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2回続けて稽留流産に。不育症検査は必要?今後の治療方針は?

コラム 不妊治療

2回続けて稽留流産に。不育症検査は必要?今後の治療方針は?

皆さんの治療に関する相談を全国のドクターにお聞きして、誌面でアドバイスをお届けする人気企画「ジネコ セカンドオピニオン」。ジネコの応援ドクターが丁寧にお答えいたします

2020.9.21

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※2020年8月25日発刊「女性のための健康生活マガジン jineko vol.47 2020 Autumn」の記事です。


相談者 : かなこさん(34歳)
▶︎稽留流産 今後の治療・検査について
1年3カ月前から2人目不妊の治療を開始し、5カ月で妊娠するも7週で心拍確認後に稽留流産。その2カ月後に治療を再開し、5カ月後に妊娠しましたが、また7週で心拍確認前に稽留流産してしまいました。2回連続同じ時期での流産で、かなり落ち込んでいます。今後の治療は同じ方法でいいのか、ステップアップは不要? 不育症の検査を受けたほうがいいのでしょうか。ちなみに、1回流産後に治療をしている際、主人がEDになってしまい、タイミングはシリンジ法で行っています。


●これまでの治療データ

【検査・治療歴】
3歳になる1人目はタイミング法(ゴナールエフ®自己注射での排卵誘発)で妊娠。現在はセキソビット®を10日間服用して卵胞を大きくし、ゴナトロピン®注射で排卵、タイミングの流れで治療。

【精子データ】
問題なし

【不妊の原因となる病名】
特になし

【漢方薬やサプリメントの使用】
当帰芍薬散(とうきしゃくやくさん)

Doctor’s Advice
●不育症の可能性は低いかも。
●次も流産なら染色体検査を。
●すぐに治療変更は必要なし。

お話を伺った先生のご紹介

柏崎 祐士 先生(かしわざき産婦人科)


京都府立医科大学医学部卒業。2000 年まで日本大学板橋病院で主に不妊治療に従事し、その間、米国エール大学医学部産婦人科で研修。その後、「かしわざき産婦人科」副院長に。日本生殖医学会生殖医療専門医、日本産科婦人科内視鏡学会認定医。

≫ かしわざき産婦人科

稽留流産とは?


流産はその状態やタイミングによっていくつかの種類に分けられます。
一つは「進行流産」というもので、これは赤ちゃんがもう育たなくなり、出血とともに流産しかかっている状態です。進行流産は「不全流産」「完全流産」に分けられ、前者は病院へ来る前に胎児が自然に出てきてしまっていますが、胎盤など付属物の一部はまだ中に残っている状態。これに対して完全流産は流産が進み、胎児やその付属物も完全に排出されている状態のことをいいます。
また、今回かなこさんが経験された稽留流産は赤ちゃんの成長や心拍が止まってしまったけれど体外に排出されず、付属物とともに子宮内にずっと留まっているもの。出血や痛みなどはほとんどなく、流産したと気がつかない人も多いようです。
2回続けて同じ形の流産に至っていますが、稽留流産が連続したから不育症だとか、不育症だから稽留流産になりやすいという定義はなく、たまたま2回ともこの状態の流産だったのではないかと思います。


不育症の検査は受けなくていい?


不育症検査は主に免疫的な異常を調べる検査です。通常、母体は受精卵を受け入れますが、免疫システムに異常があると、受精卵を敵と見なし拒絶してしまいます。その結果、胎盤にある細かい血管に血栓症を引き起こしやすくなるんですね。母体に危険はありませんが、赤ちゃんの生死にはかかわってきます。
第1子が元気に生まれた人でも、その後免疫の異常を起こし、不育症になるというケースはゼロではありませんが、それは非常にまれなケース。かなこさんの場合、不育症検査を受けてもおそらく異常は見つからないと思いますが、ずっと心に引っかかっているようであれば受けてみてもいいかと思います。


ほかに検査は必要?


初期流産の9割は受精卵の染色体異常が原因だと考えられています。もともと異常があって、正常に成長できない運命だった受精卵だったということですね。
年齢とともに卵胞の数は減ってきますが、それと同時に卵子の質も低下してきます。そうなると染色体異常や遺伝子異常の確率も高まってきます。最初のお子さんを妊娠した4年前とは体の状況が変わり、流産の回数も増えてきたのかもしれません。
2回の流産はこのような自然淘汰によるものと考えていいかと思いますが、次も流産となると少し心配ですね。もし次も流産という結果に終わってしまったら、胎児の染色体検査をすることをおすすめします。もし異常があったら、今度はご夫婦の染色体を調べてみるといいでしょう。
染色体の2カ所が入れ替わってしまう転座など、ご夫婦のいずれかに染色体の構造的な異常があると、それが受精卵に引き継がれて流産になることがあります。可能性は低いと思いますが、確認の意味で検査されてみてもいいでしょう。


ステップアップなど、今後の治療にアドバイスは?


かなこさんの場合、不妊ではなく、流産のお悩みということですよね。妊娠まではいっているわけですから、不妊治療という面でのステップアップは今のところ必要ないと思います。
 ただし、女性は加齢とともに卵子の老化も始まり、35歳を過ぎると妊娠率はぐっと下がってきます。ずっと同じ方法を漫然と続けるのではなく、ある程度のところで妊娠率の高い治療にステップアップすることを考えてもいいのでは? 時期は35歳を目安に考えられたらいいかと思います。


シリンジ法での妊活についてはどう思う?


シリンジ法は、マスターベーションで採った精液をシリンジで腟内に注入する方法です。かなこさんはこれまでこの方法で2回妊娠されたということですが、医師としてはあまりおすすめできるやり方ではありませんね。
家庭で行うものですから、シリンジに異物が入ったり、腟を傷つけて感染症を起こすリスクもないとはいえません。また、原理としては通常の性行為とほとんど変わりませんから、治療のステップアップという意味はないんですね。
性交障害などがあってうまく性行為ができないのなら、人工授精のほうがいいと思います。人工授精は採った精液を洗浄・培養していい精子だけを選んで注入する方法ですから、シリンジ法より妊娠も期待できます。
かなこさんは妊孕性については問題ないと思いますが、気持ちを切り替えるという意味で一度人工授精にトライしてみてもいいのではないかと思います。



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出典:女性のための健康生活マガジン jineko vol.47 2020 Autumn
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