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田村秀子先生の心の玉手箱

コラム 不妊治療

田村秀子先生の心の玉手箱

男性不妊で子づくりに消極的なご主人と、お姑さんからの孫の催促で板ばさみの状態に。
お姑さんとうまくつき合っていく方法はある? 田村秀子先生にお話を聞きました。

2020.4.28

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※2019年8月24日発刊「女性のための健康生活マガジン jineko vol.43 2019 Autumn」の記事です。


おまゆさん(33歳)からの投稿
相談内容
昨年結婚した夫は10歳年上の43歳。更年期によるEDと診断され、1年近くセックスレスです。姑と顔を合わせるたびに、私だけに孫を催促します。「プレッシャーになるから言わないで」と夫に伝えてもらったら、今度は私の実母に「まだかしらね?」と電話したり、旅行の話をすると「子どもがいなうちだけだからね〜」と遠回しに言います。結婚のために総合職を退職して、縁もゆかりもない田舎に嫁ぎました。夫婦とも早く子どもが欲しくて産婦人科でタイミングを診てもらいましたが、主人ができず。人工授精に踏み切ろうとしたら「今日はいいけど、明日は無理」と言われたり。子どもができなかったら、今後の私の人生の意味が失われるように思い、悔しいので働くことにしました。

投稿に寄せられたコメント
●投稿者:ムーさん(37歳)
旦那さんは、あなたとの子どもを授かり育てていきたいのか、そうでないのか。それは治療をしてまで欲しいのか。建前と本音と、直接腹を割って話をする必要があると思います。男のプライドも女のプライドも、単に思い込みなだけなんですけれどね。頭のいい人ほど察せるから、相手にきちんと確認をしないで悩むんですよ。あなたの子どもが欲しいという提案について、旦那さんはきちんと考え、意見を言う必要がある。それだけのことなんですよ。義母なんてただの外野。騒がせておけばいいし、邪魔なら離れたらいい。子どもが欲しいと思って、なかなか授かれなかった(不妊1年・治療2年半・妊婦1年、31で結婚して36で1人目を産みました)身としては、我慢するには大変な気持ちではないかと思うんですよ…

お話を伺った先生のご紹介

田村 秀子 先生(田村秀子婦人科医院)


京都府立医科大学卒業。同大学院修了後、京都第一赤十字病院に勤務。1991年、自ら不妊治療をして双子を出産したことを機に義父の経営する田村産婦人科医院に勤め、1995年に不妊治療部門の現クリニックを開設。


≫ 村秀子婦人科医院

お姑さんも母親だと思ってうまく甘えていきましょう


お姑さんにお孫さんを催促されたら、「お義母さん、あなたの息子さんが子づくりに協力してくれないですよ〜。相談に乗ってもらえませんか?」と明るく言ってみましょうよ。「旦那が悪いのに、なんで私のせいにするの?」と心の中で思ったとしても、そのまま怒り口調で言ったら喧嘩になっちゃいます。ここは笑顔で言うのがポイントですよ。
自分の母親の前では素直になれるけれど、お姑さんには最初から壁をつくってしまう人もいますよね。でも嫁姑の関係がうまくいっている人もいます。そういう人はお姑さんにうまく甘えて、味方になってもらっているんですよ。そばに寄ってきてくれる子ほど可愛いって言うでしょう。ほとんどのお姑さんは、最初は「息子のお嫁さんと仲良くやっていこう」と思って迎えてくれているはずです。血はつながっていなくても、母親なんですから。


女優になったつもりで自分にプラスになる台本を書いて


私の患者さんから同じような相談をされた時に、「女性は女優でありましょう」っていつもお話しするんです。「旅行に行けるのは、子どもがいないうちだからね〜」と、お姑さんに言われたら、内心は腹が立っても「そうなんですよ〜、今のうちに行っておきます」と明るく言い返しちゃえばいいんです。お互いに遠慮して喧嘩ができない関係なら、相手から言われるたびに黙り込んでいると、ストレスが溜まってパンクしてしまいます。
お姑さんの言い方にも嫌みっぽく聞こえるところがあるのかもしれませんが、お姑さんにはお姑さんなりの考えがあって、良かれと思って言ってくれているのかもしれません。言われているうちが花なんですよ。社会でも「この人はもうダメだ」と思ったら、そのうち誰も相手にしなくなるでしょう。すべての物事は解釈次第だと思うんです。自分の境遇を悲観して、卑下して、誰かのせいにして愚痴を言っている間は、赤ちゃんは来てくれませんよ。
前を向いて進んでいくためには、女優になってうまく立ち回りましょうよ。一日中顔をつき合わせなければいけない相手だったら、言われたことを深読みして、いちいち腹を立てるのではなく、自分にプラスになるように解釈して台本を書かなきゃ。


お姑さんやご主人のことを考えて上手に嘘をつくことも大切です


ご主人は自分の年齢が高いことやEDのことを自分の母親に言わずに、お嫁さんに矛先を向けて自己回避しようとしているのでしょう。自分のことをお母さんに知られたくないんですね。お姑さんに相談する時は「うちの子はEDなの?」と思わせないようにね。「仕事が忙しくて疲れているので、今は子づくりどころじゃないみたいなんです」とか、時には上手に嘘をつくことも必要です。
また、人工授精に踏み切ろうした時に、なぜご主人が「今日はいいけど、明日は無理」と言ったのか、理由を想像してみるんです。もしかするとこういう男性によくあることですが、自分の精子が少ないと言われるのが怖いのかもしれません。こうやってお姑さんやご主人のことを一歩引いて考えてみることも大事だと思いますよ。
そうはいっても、すぐに女優になることはたやすいことではないかもしれません。それでも自分のプラスになるように解釈して、毎回、毎回自分なりに台本を書き続けていきましょう。うまくいかない時は「実家の母親に言われたらどうだろう?」と考えてみるといいと思います。


【秀子の格言】
「時には女優になることも大切。
お姑さんにうまく甘えて味方につけましょう。」

出典:女性のための健康生活マガジン jineko vol.45 2020 Spring
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