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PCOSの傾向があり 排卵する時としない時があるのはなぜでしょうか?

コラム 不妊治療

PCOSの傾向があり 排卵する時としない時があるのはなぜでしょうか?

「今月のリセット9日目には、左右に15個ずつ小さな卵胞があり、13日目にも8mm程度の卵胞が多数残っていました。原因は何なのでしょうか?」

2014.1.21

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相談者
ナフーさんさん(33歳)
■ もともとAMH値が6.54と高く、男性ホルモンも高いことから、多嚢胞性卵巣症候群(PCOS)の傾向があると言われてしまいました。しかし、今年3月の初診以来、卵胞は多すぎることなく、排卵誘発剤を使わなくても、2mm以上の卵胞が1個でき、順調に経過していました。しかし、今月のリセット9日目には、左右に15個ずつ小さな卵胞があり、13日目にも8mm程度の卵胞が多数残っていました。原因は何なのでしょうか?今周期、変わったことといえば、スポーツジムに通い始め、エアロビクスや水泳をしたこと。ルイボスティーを飲み始めたことです。卵胞は今まで順調にできていただけに、とてもショックでした。治療歴2年。タイミング療法と人工授精で治療中。グリコラン®、メドキロン®服用。来周期、子宮鏡検査です。治療歴は、子宮内膜ポリープ切除術、選択的卵管造影にて詰まりがなくなりました。



ジネコ:抗ミュラー管ホルモン(AMH)の数値からPCOSがわかるのですか?


塩谷先生:2~3年前からAMHが一般的に測定されるようになり、AMHが基準値よりも非常に高い方のほとんどはPCOSであることがわかってきました。PCOSは軽症~重症まで非常に幅が広く、ナフーさんの場合は、非常に軽症のものと言ってよいでしょう。ただ、PCOSには間違いありませんから、時々排卵が起こらなかったり、小さな卵胞ができるといったPCOSならではの特徴が出ることがあります。PCOSは将来、肥満や糖尿病につながる傾向がありますので、運動を始められたのはいいことです。ただ、PCOSが唯一の原因なら、2年間も治療されているのに妊娠しないのはおかしいですね。PCOSが原因であれば1年で妊娠できるはずです。すべての方に該当するわけではありませんが、一般的に不妊治療は1年が目安です。きっとPCOS以外の原因があるのだと思います。


ジネコ:ほかにどのような原因が考えられますか?


塩谷先生:ナフーさんは、これまでに子宮内膜ポリープの切除と、卵管の詰まりを通過させるための子宮卵管造影検査をしています。100%断定はできませんが、ポリープがあったということは、子宮内膜炎が起きた可能性があります。子宮内膜と卵管は直結しているので、子宮内膜炎が起きていれば、卵管炎も起きているはずです。ですから、本当の原因は卵管の傷みによるものだと思います。ナフーさんはPCOSだけに意識がいっているようですが、卵管に原因があることを受け止めて治療していかなければ、結果が出ないと思います。


ジネコ:どのような治療をすればよいでしょうか。


塩谷先生:ナフーさんはまだ若いので、卵管については、まず通気・通水治療で卵管の通りを良くします。通常、これを3カ月ほど行います。結果が出ない場合は、FT(卵管鏡下卵管形成術)を行い、半年間、自然妊娠を待って様子をみます。半年後にそれでも結果が出なければ、この方の場合は、体外受精をしたほうがいいでしょう。同時に、PCOSの治療も行います。PCOSについては、現在の治療法でいいと思います。ただ、当院であればメドキロン®ではなく、ルトラール®やデュファストン®といった薬を使用します。メドキロン®は黄体ホルモン製剤の1つですが、わずかに男性ホルモン作用を表す傾向があります。この方は、男性ホルモンが多いと言われていますから、男性ホルモン作用を表さない後者2つの黄体ホルモン製剤が向いていると思います。さらに、子宮内膜ポリープは再発しやすいので、半年~1年ごとに定期的な子宮鏡検査を受けられるのはいいことです。精子の状態は良いので、PCOSはもちろんのこと、卵管の原因を治療すれば、きっと妊娠できると思います。



塩谷 雅英 先生
島根医科大学卒業。卒業と同時に京都大学産婦人科に入局。体外受精チームに所属し、不妊症治療の臨床に取り組みながら研究を継続する。1994~2000年、神戸市立中央市民病院に勤務し、顕微授精による赤ちゃん誕生に貢献。2000年3月、不妊専門クリニック、英ウィメンズクリニックを開院する。A型・しし座。中国・大連で開かれた学会で、ご自身が開発されたシート療法について講演された先生。日本ではすっかり定着した治療法ですが、今回、海外での関心の高さをあらためて実感されたそう。「これから世界にも広めていきたいですね」。






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