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初潮の頃から無月経で多嚢胞性卵巣症候群。こんな私でも妊娠できる?

初潮の頃から無月経で多嚢胞性卵巣症候群。こんな私でも妊娠できる?

初潮の頃から無月経で多嚢胞性卵巣症候群。こんな私でも妊娠できる?

2014.7.9

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相談者
アケさん(25歳)
10年間無月経で、現在はカウフマン療法で治療しています。はっきりした原因は分からないのですが、たぶん脳からの指令ホルモンが少ないのでは、と言われています。先月、不妊治療専門の病院へ転院して検査したところ、多嚢胞性卵巣症候群と診断されました。確かにエコーでは真珠のネックレスのような卵胞がたくさんありましたが、初めて言われたので驚いています。私の場合、多嚢胞性卵巣症候群と言い切れるのでしょうか?妊娠したい時には、クロミフェン治療やHMG-HCG注射などがあると言われました。排卵誘発剤を使えば、このような私の状態でも妊娠する可能性はありますか?



ジネコ:アケさんは不妊治療デビュー。今回、初めて多嚢胞性卵巣症候群だと言われて驚いているようです。アケさんは多嚢胞性卵巣症候群と言い切れるのでしょうか?


生田先生:これまでの治療データの血液検査の数値を見る限り、特に多嚢胞性卵巣症候群に特徴的な結果があるとは思えません。多嚢胞性卵巣症候群と断定はできないのではないでしょうか。25歳でAMH14.75は数値的に高いことは確かですが、AMHはもともと人によって差があり、年齢ごとの平均値と呼べる値は設定できません。ですから、25歳でもこのような高い数値が出ることはあります。ただ、この数値ですと排卵誘発した場合、多くの卵子が排卵しようとして卵巣がボコボコに膨らむだろうということは予想できるので、慎重な治療が必要かなとは思いますね。


ジネコ:10年間無月経とのことですが、先生のクリニックでもこのような患者さんはいらっしゃいますか?


生田先生:アケさんはほぼ初潮の頃から生理が止まっていますね。これは思春期から大人になる間に、本来なら生理を作る中枢が徐々に成熟していくはずの過程が上手くいかなかったのでしょうね。当院でもそういう患者さんは割と多いです。もともと月経中枢の機能が未熟なままである場合、もうひとつはそういった成熟過程の時期に激しい運動や過度なダイエットをしてしまった場合などが原因として考えられます。思春期の時期に平均体重の2割も落としてしまったり、スポーツ選手などに多いのですが日常的な激しい練習に勝ち負けのストレスなども加わったりしますと生理が止まってしまいます。こういった成熟過程の障害ケースは、大人がダイエットして生理が止まるのとは違って、結構、長引いてしまうことが多いものです。


ジネコ:脳からの指令ホルモンは少ないと言われているようですが。


生田先生:LHは少し低めですが、本当に低い人は1以下になります。その場合は、指令が全く出ていないということですが、アケさんは基礎的な分泌はあるのだと思います。ただ、一定のリズムで分泌がないと卵巣は反応しません。アケさんの場合は、この分泌のリズムがないので卵巣が休んでしまっているのではないでしょうか。クロミフェンなどで刺激するというのは、この分泌のリズムを持たせて卵巣が動かそうということなのです。


ジネコ:妊娠するためには、具体的にどのような治療が有効でしょうか?


生田先生:年齢的にそんなに焦る必要はないと思いますが、そろそろ妊娠も考えたいということであれば一度、クロミッドを1錠くらい飲んでみて排卵が起こるかどうか試してみても良いと思います。それで排卵が起こるのであれば全く心配はありません。お子さんが欲しいとなればクロミッドで排卵を起こせば妊娠の可能性がでてきます。クロミッドよりも薬理が弱いセキソビットでは難しいかもしれません。もしもクロミッドだけで難しければ、クロミッドを服用しておいてそこにHMGの注射を足す方法も考えられます。その際に使うHMGはペンタイプの少量で行うか、飲み薬プラス注射を2~3日に1回という感じで行うのがよいのではないでしょうか。要するに低容量で時間をかけながらジワジワと刺激を行うことが大切だと思います。


ジネコ:HMGなどの注射剤は作用が強すぎるということでしょうか。


生田先生:クロミッドなどの飲み薬は脳の生理中枢を刺激することで、脳から卵巣を働かせるホルモンの出具合を強くする作用がありますが、HMGなどの注射は直接、卵巣に働きます。ですから、HMGだけで排卵誘発を行うと刺激が全ての卵子の殻(卵胞)に対して同じように働くため、卵巣過剰刺激症候群になる可能性が高くなるのです。通常の生理周期のある人では、生理が始まった時には数個から若い人で10個くらい排卵しようとする卵が膨らみ始めるのですが、生理が終わる7日目くらいにはどれが排卵するかは決まっていて、10数個あったとしてもその中の1個だけが排卵し、残りはすべて消えていきます。ところが排卵が起こっていない女性では、刺激さえ来れば大きくなるぞという卵子を含む卵胞がさらに多くあり、注射剤を使うと選択が起こらず大きいものも小さいものも一斉に膨らんでいくので、結果、卵巣が腫れてしまうのです。AMHが高くて卵胞がまだたくさん残っていて脳の生理の中枢が働いていないアケさんのようなケースでは、飲み薬により脳の中枢が十分でなくてもある程度働いてくれれば、無闇に卵子の入った卵胞が発育しなくてよいのです。しかし、飲み薬だけでは全く効かないということになれば、最終的には注射だけで刺激することになります。その場合は慎重に行う必要があるとは思いますね。もちろん個人差はあり、やってみないと分からないということもありますので、一度、LH-RHテストなどで反応性を確かめておくのもよいかもしれませんね。



  • まずはクロミッドで排卵が起きるか確認

  • AMHが高いので注射剤の使用は慎重に

  • LH-RHテストで反応性を確かめても



生田 克夫 先生
名古屋市立大学医学部卒業。名古屋市立大学産科婦人科学教室助教授、名古屋市立大学看護学部教授などの経歴を重ねたが、不妊に悩む名古屋の方たちの役に立ちたいという思いで、教育者の立場を辞して独立。地元・名古屋の中心部、栄に開院し、1986年から体外受精の現場を歩いてきた経験と穏やかな人柄で、数多くの患者さんを妊娠に導く。夏のお休みは基本的に勉強していたという先生。「そんな時くらいしかゆっくり本も読めませんから。とはいえ勉強するのは夜の時間。昼間はトンカチ片手に家の修繕に励むことも。余計、大変なことになることもありますが(笑)」





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