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頭痛や下腹部痛、生理や排卵がずれるのは薬や注射による影響ですか?

コラム 不妊治療

頭痛や下腹部痛、生理や排卵がずれるのは薬や注射による影響ですか?

「生理や排卵の時期もずれてきているので不安が出てきました。この治療を続けていっても大丈夫なのでしょうか。」

2014.3.5

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相談者
コアラ11さん(37歳)
■不妊治療を本格的に始め、現在はタイミング法にトライしています。生理開始7日目からプレマリン®を1週間内服。「卵胞がなく、排卵したかどうかもわからない」ということでクロミフェンを処方され、さらにプレマリン®を1週間追加。その後、フォリルモン®を注射。しかし、卵胞はたくさんできているが育っていない、とのこと。副作用を考慮し、フォリスチム®の注射に替えられましたが、やはり卵胞は育っていないようです。ホルモン注射をするにつれて卵胞がたくさんできたり、頭痛がしたり、下腹部が痛くなったり。また、生理や排卵の時期もずれてきているので不安が出てきました。この治療を続けていっても大丈夫なのでしょうか。



ジネコ:コアラ11さんが受けている治療について、どのような印象を持たれましたか?


大島先生:排卵誘発をしながらタイミング法の指導を受けていらっしゃるとのことですが、薬の使い方にいくつか疑問があります。まず、プレマリン®の処方について。プレマリン®とは、経口の女性ホルモン、エストロゲン剤の1つで、卵胞ホルモン(エストロゲン)を補充するために飲む薬です。クロミッド®を飲んだ後に少量のプレマリン®を服用して妊娠に至ったという例はありますが、コアラ11さんのようにクロミフェンを服用する前に1週間も服用するケースというのは、あまり聞いたことがないですね。クロミフェン、いわゆるクロミッド®という薬には抗エストロゲン作用があり、患者さんによっては子宮内膜が薄くなったり、頸管粘液が出にくくなったりするケースもあります。それを防ぐために、クロミフェンを服用している途中からプレマリン®を飲むことがあります。しかし、それでも1錠程度の量。前後に各1週間ずつ服用するというのは、当院では疑問を感じる処方ですね。プレマリン®をたくさん飲んでしまうと、かえって排卵を抑制してしまうと思うのですが。どのような目的で処方されたのか、大きな疑問を感じます。当院ではプレマリン®は使わず、もしクロミッド®で頸管粘液に影響が出るようなら、フォリルモン®やフォリスチム®の注射剤のみを追加すると思います。


ジネコ:大島クリニックでは、タイミング法の時、どのような形で排卵誘発をされているのでしょうか。


大島先生:だいたいパターンは決まっています。生理3日目からクロミッド®を5日間飲んでいただき、8日目、10日目に注射剤を使います。


ジネコ:生理や排卵時期のずれ、頭痛や下腹部痛などを心配されていますが、これは薬の副作用でしょうか?


大島先生:やはり、クロミフェンの前にプレマリン®を飲んでいるので、排卵が抑制されてずれてしまったのではないでしょうか。もしくは、クロミフェンがまったく効かなかった可能性もあります。この薬には卵巣を直接刺激する作用はないので、脳の下垂体が反応しなかったら、いくら飲んでも効果はないと思います。コアラ11さんは37歳と年齢が高めですが、年齢のせいというより反応しにくい体質なのではないでしょうか。また、検査の時に子宮が小さいと言われたそうですが、これはちょっと気になりますね。子宮が小さい方は女性ホルモンの分泌が悪いことが多く、普段から卵巣へのホルモン刺激が少ないのでは。月経周期は28日ですが、期間が2~3日と短く、経血量も少ないとのこと。これも子宮が小さいことの原因と同じものによると思います。頭痛や下腹部痛についてですが、これらの症状はクロミフェンではよくあることですね。注射によるものでは、頭痛を訴えられる方がいらっしゃいます。また、下腹部が痛むのは、注射をしてホルモン値が上がるからではないでしょうか。いずれも薬の間接的な影響で、一時的なものなので、ご心配はいらないと思います。もし長期間続いたり、痛みが強い場合は、早めに医師や看護師に報告・相談されることをおすすめいたします。


ジネコ:途中から注射薬を弱めのものに替えられたようですが。


大島先生:フォリルモン®もフォリスチム®も卵胞刺激ホルモンの注射剤です。フォリルモン®は人間の尿由来で作られたもの、フォリスチム®は遺伝子組み換え作業で作られた製剤です。どちらかというとフォリスチム®のほうが強力のような気がするので、注射の使い方についても少し疑問を感じますね。


ジネコ:やはり現在の治療や薬は、この方に合っていないということでしょうか。


大島先生:不妊治療専門医から見ると、ちょっと疑問を感じますね。まずは、きちんと検査をされて、その結果を見て治療法を考えられたほうがいいと思います。コアラ11さんは、ホルモンの検査を受けて問題ないということですが、測った時期はいつだったのでしょうか。データを拝見すると、生理時ではないようですね。基礎値をみるためには、生理の3日目にもう一度検査を。最低でもLH、FSH、AMH(抗ミュラー管ホルモン)は測っていただきたいと思います。それから、生理時の胞状卵胞の数もきちんと確認されたほうがいいですね。超音波検査で小さな卵胞が20個以上確認されると、排卵誘発した際にかなり腫れる可能性があるので、注意が必要になってきます。当院の場合は、まず生理3日目にきちんとホルモンの検査をして、排卵誘発が初めての方ならクロミッド®を服用していただく。そして、8日目に卵胞の大きさと数を確認して、注射を追加するかどうかを決めていきます。PCOS(多嚢胞性卵巣症候群)、もしくはPCOSでなくても卵胞がたくさんある人もいらっしゃいます。そういう方の場合は、注射を打つと腫れやすいので、薬剤や量を慎重に調節していきます。まだ不妊治療をスタートしたばかりで、不安や疑問はたくさんあると思います。治療前にきちんと説明するのが医師の義務だと思いますが、もし説明が足りないようなら、患者さんからも積極的にご質問を。疑問を早めに解決して、スムーズに今後の治療を進めていっていただきたいと思います。



大島 隆史 先生
自治医科大学卒業。1982年、新潟大学医学部産科婦人科学教室入局。産婦人科医として3年間研修後、県内の地域病院の1人医長として4年間勤務。1992年、新潟大学医学部において医学博士号を授与される。新潟県立がんセンター新潟病院、新潟県立中央病院勤務を経て、1999年、大島クリニックを開設、院長に就任。同クリニックでは、検査データの記録用シートを作り、検査のたびに結果を記入してお渡ししているそう。また、注射のスケジュール表もお渡ししているので、患者さんからの疑問や不安の声も少ないとか。





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