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黄体機能不全なのですが医師がクロミッドⓇを使おうとしません

コラム 不妊治療

黄体機能不全なのですが医師がクロミッドⓇを使おうとしません

「排卵していても質が悪いのでは、いつまでたっても妊娠できない気がします。また、夫には問題ないのに人工授精をやる意味はあるのですか。」

2014.10.27

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相談者
たじゃ さん(31歳)
ひと通り検査をして、黄体機能不全が見つかりました。HCGとプロゲストンⓇで3期不妊治療(うち1回は人工授精)をしましたが、結果は出ていません。いろいろ調べてみると黄体機能不全の基本的な治療はクロミッドⓇという風に書いてあり、今の治療のままでいいのか疑問です。医師に相談したら、「クロミッドⓇは子宮内膜を薄くしたり、頸管粘液が少なくなるなど副作用もあるし、自力で排卵している人には使わない」と取り合ってもらえませんでした。排卵していても質が悪いのでは、いつまでたっても妊娠できない気がします。また、夫には問題ないのに人工授精をやる意味はあるのですか。



黄体機能不全とはどのような状態のことをいうのでしょうか。


大島先生:簡単にいえば、黄体ホルモンの分泌が悪い状態です。「高温期の持続が9日以内」「高温と低温の温度差が0.3度以内」「高温期の真ん中あたりの時期(黄体中期に2~3回測定するのが望ましい)の黄体ホルモンの値が10ng/mL未満」などの条件に当てはまれば、黄体機能不全と診断されます。黄体というのは排卵によって成り立ちますので、何らかの問題や障害により排卵がうまくいっていない方がこのような状態になると認識しています。


たじゃさんもご自身で調べたようですが、黄体機能不全の治療にはクロミッド(R)が使われることが多いのですか。


大島先生:そうですね。黄体機能不全の方の場合は、内服の排卵誘発剤であるクロミッド®や注射を打って卵胞を育てて排卵させていく方法が一般的だと思います。生理の3日目くらいからクロミッド®を飲んで、8~9日目あたりに注射を打って卵胞の経過を見ていくのがいいかもしれません。


担当の先生はクロミッド®を使いたがらないようですが。


大島先生:先生のお考えでは「自力で排卵している人には使わない」ということ。たじゃさんは不妊治療を始めて約4ヵ月が経ち、その前からの経過を考えても自立排卵では妊娠が成立しなかったのですから、排卵誘発剤を使ったほうが妊娠率が良いのは確かなのではないでしょうか。自力で排卵しているといっても中身の卵子まで見ているわけではありませんよね。黄体の状態が悪いのであれば、排卵をしていてもその内容に問題が出てきてしまうことも。そうなると、やはりクロミッド®のような排卵誘発剤をお使いになったほうがいいと思いますね。


副作用も危惧されているようです。


大島先生:担当の先生がおっしゃるように、クロミッド®を1回飲んだだけで子宮内膜が薄くなってしまう方もいますし、何回飲んでも薄くならない方もいます。一般的には長期にわたって服用しない限り、それほどリスクはないのでは。頸管粘液が少なくなるということに関しては、確かにそのようなケースもありますが、人工授精で治療されるなら影響はないと思います。

クロミッド®はもう30、40年ほど使われているスタンダードな排卵誘発剤です。自然周期を誘導してくれるだけのお薬なので、それほど強い刺激ではありません。内服の排卵誘発剤では他にセキソビット®というお薬を使うこともありますが、これには子宮内膜を薄くしたり、頸管粘液を減少させるという副作用はありません。卵巣が腫れやすい方には適していると思いますが、クロミッド®に比べて作用が弱く、逆に注射がたくさん必要になってしまうと思います。

普通の方ならクロミッド®がファーストチョイスに。たじゃさんの場合もこれまでの治療で結果が出ないということなら、クロミッド®を使ってみることをおすすめします。


人工授精の場合でも、排卵誘発剤はしっかり使ったほうがいいのでしょうか。


大島先生:自然排卵でなかなか妊娠されない方の場合、排卵誘発をしないで人工授精をしても妊娠率はゼロに近いのでは。

ご自宅でタイミングをとるなど、1~2年くらいいろいろ試しても妊娠されなかったわけですから、単に人工授精をしたとしても難しいですよね。黄体機能不全ではないとしても、排卵誘発剤を使って排卵を整えて臨んだほうが妊娠率はずっと高いのではないかと思います。


では、こちらのクリニックだったらやはりクロミッド®を使っていくということですか。


大島先生:当院でしたら、1、2回クロミッド®での排卵誘発を試して、それでもダメだったら注射に切り替えて、黄体機能をきちんと整えながら治療をしていくと思います。同じことを繰り返すのではなく、もう少し積極的な治療が必要なのでは。担当医の先生のお考えがちょっと理解できませんが、たじゃさんも疑問を感じていらっしゃるようなら、一度他の施設で相談されてもいいのではないでしょうか。


ご主人には問題がないということですが、人工授精に関してはこのまま続けていってもいいですか?


大島先生:男性側に異常がなくても人工授精をやる意味はあると思います。通常の性交で1回の射精で3億個程度の精子が放出されても、卵管まで到達するのはそのうちの50個から数百個といわれています。人工授精をすれば1000万~3000万個程度のきちんと動いている精子が子宮の中に入るわけですから、効率がいいですよね。当然、妊娠率にも差が出てくると思います。

たじゃさんは人工授精にまだ1回しかトライしていないようですね。34歳以下の方だと、人工授精1、2回で20%程度の生産分娩率(※不妊治療により妊娠して、出産まで至ったものの割合。)が保てます。3、4回で15%程度、5回目になると7~8%程度といわれています。まだまだチャレンジしてみてもいいのでは。ただし早くお子さんを望まれているなら、やはり排卵誘発は必要でしょう。年齢的にお若く、お1人出産経験もありますから、積極的にいけば一般不妊治療でも妊娠される可能性は十分あると思います。



大島 隆史 先生


自治医科大学卒業。1982年、新潟大学医学部産科婦人科学教室入局。産婦人科医として3年間研修後、県内の地域病院の1人医長として4年間勤務。 1992年、新潟大学医学部において医学博士号を授与される。新潟県立がんセンター新潟病院、新潟県立中央病院勤務を経て、1999年、大島クリニックを 開設、院長に就任。不妊治療では良くない結果が出ることも。その時の患者さんの反応もさまざま。そんな時は感情を思い切り出してもらい、先生やスタッフはそれを受け止めるようにしているそうです。






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