞きして、誌面でアドバイスをお届けする人気企画「ジネコ セカンドオピニオン」。ジネコの応援ドクターが丁寧にお答えいたします

2020.4.14

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※2020年2月25日発刊「女性のための健康生活マガジン jineko vol.45 2020 Spring」の記事です。


あっぷるさん(38歳)からの相談
▶︎採卵と移植の進め方
AMH低値で卵巣の反応が悪く、アンタゴニスト法やショート法をしていますが採卵数が少ないです。4回目の採卵で5日目胚盤胞ができて移植しましたが、心拍確認後に稽留流産に。流産手術後、胎盤ポリープがあることがわかり、9カ月もその治療に専念。その後採卵を2回して、1回は刺激途中で中止、もう1回は凍結基準を満たしませんでした。今あるのは2回目の採卵で得た初期胚と3回目の6日目の胚盤胞各1つずつ。今後の治療の進め方は?

お話を伺った先生のご紹介

田中 宏明 先生(ノア・ウィメンズクリニック)


聖マリアンナ医科大学卒業。慶應義塾大学医学部産婦人科学教室入局。同大学病院産婦人科チーフレジデント、済生会宇都宮病院産婦人科副医長を経て、2003年メディアージュ銀座クリニック開設。2018年10月よりノア・ウィメンズクリニック院長就任。

≫ ノア・ウィメンズクリニック

採卵と移植、どちらを優先する?


当院だったらまず、今残っている胚をどう活用していくかを考えると思います。つまり、採卵より移植を先に進めていくということですね。
それに当たって、準備することがいくつかあると思います。あっぷるさんは流産手術をされていて、その時に胎盤ポリープが見つかり、治癒まで9カ月もかかったとのこと。それだけ時間を要したのは、子宮内に何かしらの異常があったからかもしれません。
着床環境を調べるために、移植する前に一度子宮の中を内視鏡で診ておくことをおすすめします。子宮鏡検査を行って、子宮内膜が赤くなっていないか、荒れがないかなどをきっちり確認しておく。移植が何回かうまくいかないという時にもよく行う検査なので、受けて悪いことは一つもありません。もし炎症が見つかった場合は、きちんと治療もできます。
また、あっぷるさんは着床しにくい、流産という経緯があるので、子宮内の細菌バランス(子宮内フローラ)も調べておいたほうがいいかもしれませんね。細菌のバランスがよくないと、着床がうまくいかないことがありますので。当院だったら、移植前にこの2つの検査をおすすめして、着床環境をきちんと整えてから移植に臨むと思います。
移植する際はそれぞれの胚を個々に戻してもいいと思いますが、ちょうど初期胚と胚盤胞が1個ずつあるので、まず初期胚を戻し、その2日後に胚盤胞を戻す2段階胚移植を試みてもいいのではないでしょうか。妊娠の確率は少し上がるかもしれません。


採卵をするとしたら、次はどんな方法がよい?


これまでアンタゴニスト法やショート法できっちり刺激しても、卵子は2~4個しか採れないようですね。
次回以降は低刺激や自然周期排卵でチャレンジしてみてはいかがでしょうか。採れる卵子の数は多くありませんが、刺激をしても採卵数が少なかったので、その点はあまり変わらないと思います。方法を変えることによって良好胚が得られる可能性もあるので、前向きにトライしていただきたいと思います。


出典:女性のための健康生活マガジン jineko vol.45 2020 Spring
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