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プロゲステロンを排卵前に服用と指示。今月はもう排卵なし?

コラム 不妊治療

プロゲステロンを排卵前に服用と指示。今月はもう排卵なし?

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2020.9.23

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※2020年8月25日発刊「女性のための健康生活マガジン jineko vol.47 2020 Autumn」の記事です。


相談者 : 春さん(28歳)
▶︎プロゲステロンの服用について
今月からプロゲステロンの薬を飲むように言われました。看護師さんから、クロミフェンを飲み終わった次の日からプロゲステロンの薬を1日2回1錠服用するようにと説明を受けました。言われた通り2日間プロゲステロンの薬を服用したのですが、処方箋の説明を見ると、排卵後からと明記。インターネットで調べるとプロゲステロンを排卵前から飲むと排卵を抑制してしまうとあり、愕然としました。今月はもう排卵しないということでしょうか。

お話を伺った先生のご紹介

福井 敬介 先生(福井ウィメンズクリニック)


1989年、日本大学医学部卒業。卒業と同時に愛媛大学産科婦人科に入局、愛媛大学大学院医学専攻科修了。2000年愛媛大学産科婦人科学助教授。2001年、「高度な生殖医療をより身近な医療として不妊カップルに提供したい」と、福井ウィメンズクリニックを開設する。

≫ 福井ウィメンズクリニック

相談者はPCOSの治療を受けている?


春さんは月経不順で不妊の原因となる病名としてPCOS(多囊胞性卵巣症候群)と書かれていますので、おそらくそういった治療だと考えられます。ただプロゲステロン(黄体ホルモン)の薬の使用には疑問が残ります。
PCOSは若い女性の排卵障害の原因となる疾患の一つで、卵胞が発育するのに時間がかかってなかなか排卵しない疾患です。不妊症で悩まれている方が多く、診断基準は月経異常、超音波検査により両側卵巣に多数の小卵胞がみられる多囊胞性卵巣のほか、欧米ほど多くありませんが血液検査により男性ホルモン高値やLH基礎値の高値の3つがあります。ただこれら3つすべてが揃うことは稀で、数%しかいません。
一般的なPCOSの不妊治療は、排卵誘発剤を使って排卵のチャンスを増やすことです。内服薬のクロミフェンで、すぐ排卵できる場合もあれば、反応しない場合もあります。その場合はホルモン剤(注射)による排卵誘発を行います。しかしPCOSの方は有効域が狭く、過剰反応する傾向にあります。注射を多く使わないと排卵できない重症の方の場合は、体外受精をおすすめします。また、卵巣に穴を開ける腹腔鏡下手術を行うと薬に対する反応性がよくなったり、自然に排卵するようになったりします。


排卵前にプロゲステロンを飲むと排卵が抑制される?


おっしゃる通り、プロゲステロンは排卵および子宮収縮を抑制させます。プロゲステロンは子宮内膜を増やし、受精卵が着床するように子宮内環境を整える作用があるため、人工授精では排卵が終わってから、必要に応じて黄体ホルモン剤が処方されます。
PCOSの治療では通常、プロゲステロンを使用しないので、先生の説明不足なのか、何か別の意図があるのか、早急に確認したほうがいいでしょう。


相談者にメッセージをお願いします


薬の服用や副作用など、疑問に思ったら、すぐに医師や薬剤師に相談しましょう。とくに今までとは違う新しい薬を処方された際は注意が必要ですね。



[無料]気軽にご相談ください

出典:女性のための健康生活マガジン jineko vol.47 2020 Autumn
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