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青葉レディースクリニック産婦人科医 小松一先生の妊娠前に始める母親教室

コラム 女性の健康

青葉レディースクリニック産婦人科医 小松一先生の妊娠前に始める母親教室

小松先生の母親教室では、
皆さんが疑問に思っていたことを解説します。

2020.6.2

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※2020年5月25日発刊「女性のための健康生活マガジン jineko vol.46 2020 Summer」の記事です。


テーマ
【第6回】不正性器出血について
生理ではないのに出血してしまう不正性器出血。何か病気があるのではと不安になってしまいます。どんな疾患が考えられるのか、原因や治療方法について伺いました。

先生から
自己判断せずに、産婦人科を受診しましょう
原因はさまざまで個人差もあり、背後に大きな病気があることもあるので、早めの受診を。

お話を伺った先生のご紹介

小松一先生(青葉レディースクリニック)


高知県出身。1995年九州大学医学部卒業。九州大学病院周産母子センターや北九州市立医療センター、九州厚生年金病院などで研鑽を重ね、2007年に「青葉レディースクリニック」を開業。高齢出産を多く手がけており、安心できる分娩をモットーにしている。



≫ 青葉レディースクリニック

不正出血とはどんな症状ですか?


ホルモンの異常や様々な病気により、本来出血すべきではない時期、つまり月経以外に出血することを「不正性器出血」といいます。通常、新しい血液は赤くサラサラしていますが、古い血液は茶色、わずかな出血では黄色でどろっとしています。
月経周期のちょうど中間期の出血は、いわゆる排卵出血や着床期出血といわれ、通常、1.2日間の少量の出血が特徴ですが、ほかの器質疾患を鑑別すること(除外診断といいます)が大切です。出血量が多くて長い場合、下腹痛を伴う場合は産婦人科を受診してください。


 


原因や具体的な検査方法、治療について教えてください。


不正出血の原因となる疾患は多様ですが、生殖可能な年齢の場合、まず妊娠に関連した出血かどうかを調べることから、診断を始めます。「避妊していたから、大丈夫」と思っていた月経血が、実は妊娠に関連する出血であったということはよくあります。来院前に市販の妊娠検査を実施してなければ、超音波検査で子宮内に胎嚢がないかどうか、観察します。胎囊が確認できなければ、尿による妊娠検査を実施します。正常妊娠でも出血することはありますが、腹痛を伴う場合は切迫流産や妊娠のごく初期の流産後、あるいは異所性妊娠などが考えられます。

妊娠以外による不正出血は若年層では排卵障害に伴う、無排卵性機能性子宮出血が最も多く見られます。経血に似た褐色の出血が少量続き、超音波検査やホルモン採血、基礎体温などにより、正常な卵胞の発育や黄体の形成がなく、子宮内膜が薄いという特徴があります。治療はホルモン剤を10日間ほど内服して、子宮卵巣のホルモン環境をリセット。月経不順を伴う不正出血で、妊娠希望の方は、排卵障害の原因を探るため、甲状腺ホルモンや女性ホルモン、糖尿病などスクリーニング採血を行います。なお、若年層で子宮にガンが見つかることは稀ですが、1年以上婦人科がん検診を受けてない方は子宮頸癌検診を実施します。


 


不妊症の原因にもなるクラミジアにも注意を


下腹痛を伴う出血やオリモノの臭いや量が気になる場合は、腟内の細菌感染やクラミジア子宮頸管炎を疑います。正常なオリモノでは酸っぱい匂いがしますが、これは腟内には乳酸棹菌が存在し、腟内の衛生環境を保っているからですが、溶連菌による胃腸炎や下痢などが原因で溶連菌や大腸菌が腟内に入り込むと、細菌性腟炎を発症します。細菌性腟炎では「アミン臭」と呼ばれるスルメのような臭いがし、子宮腟部や子宮頸部に発生した良性のポリープがただれると出血を起こすこともあります。

20代では性行為感染症のクラミジアが子宮頸管に感染して頸管炎を発症し、下腹痛や出血を起こすこともあります。気づかないことも多く、放置すると卵管炎を起こし、不妊症の原因になるため注意が必要です。混合感染も多く、同時に淋菌検査も受けることをすすめます。抗生剤内服で完治しますが、パートナーとの同時治療が必要です。


 


年代や症状によって変わる診断


40代以上では超音波検査を行い、子宮内膜が厚くないかどうか調べます。厚ければ、子宮体がんや子宮内膜が異常に増殖する子宮内膜増殖症、あるいは子宮体部内膜ポリープが考えられるため、子宮体がん検診を行います。子宮体がんは正確な診断が難しく、不正出血が続く、内膜が厚いなどが気になる場合は年2回の定期検診をすすめています。性交渉後の出血は子宮頸部にできたポリープやびらんが原因のことがあります。子宮頸管ポリープは日帰り手術で容易に摘出できます。

子宮から出血すると通常、腟内に出血の跡が残りますが、腟内に出血跡を認めない場合は、外尿道口や痔からの出血を疑います。閉経以降は外陰、腟の粘膜が萎縮してヒリヒリすることが多く、女性ホルモンの腟錠挿入や少量内服、副腎皮質ホルモンの外用剤を使用します。
 このように不正出血は、年齢や随伴症状によって診断や治療が変わってくるため、まずは婦人科を受診してみてはいかがでしょうか?


 


出典:女性のための健康生活マガジン jineko vol.46 2020 Summer
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