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採卵では半数以上が空胞。授精した卵も胚盤胞まで育ちません

コラム 不妊治療

採卵では半数以上が空胞。授精した卵も胚盤胞まで育ちません

「卵子は採れるので年齢的にも諦めるのは早いと言われましたが、心身的にも経済的にも辛くどうしていいかわかりません。」

2014.12.1

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相談者

hachi さん(28歳)


原因不明の不妊で人工授精を3度行うも陰性で、体外受精へ切り替えました。2度挑戦しましたが一度も胚盤胞まで育ちません。最初はアンタゴニスト法で、20個卵胞を刺し11個が空胞、9個をスプリット法で受精させるも最終的に残った2個は桑実胚で停止。次はロング法で、卵子の質を上げようと漢方やサプリも服用しましたが、10個のうち空胞6個で4個を採卵。卵胞は13個見えましたが、子宮裏側にあった左卵巣の3個は採卵しませんでした。採卵した4個のうち2個は受精せず、新鮮胚移植した1個は陰性。残りの1個を培養しましたが4分割で停止しました。卵子は採れるので年齢的にも諦めるのは早いと言われましたが、心身的にも経済的にも辛くどうしていいかわかりません。




-- 卵胞はたくさんあるのに採卵すると空胞が多く、受精した卵も分割が途中で止まってしまうとのことです。


徳岡先生: 排卵誘発して卵がたくさんできるけれど、空胞が多いというケースでよく見られるのが、多嚢胞性卵巣症候群です。hachiさんは、特にそういう診断を受けていないようですし、月経周期もずれていないようなのではっきりとはいえませんが、多嚢胞性卵巣の方に多い症状だと思います。

また、28歳でAMHが2・43ということですが、この値ですと卵巣年齢が38~39歳ということになります。通常、多嚢胞性卵巣ですとAMHも高いのですが、まれにこういう方もいらっしゃいます。多嚢胞性卵巣ではあるけれど、卵巣機能は落ちてきているという状態ではないでしょうか。

当院では多嚢胞性卵巣の方には漢方薬の温経湯(うんけいとう)を処方しています。ほかにも西洋薬のメトグルコ(?)という糖尿治療薬は効果があります。当院でも少し前まで漢方薬と一緒にメトグルコ(?)を使っていたのですが、今は温経湯のみにしています。データを出しているわけではないのですが、これだけでも空胞率はかなり減っているという実感があります。

hachiさんも今飲まれているサプリメントのプレグナベーシック女性用と併用して飲まれたらよいのではないでしょうか。


-- 1度目はアンタゴニスト法、2度目はロング法だったそうですが、誘発方法はどの方法がよいのでしょうか?


徳岡先生: hachiさんはどちらの方法でも移植まではいっておらず、どちらが向いているとはいえないし、どちらもダメだともいえない状態です。多嚢胞性卵巣だとすると、私はアンタゴニスト法が一番いいと思います。ロング法のメリットは、勝手に排卵してしまうことが少なく、計画が立てやすいということですが、注射を多く打たなくてはなりません。アンタゴニスト法はロング法よりは低刺激ですが、この方法も誘発効果は高いですし、実際hachiさんも卵が20個できています。注射を始めてしまえば、どちらもそれほど効果は変わらないと思いますね。大事なのは、そこまでに何をするか。注射を始める前までに、漢方を試してみてほしいと思います。


-- 卵巣年齢が高めだということですが、もっと低刺激な誘発法ということも考えられますか?


徳岡先生: 低刺激にすれば良い卵が育つのかというと、それはわかりません。逆に少ない卵胞数しかできず、それが空胞だったらまた次の周期まで待たなくてはならなくなります。どこまで低刺激にするかということもありますが、アンタゴニスト法でもクロミフェン+注射+アンタゴニストと比較的低刺激な方法はあります。漢方でしっかり整えたうえで、そのくらいの刺激はして1周期に多く採っていくほうがよいのではないでしょうか。


-- 漢方はどれくらいの期間飲めば、効果が出るものでしょうか。


徳岡先生: 早めに飲み始めたほうがいいですが、2カ月間飲めば十分だと思います。当院では多嚢胞性卵巣の方には、採卵まであまり時間のない場合でも飲んでもらうようにしています。採卵前の1ヵ月間飲んでいただくと、あくまでも私の印象ですが、効果が出ている感覚があります。

漢方をしばらく飲んで採卵して、もしそれでも空胞が多いようでしたら、カウフマン療法で卵巣を完全に休めるという方法もあります。ピルを21日間使って生理を一度起こすのですが、それを1~2周期やって、卵巣を休めて元の状態に戻します。そこからあらためてアンタゴニスト法で排卵誘発を始めてみるといいと思います。


-- 体外受精した卵も分割が途中で止まってしまうということです。


徳岡先生: 胚盤胞にいかないから凍結できないということなのですね。新鮮胚移植も陰性だったということですが胚盤胞までいかなくてもDAY2、DAY3で一度凍結して、別の周期に移植したほうが妊娠率は上がると思います。年齢がお若く10個も採卵できたわけですから、エストロゲンの値は上がっています。内膜も影響を受けていますので、その周期に戻してしまうと着床率は悪くなってしまうのです。

一般的には胚盤胞まで育てれば、良い卵だけが残って妊娠率が上がると考えられていますが、逆にそこまで持っていくリスクを報告した論文も出ています。どの段階で戻すかということには、クリニック独自のやり方があります。全例を初期胚で戻すというところもあるくらいですので、胚盤胞にあまりこだわりすぎなくてもよいのではないかと思います。当院でもDAY2、DAY3で戻すこともありますし、DAY4の桑実胚、DAY5の胚盤胞と患者さまによっていろいろな方法を行っています。

hachiさんはまだ28歳ですし、可能性は十分にあります。2回の体外受精で諦めることは全くないと思います。ただしAMHが38歳相当であるということを考えると、あまりゆっくりされずに治療を進められたほうがいいでしょう。




徳岡 晋先生


防衛医科大学校卒業。同校産婦人科学講座入局。自衛隊中央病院産婦人科勤務後、防衛医科大学校医学研究科に入学し、学位(医学博士)取得。2000 年より 木場公園クリニックに勤務。5 年間の勤務を経て2005 年に独立し、とくおかレディースクリニックを開設。A 型・みずがめ座。日の丸を背負ったサッカー日本代表の選手を応援するのが好きだという先生はW杯に続きアジア大会に夢中!ご自身は「6 年先の東京五輪までにフルマラソンを走れるように」を目標に、長距離ウォーキングに励んでいらっしゃいます。




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