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稽留流産掻爬手術での消毒に違和感があり、感染症が心配です

コラム 不妊治療

稽留流産掻爬手術での消毒に違和感があり、感染症が心配です

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2020.6.25

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※2020年5月25日発刊「女性のための健康生活マガジン jineko vol.46 2020 Summer」の記事です。


しましまさん(37歳)からの相談
●︎流産掻爬手術の際の消毒について
精子奇形が多く、単角子宮もあって不妊治療4年目。この1年半では採卵、移植、ポリープ除去などを含めて計10回は手術室に入っています。2回の稽留流産掻爬も経験しましたが、今回2度目の手術では消毒に違和感を覚えました。その時は日帰り手術でしたが消毒が雑で、肛門から陰部まで一気に拭われたように感じたため、感染症が心配です。正しい消毒の順序とは? また、次の生理がくれば、子宮内の衛生状態がリセットされると安心してもよいでしょうか?

お話を伺った先生のご紹介

佐藤 卓 先生(荻窪病院 虹クリニック)


2002年岩手医科大学医学部卒業、慶應義塾大学医学部産婦人科学教室に入局。生殖医学および臨床遺伝学、特に「着床前遺伝子診断」の診療と研究に携わる。2020年5月より虹クリニックの院長に就任。日本産科婦人科学会産婦人科専門医、日本生殖医学会生殖医療専門医、日本人類遺伝学会臨床遺伝専門医。


≫ 荻窪病院 虹クリニック

「雑に消毒された」印象があり、感染症を心配しています


手術のご経験が多くあるとのことですが、稽留流産掻爬の場合では少し消毒方法が異なります。採卵や移植では、卵子に悪影響を与えないように生理食塩水で洗い流すという方法をとりますが、掻爬手術では殺菌作用の高いヨードなどの消毒液を用います。
消毒の手順としては、外陰部・腟・肛門へと、それぞれに消毒液を浸した綿をマメに取り換えながら丁寧に拭き取ります。「肛門から陰部までを一気に拭く」というのはあってはならないし、ありえません。しましまさんの気のせいだと思いたいですね。


事実だとしたら感染症の危険性は? また感染の有無を調べる方法は?


感染症の危険性はありますが、正しく消毒されても術後の感染症のリスクはあるものです。
おりものや月経血で細菌が洗い流されてリセットされる、というのも期待できるものではありません。しかし、発熱、腹痛といった腹膜炎などの症状が現れない限りは、それほど神経質に感染症を疑う必要はないと思います。
それでもご心配なら、細菌培養検査等も可能です。近年は、子宮や腟内の細菌叢のバランスが、妊娠しやすさなどにかかわっているという報告も増えてきており、従来の検査では検出し得なかった細菌も、分子遺伝学的手法で調べることが可能となりつつあります。ただし、本来は体外受精を前提とした検査ですし、費用も時間もかかること、さらに結果をどう診療に反映していけるのか不明な点も多く、まだ確立された検査とは言えないことを理解する必要があります。


2度の流産と、精子の奇形、単角子宮の因果関係は?


精子の奇形も検査日によって結果はまちまちですし、単角子宮も流産のしやすさにつながる点はあるものの、決して珍しいことではなく、データを見る限りは受精も着床もしたことがあるようなので、このまま治療を続けられても問題ないと思います。
それよりも気がかりなのは、今回の掻爬手術に関してしましまさんが疑念を抱いたこと、そのものにある気がします。「雑に扱われた気がする」と思うのは、担当医を心から信頼できていないからではないでしょうか。治療は、患者と担当医の信頼関係がないと成り立ちません。もしも担当医への信頼が揺らいでいるなら、転院も検討してみてはどうでしょうか?



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出典:女性のための健康生活マガジン jineko vol.46 2020 Summer
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