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PGT-Aのこと、詳しく知りたい!妊娠・出産の近道になる?

コラム 不妊治療

PGT-Aのこと、詳しく知りたい!妊娠・出産の近道になる?

やっと日本でも実施されるようになったPGT-A(着床前胚染色体異数性検査)。どんな検査で、何がわかるのでしょうか? 新橋夢クリニックの瀬川智也先生に伺いました。

2020.10.8

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※2020年8月25日発刊「女性のための健康生活マガジン jineko vol.47 2020 Autumn」の記事です。


お話を伺った先生のご紹介

瀬川 智也 先生(新橋夢クリニック)


金沢大学卒業後、同大学医学部産婦人科科学教室に入局。福井県立病院産婦人科副医長、市立輪島病院産婦人科医長、加藤レディスクリニックに勤務などを経て、2010年 新橋夢クリニック勤務に。2016年 院長・理事に就任。

流産や死産の原因となる染色体の異常をチェック



「着床前診断」、「着床前検査」とも呼ばれるPGTーA(着床前胚染色体異数性検査)とは、体外受精や顕微授精において、胚移植前に行われる検査です。胚盤胞まで培養した受精卵の細胞の一部を取り出し、染色体の本数を調べます。
ヒトの細胞核の中には、卵子から受け継いだ23本と精子からの23本、合計46本の染色体があります。順調に胚盤胞へ成長した受精卵であっても、ある程度の割合で染色体の数的異常があることが知られており、着床不全や流産の原因となることがわかってきました。
これまでは、受精卵の見た目の形状や胚分割のスピードなどで「良好胚」かどうかをグレードづけしていましたが、良好胚を移植しても着床しなかったり、流産を繰り返すケースがありました。PGTーAは、遺伝子レベルで受精卵のグレードを測れるのがメリットです。何度も胚移植を繰り返す患者さんに対して、不妊治療の肉体的・精神的、そして時間的・経済的な負担を軽減できるのではないかと注目され、臨床研究として承認された施設のみで実施されることになりました。


自身が検査対象かは、クリニックに相談を


しかしながら、誰もが受けられる検査ではなく、受けるには以下の条件があります。
・直近の胚移植(体外受精・顕微授精)で2回 以上連続して臨床的妊娠が成立していない方。
・直近の妊娠で臨床的流産を2回以上繰り返し ており、流産時の臨床情報が得られている方。
さらに、ご夫婦双方の同意が得られない場合、新鮮胚で移植したい場合、また他院で培養した胚やすでに凍結してある胚などは検査対象とはなりませんので要注意です。ご自身が検査できるかは、まずはクリニックに相談しましょう。


「デメリットもある」と心しておくことも大事


この検査は、特に35歳以上の年齢が高い女性ほどメリットは多いと思います。高齢になるほど染色体異常率は増え、流産率も高くなるからです。採卵にもタイムリミットがあるなかで、あらかじめ異常胚とわかっているものを排除できれば、無駄な時間や費用を抑えることが可能です。
一方で、デメリットもあります。まず、胚盤胞にまで育たない限り検査はできないということ。生検する胚としない胚の選別は行わないので、胚盤胞がたくさんあると費用がかさむことなどです。胚盤胞から細胞を採取することで受精卵へダメージを与える可能性もあります。診断の精度も100%ではありませんが、検査結果によっては「妊娠の可能性が極めて低い胚盤胞である」という事実を告げられることもあると、心しておいてください。
以前は「モザイク」と呼ばれる一部の染色体数が不安定で、検査で正常か異常かを判断できないケースが多々ありましたが、培養士や検査施設の技術の向上によって、それも少なくなってきました。
当クリニックは患者さんの平均年齢が約40歳と高いこともあり、また体外受精・顕微授精を得意とし、胚盤胞培養・凍結胚保存の扱いに長けた培養士を多く採用していることから、PGTーAを積極的に取り入れ、できるだけ検査料金も抑えています。まだ「どこの施設でも受けられる一般的な検査」というわけではありませんが、いずれは不妊治療のスタンダードになり得ると、私は考えます。




流産・死産してしまった胎児が教えてくれる情報も



PGTーA以外にも、染色体を調べる方法があります。POC(流死産絨毛・胎児組織染色体分析)というもので、これは胚盤胞ではなく、流産や死産にいたってしまった胎児由来の細胞を用いて、その原因を分析する検査です。
POCでも、染色体異常の有無やその種類を診断することができます。分析結果は流産・死産の原因究明の一助にもなり、その後の不妊治療の方向性を考えるうえでも重要な情報となり得ます。
この検査は患者さんにとってデメリットはなく、キットに検体を入れて検査機関に送るだけ。保険適用のない検査ですが、自治体により不育症検査助成金で費用が抑えられることがあります。必要性が高いと判断すれば医師からおすすめし、ご相談のうえで実施しますが、検査ができるクリニックはまだ限られているので、まずは担当医に相談してみるといいでしょう。


出典:女性のための健康生活マガジン jineko vol.47 2020 Autumn
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