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良好胚を移植してもなかなか妊娠しません。「着床の窓」がずれている?

コラム 不妊治療

良好胚を移植してもなかなか妊娠しません。「着床の窓」がずれている?

良好胚を移植しても妊娠が成立しない、原因の一つとして考えられている「着床の窓」。着床の窓は妊娠にどのようにかかわっているのでしょうか。英ウィメンズクリニック たるみクリニックの伊藤宏一先生にお話を伺いました。

2020.7.10

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※2020年5月25日発刊「女性のための健康生活マガジン jineko vol.46 2020 Summer」の記事です。


みっぽさん(41歳)からの相談
●ホルモン補充周期の移植日について
昨年、グレードのよい胚盤胞が3個(5AA、5AB、4BA)できて凍結。2つはホルモン補充周期で移植、残りは自然周期で移植しましたが陰性。再度の採卵と顕微授精で胚盤胞が3個(5AA、4AB、3BA)できました。私が通うクリニックでは、移植日がホルモン補充周期の22日目と決まっています。ホルモン補充周期では着床の窓はずれないのでしょうか。私は生理周期が早いので、移植日を1〜2日早めると確率が変わる可能性はありますか。子宮内膜症の既往歴があり、年齢的にも治療は最後かなと。

Advice
●着床の窓と移植日のずれが原因の可能性も。
●ERA検査で自分の着床の窓を調べては。
●慢性子宮内膜炎を調べるALICE検査も有効。

お話を伺った先生のご紹介

伊藤 宏一 先生 英ウィメンズクリニック(たるみクリニック)


2006年、兵庫医科大学大学院修了。2002年より兵庫医科大学病院の産婦人科、2008年より府中病院の産婦人科に勤務。2009年より神戸アドベンチスト病院の産科・婦人科・不妊センター勤務を経て、2016年より英ウィメンズクリニック勤務。同年10月、たるみクリニック院長に。2018年より女性アスリートを対象にしたスポーツ内科を併設。


≫ 英ウィメンズクリニック(垂水)

受精卵を受け入れる最適な時期「着床の窓」


着床の窓について教えてください。また、「着床の窓がずれる」とはどういうことなのでしょうか。

体外受精の治療では、子宮内に移植した胚(受精卵)が子宮内膜に着床し、妊娠が成立します。ただ、子宮内膜はいつでも胚を受け入れる準備をしているわけではなく、期間が限られています。胚を受け入れる期間を「着床の窓(インプランテーションウィンドウ)」と呼び、移植に最適なタイミングとしています。一般的には、「着床の窓」は3日間程度とされていますが、最近の研究では「着床の窓」には個人差があり、1日で閉じる人もいれば、3日以上開く人がいることがわかっています。そのため、「着床の窓」が開いている期間に対して移植日がずれてしまうと、せっかく良好胚を移植しても妊娠の確率を下げることになってしまいます。


自分の「着床の窓」を知り妊娠率を高める検査を


「着床の窓」に合わせてうまく移植するには、どうすればいいでしょうか。

次の移植日の調整を検討されるようでしたら、まずはERA検査を受けられてはいかがでしょうか。ERA(子宮内膜着床能)検査は、良好胚を2回以上移植しても着床しない反復着床不全の方に対する検査です。先ほどお話ししたように、個人差がある「着床の窓」を遺伝子解析技術により、ピンポイントで調べることができます。
検査は移植を「ホルモン補充周期」「自然排卵周期」の移植と同じ手順で行われます。ホルモン補充周期は、黄体ホルモン剤の投与開始から5日後に子宮内膜の組織を採取します。また、自然排卵周期は、尿中の黄体形成ホルモン(LH)の陽性が出てから、7日目に子宮内膜の組織を採取します。検査結果で特定された「着床の窓」に合わせて、それぞれの移植日を調整することによって、着床や妊娠の確率を高められる可能性があります。
みっぽさんのご質問に、「生理周期が早いので、ホルモン補充周期で移植日を1〜2日早めると確率が変わりますか」とありますが、ホルモン補充周期は、自然排卵周期とは異なり、生理周期をお薬で意図的にコントロールして、移植日を調整する方法です。生理周期が移植日に影響することはありません。


着床不全の人に多い慢性子宮内膜炎の可能性も


そのほかに考えられる原因や検査、治療法はありますか?

慢性子宮内膜炎を調べるALICE検査をされてもいいと思います。慢性子宮内膜炎は子宮内に炎症が持続的に起きている病態です。自覚症状がほとんどないため気づかれにくいのですが、習慣流産や着床不全の方の60%程度に認められるという報告もあります。原因ははっきりしていませんが、ALICE検査では原因の一つとされる子宮内の細菌叢の悪玉菌を検出し、検査結果にもとづいた最適なお薬で治療が可能です。
また、みっぽさんも子宮内膜症があるとのことですので、子宮内膜症による炎症が波及して子宮内環境を悪化させている可能性があります。この場合は移植前にGnRHアゴニストのリュープリンというお薬で、子宮内膜の環境を整える治療が有効です。近年、移植がうまくいかない方に2〜3周期リュープリンを投与した後に移植すると、いい結果が出たという報告もあります。この方法は同時に子宮内膜症への治療効果もあります。
最後の治療と決められているのであれば、できる検査をすべて試されるのも一つの方法です。ただ、なかなか胚盤胞まで育たず、初期胚で治療を続けておられる同年代の方も多いなかで、みっぽさんは良好胚が3つも育っています。最後の治療にされるのはもったいない気がします。今はうまくいかなくても、今後いい結果につながる可能性は十分あると思います。


先生から
せっかくの良好胚を生かすには、最先端の検査を受けるのも着床や妊娠の確率を高めることに


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出典:女性のための健康生活マガジン jineko vol.46 2020 Summer
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