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7回の体外受精でうまくいきません。今後はどうしたらいい?不育症なのでしょうか?

7回の体外受精でうまくいきません。今後はどうしたらいい?不育症なのでしょうか?

7回の体外受精でうまくいきません。今後はどうしたらいい?不育症なのでしょうか?

2014.1.21

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相談者
まりおさん(33歳)
■ 原因不明で不妊治療4年目の33歳です。体外受精を7回しましたが、いずれも結果が出ません。2回目に陽性反応(HCG40)が出たものの、次週はHCG0.1になり、化学流産してしまいました。7回目の今回は二段階胚移植をしましたが、判定日にHCG30で妊娠継続は難しいという結果になりました。判定日のHCGが低いということは不育症なのでしょうか?二段階胚移植は妊娠率が高いと思いチャレンジしたのに、このような結果に終わり、今後どのような治療が有効なのかわかりません。何かアドバイスがありましたらお願いします。



ジネコ:はじめに、今回のテーマ「原因不明の不妊」について、先生はどうお考えでしょうか?


奥先生:一般的に原因不明の不妊といっても、どの時点で原因不明と判断するかによりますね。体外受精をする前の原因不明なのか、体外受精をした後の原因不明なのかによって、状況は異なります。体外受精をすることによって、隠れていた原因が見つかるケースはたくさんあります。その症例を3つ挙げてみましょう。
1つ目は、卵管と精子に異常がないのに妊娠しないケース。体外受精をすると約50%の方に卵管のピックアップ障害が見つかり、1~2回の体外受精で妊娠することができます。また、精子が正常な場合でも5~10%の確率で受精障害が見つかることがあります。この場合、体外受精から顕微授精(ICSI)などの新たな治療法の検討や、最近は、体外受精では受精しなかった卵子に対して急遽、顕微授精に切り替え受精させるレスキューIイクシーCSIという方法で治療することもできます。
2つ目は、体外受精をすることにより、卵子の質に原因が見つかるケースです。この場合は、排卵誘発法や排卵誘発剤を変えたり、メラトニンなどのサプリメントを処方します。さらに、多嚢胞性卵巣症候群(PCOS)であれば、グリコラン®などの糖尿病薬を使用することで、卵子の質が変わることがあります。
3つ目は、きれいな受精卵ができているのに着床しないという着床障害が見つかるケースです。まず、新鮮胚で着床しない場合は、凍結胚で戻します。また、分割胚でうまくいかない場合は、子宮内に受精卵がとどまってしまい卵管まで届かないことが原因の場合があります。これを胚盤胞に切り替えると、約40%の方が着床します。さらに、胚盤胞でもうまくいかない場合は、二段階胚移植をすることで、約45%の方が着床するといわれています。


ジネコ:まりおさんは、7回目には二段階胚移植も行っています。なぜ妊娠しないのでしょうか。


奥先生:この方の受精卵のグレードの判定基準法がよくわからないのですが、おそらくこの方は原因不明不妊ではありません。2回の化学流産をされていますので、ご本人も疑っていらっしゃるように、不育症だと思います。通常、流産を2回くり返すと不育症と診断されます。化学流産をいわゆる流産とみなすかどうかは意見が分かれるところだと思いますが、僕は流産に数えていいと考えています。ぜひ不育症の検査を受けられてはいかがでしょうか。不育症の検査項目は挙げるときりがないのですが、NK細胞活性検査、抗リン脂質抗体系検査、血液凝固系検査、抗核抗体のほか、染色体異常、プロテインS、プロテインC検査をおすすめします。この検査をすると、約70%の方に異常が見つかるといわれています。ちなみに染色体異常には、母体の年齢とともに増える「数の異常」と「構造の異常」の2つがあります。不育症の方には後者の「構造の異常」がかなりの割合で見つかります。また、約10%の人にプロテインSの異常が見られるのも特徴です。最近、不育症と着床障害、胎児死亡は、同じ病態で起こっているのではないかといわれています。そのため、当クリニックでは着床障害の方にもこの不育症検査を積極的に応用しています。まりおさんも、不育症と着床障害の2つの要素が重なっているのだと思われます。


ジネコ:その場合、どんな治療法がありますか?


奥先生:この方は判定日の時点でHCGの値が30~40と低いですね。これは、着床しても赤ちゃんが胎盤からホルモンをうまく出せていないサインです。HCG値の低い不育症は、妊娠してから治療しても間に合いません。その時点ではすでに手遅れなのです。胚移植をするのと同時、つまり妊娠しているかどうかわからない段階から不育症の治療を行うことがポイントだと思います。たとえば、血液の循環が悪いのであれば、アスピリンやヘパリン療法を行うと、この時点ですでに血流が改善されるため、着床しやすくなり妊娠率も上がります。まりおさんは33歳とお若いので、この方法でうまくいくかもしれません。


ジネコ:原因不明の不妊に悩んで来院される方は多いのでしょうか。


奥先生:卵管検査は正常、精子所見にも異常がない。「それなのに、なぜ妊娠しないのですか?」というご質問をよく受けます。体外受精の説明会でもご説明しているのですが、体外受精をすることで、ほとんどの原因がわかります。ステップアップを悩む方もいらっしゃいますが、体外受精は、究極の治療法であると同時に、究極の診断法でもあります。原因は必ずあるはずなので、理由がわかれば治療は可能です。ですから私は、原因不明の不妊症というものはほとんどないと思っています。2回目までの体外受精で、60~70%の方が妊娠します。残りの30~40%の方の原因不明を診断して、3~5回目で妊娠につなげられるかどうか。そこが医師の腕の見せどころだと思います。



奥 裕嗣 先生
1992年愛知医科大学大学院修了。蒲郡市民病院勤務の後、アメリカに留学。Diamond Institute for Infertility and Menopauseにて体外受精、顕微授精等、最先端の生殖医療技術を学ぶ。帰国後、IVF大阪クリニック勤務、IVFなんばクリニック副院長を経て、2010年レディースクリニック北浜を開院。医学博士、日本産科婦人科学会専門医、日本生殖医学会生殖医療専門医。多忙な日々を送る先生を癒してくれるのがご実家の愛犬・ティアラちゃん。品評会に出場し、ポメラニアン部門でジャパンケンネルクラブチャンピオンになるためのカードを2枚獲得(4枚でチャンピオン)。現在、さらなる受賞を目指して、ブリーダーさん宅で猛特訓中とか。




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