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年齢に問題がないのになぜ妊娠できないの?

コラム 不妊治療

年齢に問題がないのになぜ妊娠できないの?

年齢に問題がないのになぜ妊娠できないの?
大切なのは正しい情報と知識。
納得いくクリニックで無事に妊娠!

2020.10.9

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卵巣囊腫を抱えながら不妊治療を始めたNさん。
知識もないまま始めた治療にだんだん疑問をもち始め、
改めて不妊治療を勉強。ようやく納得のいくクリニックに出合い、
すぐに妊娠することができました。


※2020年8月25日発刊「女性のための健康生活マガジン jineko vol.47 2020 Autumn」の記事です。


やみくもに体外受精を繰り返していた治療初期


Nさんが結婚したのは、友達のなかでもかなり早い25歳の時。結婚したら子どもは3人欲しい…そんなイメージを抱いていたそうです。
結婚後間もなくご主人の仕事の都合で台湾へ転居。2年間の台湾生活の間にタイミングをとってみたり、漢方薬を飲んでみたり、できることはやっていたものの、なかなか妊娠には至りませんでした。
帰国後すぐに訪れたのは、ネットで評判がよかったクリニック。20歳のころから卵巣囊腫を患っていたNさん。手術をすすめられたものの、傷跡が残りやすい体質のため、どうしても手術をしたくないことを伝え、半年間生理を止めて卵巣機能を落ち着かせてから採卵することにしました。
採卵では約20個の卵子が採れ、受精卵のグレードも決して悪い数値ではなかったそう。期待して臨んだはじめての移植の結果は陰性。「先生からは『妊娠していませんね』の一言だけ。次は薬を替えてみましょう、とかそんな提案もなくて…。卵巣囊腫があるから体外受精しているはずなのになぜ妊娠できないの?」と、疑問がふつふつと湧いてきたと言います。その後も3回移植を繰り返すもののすべて陰性。
「体外受精なのだから、すぐに妊娠できるだろうと思っていたんです。あまり気乗りしていなかった主人を説得してここまできて、まだ30歳で年齢的にも問題ないはず。これで妊娠できないなんて…暗く長いトンネルに入ってしまった気持ちでした」
妊娠しにくいと相談しあっていた友達の妊娠も聞くだけでつらく、デパートでベビー服を見るだけでも妊娠のことを考えてしまう…Nさんの気持ちは沈むばかり。人間関係をほぼシャットアウトして、一人で過ごす時間が増えていきました。


原因が特定できないなら…思い切ってステップダウン


最初のクリニックの対応に疑問をもち始めたNさんはそこから不妊治療の正しい知識を得るために勉強し、クリニックが得意とする分野なども調べたそうです。
グレードのよい受精卵を何度移植しても妊娠しない…それならもしかして着床に問題があるのでは? と思い始めたNさんは、着床障害に詳しいクリニックへ転院します。ひと通りの検査を済ませ、特に着床に関する検査で問題はなかったものの、体外受精で結果を得られなかったので、ここではタイミング法をあえて選択したそうです。しかし約1年トライするものの、妊娠には至りません。先生からは体外受精をすすめられました。でも「ここで何も問題が見つけられないまま、また体外受精をしていい結果が出るのか不安でしかなくて。やみくもに体外受精をしても、ただお金を費やすだけだな…と思いました」。
当時、Nさんの気持ちの支えになっていたのが、自分が発信していたブログで知り合った人たちとの繋がりでした。「匿名だから、何でも言えるし、リアルな情報も入ります。いくら友だちでも治療のことは話してもわからないだろうけれど、不妊治療をしている人になら何でも言えるし気持ちを共有できました」。
そのブログを通して知ったのが、大阪にあるとあるクリニックが東京にもオープンするというニュースでした。


先生のブログを読んですぐに転院を決意


そのクリニックの先生の着床に関する記事を読み、深く納得したNさん。ここでなら希望が叶うかも…と転院の決意はすぐに固まりました。
2017年夏、説明会のあとすぐに受診し検査を受け、血液が固まりやすいことによる着床障害があると診断されたそうです。そして、かつて受けていた体外受精が今ではスタンダードではない方法であったことを知り、なぜ妊娠できなかったのかがわかったと言います。
まずは着床の障害になるとも言われているビタミンDの不足をしっかり補いました。その後、担当の先生が、過去の体外受精の時に使った薬とは違う薬をプランニングしてくれたそうです。そして着床の確率を上げるためにSEET法を実施してから移植が行われました。久しぶりの体外受精の結果…Nさんは見事1回で妊娠することができました。
「ただただ、信じられない…の一言でした。今までの苦労はいったい何だったの? と思えるくらいあっという間の3カ月でした」
最後に薬を渡された時、看護師さんに「これは、妊娠した人だけにお渡しできるプレゼントです」と言われ、初めて実感がわいてきたそうです。
そして、2018年、結婚から9年目、Nさん一家に無事に元気な男の子Y君が誕生しました。
 この治療を通してNさんが3つのことを伝えてくれました。
●やみくもにネットに氾濫する情報を信じず、正しい情報と知識を得ることが大切。そうでないと、無駄に時間とお金を費やしてしまいます。各クリニックの先生のブログはとても参考になりました。
●不妊治療は「頑張らないくらいがちょうどいい」。クリニックに通っている時点ですでに頑張っていると思ってほしいです。
●治療中は、自分の体が欠陥品では? と落ち込んだり、赤ちゃんがいる人が羨ましかったり、暗くなることもあるけれど、そんな自分でも受け止めて大いに労わってほしいです。人に会いたくなければ会わなくていいし、ストレスになることは避けたり逃げたりしていいと思います。笑って過ごしても泣いて過ごしても同じ時間。それなら、できるだけ楽しくやりたいことをやったほうがいい! 
こんなふうに語ってくれました。出産後、治療には積極的でなかったご主人が育児休暇を取ってくれたり、毎朝1時間、Y君と二人だけの時間を過ごしてくれたり、嬉しい発見もあったそう。今は、2歳になったばかりのY君との時間が愛おしくて仕方がないというNさんです。


出典:女性のための健康生活マガジン jineko vol.47 2020 Autumn
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