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【特集】学校では教えてくれない性感染症のこと

コラム 女性の健康

【特集】学校では教えてくれない性感染症のこと

性感染症にかかる人は意外に多く、定期的にチェックしないと見逃し重症化することも。秋山芳晃先生に、最近罹る人が多い性感染症や治療方法などを詳しく教えて頂きます。放っておくと出産時に影響することもあるので、知識をしっかりもちましょう。

2020.6.6

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※2020年5月25日発刊「女性のための健康生活マガジン jineko vol.46 2020 Summer」の記事です。


お話を伺った先生のご紹介

秋山 芳晃 先生(秋山レディースクリニック)


東京慈恵会医科大学卒業。東京慈恵会医科大学附属病院、国立大蔵病院に勤務後、父親が営んでいた産科医院を継ぎ、不妊症・不育症診療に特に力を入れたクリニックとして新たに開業。

≫ 秋山レディースクリニック

流産・早産に影響することもあるクラミジア感染症


まず、性感染症のなかで最も多い疾患がクラミジア感染症です。クラミジア トラコマティスという細菌を病原体とし、感染すると帯下(おりもの)の増加、不正性器出血、下腹部痛を起こすことがあります。初期はほとんど症状がないため、気がつかず感染が長期化すると、卵管に炎症を起こしてしまい、不妊症や異所性妊娠の原因となることがあります。妊娠中に感染すると、絨毛羊膜炎を引き起こし、流産や早産の原因にもなります。また、お産の時に産道で赤ちゃんが感染してしまうと、肺炎や結膜炎の原因になることも。さらに、ほかにはない特徴的なこととして、感染が広がり、肝臓の周囲まで達すると、右上腹部に痛みを伴う肝周囲炎を起こすことがあります。

検査は血液による抗体測定や子宮頸部の遺伝子診断で行い、治療は抗菌薬の内服が一般的です。もし、自分が感染していたら、必ずパートナーにも検査してもらいましょう。男性の場合排尿痛などの自覚症状が出やすいといわれていますが、無症状のこともあります。万が一感染していたら二人でしっかり治療することが大切です。


 


性交渉の変化で増加している淋菌感染症、性器ヘルペス


次に淋菌感染症についてお話しします。淋菌感染症は昔は特殊な感染症でしたが、最近若い女性にとても増えてきています。
淋菌感染症になると、悪臭を伴う膿のような帯下が増加したり、不正性器出血、発熱、下腹部痛などが発症することがあります。しかし、自覚症状があまりないことも多く、感染が長期化して骨盤腹膜炎を起こしてしまうと不妊症や異所性妊娠の原因となることもあります。

男性の場合は、感染後早期に排尿痛や頻尿などの尿道炎の症状が出ることが多いといわれています。進行してしまうと前立腺や精巣まで感染し、精子の状態が悪化する原因にもなります。

この淋菌と先ほどのクラミジア感染症は実は咽頭部に発症することもあります。これはオーラルセックスによるものだと考えられます。いずれにしても、罹ってしまったらパートナーにも検査と治療を受けてもらいましょう。

次に単純ヘルペスについてです。単純ヘルペスウィルスは1型と2型に分類されており、従来は口唇ヘルペスの原因は1型、外陰部や膣のヘルペスの原因は2型が多いといわれていましたが、近年では1型ヘルペスによる外陰ヘルペスが多くなっているといわれています。
外陰ヘルペスでは、外陰部に痛みを伴う水疱(みずぶくれ)または潰瘍(皮膚のえぐれのような病変)が出現します。太ももの付け根のリンパ節が腫れたり、強い痛みのため歩きにくい、排尿しにくいなどの症状がみられます。万が一出産時に新生児に感染すると、新生児ヘルペス感染症を引き起こし、最悪の場合脳炎で亡くなることもあるので、出産前に症状がある場合は帝王切開に切り替えます。
性器ヘルペスは症状がなくなってもウイルスが体内に潜伏し、体力が落ちると再発しやすいのが特徴。既往歴がある人は注意が必要です。


 




近年再び増えだした梅毒、実は感染者数が多いHPV


梅毒は1990年代激減したのですが、2010年ごろからまた増えた感染症です。これは海外から入ってきたと考えられていて、特に20代の方に多いのが特徴です。第1期~4期まであり、気がつかず10年くらいかかって歩行障害や認知機能の低下、麻痺などを起こすことがあります。長期の治療にはなりますが、見つかれば比較的治りやすい病気です。

HPV(ヒトパピローマウイルス)は、実は性交渉の経験がある女性の半分以上が一生に一度は感染しているウイルスです。不妊症とは直接関係ないものの、問題はハイリスクタイプのHPVで、これは子宮頸がんの原因となります。がんになってしまうと、円錐除去手術、最悪の場合は子宮を摘出しないといけません。感染する前であればHPVワクチンが有効な予防法になる可能性があります。また定期的な子宮頸がん検診が重症化する前の早期発見に極めて重要です。

いずれの病気も早く発見して治療できることが望ましいのは言うまでもありません。思いあたる症状がある方は早めに婦人科受診を。そうでないかたも定期的に婦人科検診をうけるよう努めましょう。


 


出典:女性のための健康生活マガジン jineko vol.46 2020 Summer
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