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卵子提供ってどうやって行われているの?

インタビュー 不妊治療

卵子提供ってどうやって行われているの?

2020.3.18

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不妊治療を行うにあたって、卵子提供を伴う治療を必要とする方は、世界中にたくさんいらっしゃいます。
卵巣機能不全、更年期障害、若年性更年期障害、女性側の年齢の問題など、その理由はさまざまです。

ご自身の卵子での妊娠は難しいと診断された方であっても、卵子提供を伴う体外受精という方法を取ることによって、ご自身での妊娠・出産が叶います。

とはいえ、卵子提供を受ける場合、日本国内では非常に難しいのが現状。実際には海外での治療を検討し、実施に至る日本人カップルが数多くいらっしゃいます。
今回は、海外で行われている卵子提供について、国際的に活躍する生殖補助専門医、ニチケ・マルクス先生にお話を伺いました。


 


1.卵子はどのような形で提供されるのでしょうか?


卵子提供の方法には、知り合いが提供者となる「非匿名」、提供者の身元が明かされない「匿名」、提供者のIDのみが開示される「ID公開」という3つのパターンがあり、採用される方法は国によって異なります。
以下、詳しく見ていきましょう。

(1) 非匿名での提供
このケースに該当するのは、姉妹やいとこ・友人知人といった、患者と旧知の間柄にある女性が、卵子の提供者になる場合です。100件の治療のうち2・3件程度しか行われておらず、実際の施術数は少なめです。
この場合、患者と提供者が一緒にクリニックへ行き、治療をスタートすることになります。卵子提供に伴う金銭の受け渡しは禁止されており、治療開始前にはカウンセラーとの面接の場で、お互いの関係を証明しなければなりません。
この方法は、欧米ではベルギーで行われているほか、アメリカでも許可されています。アメリカの提供プロセスは通常ですととても厳しいのですが、非匿名の提供の場合、比較的すんなりと進行できるケースがほとんどです。

(2) 完全に匿名での提供
匿名での卵子提供の場合、患者も提供者もお互いに相手のことを知らないまま治療を行うことになり、将来誕生する子も提供者が誰であったのか知ることはできません。といっても患者が提供者の情報に一切アクセスできないわけではなく、本名や住所、パスポート番号といった個人を特定する情報以外の一般的な情報であれば、知ることができます。
「匿名での卵子提供」は、さらに下記A・Bの2つのケースに分けられます。

A. クリニックが提供者を選ぶケース
患者の身体的特徴を尊重しながらクリニックが提供者を選ぶやり方で、スペインやイタリア、ブラジル、フランスなどで行われています。個人情報保護のため、患者は提供者の写真を見ることはできません。謝礼金が少額だったり、全く支払われなかったりするため提供者が少ない傾向にあり、特にもともとが少数派であるアジア系であると、提供者が見つからないこともあります。

B. 患者が提供者を選ぶケース
同じ匿名での提供でも、ウクライナや南アフリカでは、Aのケースと違って患者自らが提供者を選ぶことができます。提供者を選ぶ際には、個人を特定できる情報以外の一般的な情報に加え、候補者の写真を閲覧することも可能です。同時に、患者は提供者の個人情報を探さないと明記された書面にサインする必要があります。

(3) ID公開による提供
このケースでは、卵子の提供自体は匿名で行うものの、誕生する子が成人になった時点で、卵子提供者の身元を知る権利が生まれます。ただし、これはあくまでも子ども自身が持つ権利であって、親(患者)の権利ではありません。また、権利を行使することによって提供者の身元が判明しても、お互いへの何らかの請求権などは一切発生せず、親子関係に影響を及ぼすこともないとされます。
IDの公開による提供はポルトガルやデンマーク、イギリスなどで行われていて、件数は年々増加しています。


 


2.卵子提供者へどの程度の謝礼を支払う必要がありますか?


卵子提供には通院や検査、服薬、さらに麻酔を伴う採卵などが欠かせないため、提供者には大きな負担がのしかかります。ですから、国によっては提供者に対して謝礼が支払われることもあります。
これは決して、卵子を売り買いするためのお金ではありません。提供者の時間や労力に対して支払われるものです。
また謝礼金は提供者の外見や学歴、キャリアによって変動するものであってはいけないと定められています。
アメリカでは上述の(1)(2)(3)全ての形での卵子提供が認められていますが、提供者とエージェンシー/クリニックは契約書を締結し、その契約に基づいて提供者が「仕事」をするという位置付けが取られています。


 


3.自分に適した方法を、どうやって選べば良いのでしょう?


これまで見てきた通り、卵子提供の方法は国によって違っていたり、同じ「匿名」「謝礼」といった言葉が使われていても、それが意味する内容はまちまちであったりします。患者の考え方も多種多様で、提供者のことは一切知りたくないという方もいれば、性格や趣味まで詳細に把握しておきたいという方もいます。正解は一つではありません。

海外で法に基づいた卵子提供を受けようかと検討している方は、ご自身にとって何が大切なのかをよく考え、パートナーがいる場合にはお互いにじっくり話をして、慎重に決断されることをお勧めします。


 


お話を伺った先生のご紹介

ニチケ・マルクス(Markus Nitzschke)先生


生殖補助医療専門医・産婦人科医。世界各国のクリニックでの経験を経て、現在は各所のクリニックと提携しながら国際的な活動を展開。特に卵子提供を伴う体外受精を行う。

≫ EVER LINK Fertility Centre(Cryocan Japan提携クリニック)

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