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市販薬、漢方薬、サプリメント。 必ず相談しながら服用しましょう

市販薬、漢方薬、サプリメント。 必ず相談しながら服用しましょう

市販薬、漢方薬、サプリメント。 必ず相談しながら服用しましょう

2014.5.16

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市販薬には必要でない成分も含まれるので注意が必要!

今まで普通に買って飲んでいた市販薬には、場合によっては使用をおすすめできないものもあるので注意しましょう。ただ、妊娠に気づかない時期に市販薬を服用してしまったということがありますが、妊娠1カ月まで(妊娠4週未満)の服用であれば問題ありません。まず風邪薬ですが、市販薬には複数の成分(特に多いものでは10種類以上)が含まれていて、なかには必要でないものもあります。妊娠が分かっていればやめる、もしくは主治医に処方してもらうのがベストです。特に、熱を下げる成分である非ステロイド性抗炎症薬のイブプロフェンは、妊娠後期に続けて使うと、胎児の心臓に近い動脈管に影響がある場合があり、生まれてからも後遺症が残ることがあります。また、最近、痛みどめとしてよく市販されているロキソニンも妊娠後期の服用は避けましょう。湿疹など皮膚疾患の治療に使う外用薬は、塗布した部分だけに作用するので、通常の用法・用量を守れば使用できます。また点鼻薬や目薬は用法、用量を守っていれば問題ありません。


漢方薬は専門家に相談して服用を

いろいろな症状に対して、漢方、生しょう薬やくのほうが安心なのでは?という声がよくありますが、漢方、生薬だから安心、とは言い切れません。海外の例ですが、甘かん草ぞうという成分を摂り過ぎたために、妊娠後期に悪影響が出たという報告もあります。もちろん安全性が高いものはいろいろあるので、必要な場合には専門家に相談して正しく摂取するようにしましょう。


サプリメントは種類によっては積極的摂取を


ウイルスによって母子への影響が変わる感染症。かかってしまってもあせらず主治医と相談を

妊娠期に避けたい感染症

妊娠中のサプリメントの摂取ですが、最近厚生労働省からも推奨されているものとして、ビタミンBの一種である葉酸があげられます。葉酸の摂取によって、先天異常のひとつである脳神経管閉鎖障害の、リスクを下げられることが分かり、推奨されているもので、2002年から母子手帳にもその記載がされています。葉酸の摂取はできれば妊娠前からが有効とされていて、食事に加え、サプリメントで1日0.4㎎を摂取できるとよいと言われています。ホウレン草やブロッコリーに含まれている葉酸は、サプリメントとしても一般的です。また、海外のデータに、ビタミンAに含まれるレチノールという成分の摂り過ぎによって先天異常が増えたという報告もされています。ビタミンAを過剰に摂らないようにしましょう。妊婦さん向けのサプリメントもたくさんありますので、栄養バランスに心配のある人は、用量を守って摂取するとよいでしょう。


「風しん」は妊娠前半での感染に注意!

感染症のなかでもっとも胎児に影響があるといわれているのが風しんです。たいていの産婦人科で風しんの検査をしますが、もし家族やご主人にも風しんの免疫がない場合には、予防接種をしておきましょう。妊娠3~20週の妊娠前半に感染してしまうと、赤ちゃんが先天性心疾患、白内障、難聴、緑内障などにかかる可能性があります。その場合は、主治医と相談を重ねて、経過を観察していく必要があります。妊娠20週を過ぎると、赤ちゃんには影響は少ないと考えられています。


妊娠初期、中期とで影響が変わる「水ぼうそう」

ヘルペスウイルスの1つである水痘・帯状疱疹ウイルスによる水ぼうそう。幼児のうちにたいていの人がかかる病気ですが、未感染の場合は妊娠前の予防接種が必要です。妊娠20週未満に感染してしまった場合、約2%の胎児が低出生体重、小頭症、四肢低形成などの症状が現れる「先天性水痘症候群」になるといわれ、妊娠20週から出産21日前までの場合では、胎児の9%が乳幼児期に帯状疱疹を発症するといわれています。ただ、水ぼうそうの場合は妊娠中に服用可能なヘルペスウイルスの薬もあるので、必要に応じて処方してもらいましょう。水ぼうそうの抗体を持っていない可能性が高い場合、家族が感染してしまった場合、グロブリン注射で対処することもできます。


赤ちゃんへの影響は少ない「おたふく」と「はしか」

おたふくとはしかも、よく知られる感染症です。ムンプスウイルスによるおたふくは、発病すると発熱や耳の下のリンパ腺が腫はれたりします。赤ちゃんの感染は生まれた後の血液検査で分かりますが、今のところおたふくによる赤ちゃんへの先天異常はないとされています。また、はしかウイルスによるはしかは、妊娠のごく初期にかかった場合、流産の危険性がありますが、胎児への影響はほとんどありません。ただ、大人がはしかになると重症化する恐れがあり、流産や早産の危険性が高まるので注意しましょう。


妊娠中でも予防接種を受けたい「インフルエンザ」

特に冬場に妊娠期間を過ごす妊婦さんに注意が必要なのがインフルエンザです。海外のデータでは妊婦がインフルエンザにかかると重症化しやすいという例もあります。かかってしまった場合ですが、一般的に処方されるタミフルⓇ、リレンザⓇが胎児に影響を与える可能性は低く、妊婦でも服用が可能です。まずは、予防接種、手洗い、うがいを徹底することが大切です。


妊娠中にかかると胎児の3割が感染する「りんご病」

主に幼児が感染する「りんご病(伝染性紅斑)」はパルボウイルスB19というウイルスによるものです。幼児の場合、発熱したりほっぺたに赤い斑点ができたりしますが、大人は斑点が出ない場合も多く、風邪のような症状だけで終わるケースもあります。妊娠20週未満の妊婦さんがりんご病に感染するとその約30%が胎児にも感染し、そのうち3分の1で胎児貧血や胎児水腫、あるいは胎児死亡など、胎児に異変が現れる可能性があります。もともと大人になってりんご病に感染するのはまれだといわれています。


出産するまでに完治しておきたい「性器ヘルペス」

単純ヘルペスウイルスが原因の性感染症の一種。外陰部にかぶれや水疱ができます。治ったように見えてもウイルスは死滅せず体内に残るため、体の抵抗力が落ちたときに再発することがあります。産道から赤ちゃんに感染すると、赤ちゃんが肺炎や脳炎を起こすことがあるので、妊娠中でも抗ウイルス薬を使って治療します。出産前までに完治していない場合は、帝王切開で出産することになります。


ペットがいる場合は注意したい「トキソプラズマ症」

加熱が不十分な肉、犬、猫、鳥に寄生する原虫が原因とされています。トキソプ加熱が不十分な肉、犬、猫、鳥に寄生する原虫が原因とされています。トキソプラズマ症は、実は多くの人が知らないうちに感染し、感染しても無症状で気づかないことが多いのも特徴です。妊娠中に初めてトキソプラズマ症にかかると、ごくまれですが胎盤を通して胎児が先天性トキソプラズマ症に感染し、水頭症、網脈絡膜炎、脳内石灰化などを起こすことがあります。特にペットを飼っている人は、糞をすぐに片づける、口移しでえさを与えない、手をよく洗う、など予防対策を徹底してください。



渡邉 央美 先生


大阪大学医学部卒業。大阪大学医学部附属病院及び関連病院にて産婦人科医として勤務後、2005年より「妊婦・胎児に対する服薬の影響」に関する相談・情報収集を実施している妊娠と薬情報センター 専任医師として勤務。




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