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生殖補助医療の発達が導く、さまざまな「家族」のカタチ

インタビュー 不妊治療

生殖補助医療の発達が導く、さまざまな「家族」のカタチ

2020.7.15

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6月はLGBTQプライド月間でした。関連イベントを見かけたという方や、家族のカタチの多様性について考える機会を持たれた方も多いのではないでしょうか。今回は、いろいろな家族のカタチのあり方について、国際的に活躍する生殖補助専門医、ニチケ・マルクス先生に詳しいお話を伺いました。


多様化しつつある「家族のカタチ」。具体例を教えていただけますか。


性的指向の多様性への理解が高まりつつある中、高度な医療技術を伴う生殖補助医療の発達により、多くの人々が「親になりたい」という願いを叶えています。それに伴って、現在では従来の枠にとらわれないさまざまな家族のカタチも一般的になりつつあります。

ざっと挙げると、1.伝統的な家族、2.シングルペアレントファミリー、3.同性カップル、4.遺伝的なつながりを持たない家族 といったカタチが存在します。

このうち、1の「伝統的な家族」に該当するのは、男女のカップルのもとに遺伝的なつながりのある子どもがいるというカタチの家族です。

世界的に見ると6組に1組のカップルが、赤ちゃんが欲しいと思ったときに、何らかの困難に遭遇するといわれています。このため、伝統的な家族に当てはまる場合であっても、自然妊娠だけではなく不妊治療を経て家族を迎える願いを叶えるカップルは少なくありません。


シングルペアレントファミリーというのは、一人の親と子どもから構成される家庭のことですよね。


はい、その通り、シングルペアレントファミリーとは、親がシングルマザーもしくはシングルファザーとして家族を築くケースです。事情があってカップルからシングルペアレントになる場合だけでなく、最初からパートナーなしで、1人で親になることを決断する場合も含まれます。

女性が「選択的シングルマザー」になりたい場合は、シングルの女性でも生殖補助医療を受けることが許可されている国で、精子提供を受けることができます。
一方、男性がシングルファザーになることを希望する場合、代理母出産もしくは養子縁組という方法をとることになります。代理母出産と養子縁組は、ご自身での妊娠出産を望まなかったり、難しかったりする女性にとっても、有効な選択肢です。

また、3番目に挙げた「同性カップル」についても補足しておきます。冒頭でもお話しした通り、6月はLGBTQプライド月間でした。今日、性的指向の多様化への認識が高まり、受容が進みつつあることは、誰の目にも明らかです。

国によって規制がまちまちなこともあり選べる方法が異なりますし、個人によってもさまざまな考え方があることは大前提ですが、技術的な観点からいうと、いま世の中には「親になる」という願いを叶えるさまざまな方法が存在します。具体的に言いますと、女性同士のカップルであれば、精子提供や相互体外受精という手段がありますし、男性同士のカップルの場合には、代理母出産という選択肢を検討することになるでしょう。


「遺伝的なつながりを持たない家族」について、詳しく教えていただけますか。


選択した生殖補助医療の方法によって、ご家族の中で遺伝的なつながりができることもあれば、そうでないこともあります。前述のとおり、不妊治療の際にはご本人の精子や卵子を用いるケースと提供者のものを用いるケースがあり、どちらを選ぶかはご本人のコンディションや状況によって変わってきます。

人工授精を実施する場合はパートナーの精子で行うケースと、提供精子で行うケースがあります。さらに体外受精になると、精子だけでなく卵子に関しても、ご本人の配偶子を用いるケースと提供のものを用いるケースとがあります。

また、不妊治療で結果が出なかった方や不妊治療をしない決断を下した方、女性に子宮がなかったりご自身の子宮での妊娠出産が難しい方、さらに男性同士のカップルの場合には、養子縁組や代理母出産を通して新しい家族を迎えるという方法もあります。ヨーロッパでは、養子縁組という選択をする家族はとても多く見受けられます。例えばスペインの家族はロシアやアジア、アフリカから養子縁組をすることが多く、養子縁組で幸せな家庭を築いているファミリーをごく身近に見かけます。養子縁組をするタイミングはもちろん、その後のサポートに関するカウンセリングなども充実していますし、もともと色々な人種が入り混じる環境もあり受け入れられやすいということもあるのではと思います。


ニチケ・マルクス先生よりまとめ


子どものいる人生に踏み出すかどうか、その決断は人それぞれ。さらには、どのような方法でその決断を叶えて行くか、それもまた人それぞれです。人の考え方や人生の岐路における選択は、その人を取り巻く文化的な背景や法律、社会の認知・受容の度合いと切り離せません。決断の内容によっては、ことが容易に進まないこともあるでしょう。大切なご決断をされる前に、どのような選択肢があるのかについて情報を収集し、専門家へ相談した上で、ご自身が納得ができるまでじっくり検討されることが重要ではないでしょうか。


お話を伺った先生のご紹介

ニチケ・マルクス(Markus Nitzschke)先生


生殖補助医療専門医・産婦人科医。世界各国のクリニックでの経験を経て、現在は各所のクリニックと提携しながら国際的な活動を展開。特に卵子提供を伴う体外受精を行う。

≫ Amrita Fertility Japan

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