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クロミフェンが効いたのは一度だけ。合わないのでしょうか

コラム 不妊治療

クロミフェンが効いたのは一度だけ。合わないのでしょうか

皆さんの治療に関する相談を全国のドクターにお聞きして、誌面でアドバイスをお届けする人気企画「ジネコ セカンドオピニオン」。ジネコの応援ドクターが丁寧にお答えいたします。

2020.6.15

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※2020年5月25日発刊「女性のための健康生活マガジン jineko vol.46 2020 Summer」の記事です。


アコさん(34歳)からの相談
●クロミフェンについて
クロミフェン3周期目です。初めて飲んだ時は生理5日目から1日1錠×5日間で卵胞がちゃんと育ったので、D14にHCGで排卵させました。残念ながら妊娠せずに自然に生理がきたので、また5日目から1日1錠を5日間服用。しかし、卵胞は育ちませんでした。3周期目はクロミフェンを増やして5日目から1日2錠×5日間に。D10の卵胞チェックでは10㎜、3日目に再検査したところ、ほとんど成長していませんでした。クロミフェンが一度で効かなくなるというのは早すぎるのでは?

●これまでの治療データ

【検査・治療歴】
不妊治療を始めて1年。生理不順のため、妊活するまでピルを8年間服用。現在、クロミフェンを使いながらタイミング法で治療中。

【不妊の原因となる病名】
無排卵月経。生理不順で周期は30~50日。腰痛あり、排卵なし。

【精子データ】
記載なし。

【サプリメントの使用】
葉酸サプリのみ飲用。

Doctor’s Advice
●単独使用が合わないのかも。
●注射を加えた誘発法を。
●ピルの影響は心配ない。

お話を伺った先生のご紹介

大島 隆史 先生(大島クリニック)


自治医科大学卒業。1982年、新潟大学医学部産科婦人科学教室入局。産婦人科医として3年間研修後、県内の地域病院の1人医長として4年間勤務。1992年、新潟大学医学部において医学博士号を授与される。新潟県立がんセンター新潟病院、新潟県立中央病院勤務を経て、1999年、大島クリニックを開設、院長に就任。

≫ 大島クリニック

クロミフェンとはどのようなお薬なのでしょうか。


クロミフェンは経口の排卵誘発剤で、不妊治療ではよく使われるお薬。1962年からアメリカで使用され始め、日本では1968年から使われています。
脳の視床下部というところに女性ホルモンを認識する受容体があるのですが、クロミフェンはその働きを妨げる作用があると考えられています。女性ホルモンを認識しなくなると、脳は卵巣が働いていないと思い込み、刺激をうながして「働きなさい」という指令を伝えます。ネガティブフィードバックということですね。
このような機序を聞くと強いお薬と思われる方もいるかもしれませんが、基本的にクロミフェンには自然周期を少し強めるだけの作用しかありません。その分、使いやすいのですが、使用したからといって劇的に妊娠率が上がるわけではなく、反応したとしても1個程度の卵胞しかできないのですね。自然周期と大差はないので、重い排卵障害の方はクロミフェン単独での治療は難しいのではないかと思います。


1周期で効かなくなることはありますか?耐性がついてしまった?


クロミフェンを使用した場合、だいたい初回はみなさんよい反応を示します。アコさんも1個ですが、1回目は卵胞がちゃんと育ち、排卵もしたようですね。3回目以降はクロミフェンの量を増やしてもほとんど反応しなかったとのこと。
これは耐性ではなく、もともとクロミフェンだけでは効かないタイプだったと思われます。クロミフェンには耐性はないと思います。それよりも副作用が少し気になるお薬です。
長期間服用していると子宮内膜が薄くなったり、頸管粘液が減ってしまい、かえって妊娠しづらくなってしまうことも。副作用を考えれば、長くても3〜4周期の使用が限度なのではないでしょうか。


この方は「無排卵月経」と診断されています。無排卵の原因は?


排卵しない原因が下垂体性のものなのか、PCOS(多囊胞性卵巣症候群)からくるものなのか、はっきりした原因はわかりません。
ただ、卵胞が育たずにリセットする際、デュファストンⓇを使われたとのこと。このお薬で生理が起きるということは下垂体性の原因とは考えにくいですね。おそらくPCOSによる排卵障害なのでは。PCOSだとAMH(抗ミュラー管ホルモン)の値が高くなることがあるので、一度この検査をされてもいいかもしれません。


妊活前に8年間ピルを飲んでいた影響は?


服用期間が長めなので妊娠への影響を心配されているかもしれませんが、基本的にピルは服用を中止して3カ月経てば通常の状態に戻るとされています。ですから、気にされなくて大丈夫でしょう。


先生であれば、今後どんな治療方針を立てていきますか。


クロミフェンの服用はそのままで、さらにHCGの注射を加えていったほうがいいと思いますね。
クロミフェンだけでは自然周期とほとんど変わらないので、当院の場合、初回でも必ずHCGの注射を追加して治療しています。月経周期の3日目からクロミフェンを服用していただき、8日目から1日おきに注射をしていくというのが当院のやり方です。
一度学会で発表したことがあるのですが、HCGの注射の数が多い人のほうが妊娠率は有意に高い。だいたい150単位の注射を4回くらい打っている人の割合が高かったという結果が出ています。
私だったら次回から注射を加えて、最低3周期ほど試してみると思いますね。クロミフェン+HCGの注射を3回続けても好ましい結果が出なかったら、注射だけの方法に切り替えると思います。もしくはクロミフェン+注射による排卵誘発はそのままで、人工授精にステップアップするという選択もあるでしょう。


注射を加えて刺激が強くなり副作用の心配が出てくるのでは?


刺激を強くするとPCOSの人は卵巣が腫れやすくなるリスクがありますが、注射の量を細かく調節したり、HCGの代わりに点鼻薬で排卵させれば、腫れを予防することができます。また、「刺激で卵胞が増えると多胎になるのでは?」と思われるかもしれませんが、タイミング法なら多胎の確率は少ないと思います。



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出典:女性のための健康生活マガジン jineko vol.46 2020 Summer
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