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高刺激で注射を多く打ってもほとんど卵が採れません。自然周期でもいいのでは?

コラム 不妊治療

高刺激で注射を多く打ってもほとんど卵が採れません。自然周期でもいいのでは?

高刺激で注射を多く打ってもほとんど卵が採れません。自然周期でもいいのでは?

2014.12.5

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相談者

あかしお さん(34歳)


現在、第1子を妊娠中で、年齢的なこともあり、今から2人目の治療について考えています。3回の体外受精(1回目ショート法、2回目ロング法、3回目ショート法)では、HMG注射を9~14回打ちました。それだけ打っても、AMH値が低いために卵ができないのと、5cmほどの子宮筋腫が邪魔をして針が刺せないとのことで、2個しか採卵できていません。AMH値が低く、いくら注射を打っても卵ができないのなら、低刺激、自然周期で採卵しても結果は変わらないのではないかと考えています。先生はどう思われますか?ご意見をお聞かせください。




-- 次回は、以前メインで行って妊娠もできたショート法に再びトライするのか、それとも卵子の数が採れなかったので低刺激法や自然周期に変えるのか。どんな方法で採卵したらいいのでしょうか。


吉田先生: 以前はショート法で妊娠されましたが、次にトライするとしたら2年後くらいになりますよね。卵巣の状態が1回目の採卵時と同じかどうかわかりません。二人目不妊の患者さんを診ていると、状況が相当変わっている方も多くいらっしゃいます。一人目のお子さんが自然妊娠だった場合でも、時間が経つと女性も男性も妊娠しづらい条件になってしまうことも。ですから、今、「次の卵巣刺激法はこうしよう」と決め込んでしまわないほうがいいのではないでしょうか。


-- 33歳の時に0・26と、もともと卵巣の予備能を示すAMH(抗ミュラー管ホルモン)の値が低い方のようですが。


吉田先生: 前回、注射をたくさん打っても卵子があまり採れなかったというのは、やはり卵巣機能の低下が要因になっている部分もあったのかもしれませんね。

年数が経てばAMHの値がさらに下がってくることが考えられますが、実際には僕はAMHの値よりも、生理の時にみる小さい卵(前胞状卵胞=アントラルフォリクル)の数のほうが重要なのではないかと思っています。

ですから次回は、採卵しようとする周期の生理1~3日目くらいにエコーをみて、前胞状卵胞の数をチェックしてから卵巣刺激法を決められてもいいかと思います。ある程度数が見えるのであれば、1回は高刺激法で攻めてみてもいいかもしれません。


-- 何個くらい見えれば高刺激という選択をされますか?


吉田先生: あかしおさんは子宮筋腫をお持ちということですが、採りやすい側の卵巣に5個以上見えたら高刺激でもいいような気がします。同じ高刺激でも、当院だったらショート法ではなくアンタゴニスト法をご提案しますね。前の周期にピルなどを使わず、何も準備しないアンタゴニスト法です。

また、卵巣刺激法を決める時は、前胞状卵胞の数だけではなく、前胞状卵胞の大きさのバラつきがどの程度あるのかをみることも大切です。大きさがまちまちだと、大きなものだけどんどん成長していってしまうということがありますから。それは「あまり良い周期ではないよ」ということですよね。

高い刺激で試しても卵子が採れなかったり、採れた卵子の状態が良くない場合は、クロミッド(R)やセロフェン(R)、フェマーラ(R)などの経口薬をメインで使う低刺激法ということになるかと思います。患者さんのご意向で、高刺激では副作用や費用が気になるということであれば、最初から低刺激法という選択もあるでしょう。僕は「絶対にこの方法がいい」と固執していません。患者さんお一人おひとり条件が異なるので、少しフラットな考えでいたほうがいいような気がしますね。


-- 採れたとしても、卵子の質は悪いものが多いということになるのでしょうか。


吉田先生: 一般的には、AMHの値が低くなってきた時には卵の数が減り、質も落ちてくると考えられています。しかし、年齢がまだお若い方の場合、数は減っても質は保たれていて、結果が出ていることも。次回の治療時は35、36歳ということなら、あかしおさんも十分期待は持てると思いますね。


-- 子宮筋腫があるために卵子が採りにくい、ということに関してはどう思われますか。


吉田先生: かなり針が刺しにくい位置に子宮筋腫があっても、施設によっては採れる場合もあるかもしれません。ぐっとお腹を押したら採れることもあるでしょう。卵が1つしかなかったら、子宮を針で貫いて採卵するケースも。これは採卵する側の技術というより、その施設がどこまでやるか、やっているかということだと思います。

ただ、子宮筋腫経由で針を刺すことは避けたいですね。おそらく針が曲がってしまうし、気をつけないとすごく出血してしまいます。お腹の中で大量に出血してしまったら、開腹手術をしなければならない場合も。もし2個程度採れているのなら、当院ではそんなに無理はしないと思います。


-- 次の採卵までに子宮筋腫の治療はしなくていいのでしょうか。


吉田先生: 今は妊娠されているから、手術などの処置はできませんよね。赤ちゃんがお腹にいる間、生理は来ないわけですから、出産後は少し小さくなっていると思います。以前よりは採卵しやすい状態になっているのでは。特に子宮筋腫の治療は考えておらず、早く次のお子さんが欲しいということであれば、出産後に生理が来始めたらすぐに不妊治療に入ったほうがいいかもしれません。


-- ということだと「出産後は母乳ではなく人工授乳にする」、もしくは「早めに断乳したほうがいい」などのアドバイスはありますか。


吉田先生: 確かに合理的に考えれば「早く」ということになりますが、早めに断乳をして後悔されたという方もいらっしゃいます。まずは今、健康に出産することに集中し、生まれたらそのお子さんのことを最優先するというふうに考えるべきだと思います。気持ちも変化するかもしれません。お子さんとの幸せな時間を大切にして、その後に次のことを計画されていけばいいのではないでしょうか。




吉田 淳先生


愛媛大学医学部卒業。産婦人科・泌尿器科医。生殖医療専門医・臨床遺伝専門医。東京警察病院産婦人科、池下レディースチャイルドクリニック、東邦大学第一 泌尿器科非常勤講師などを経て、1999年木場公園クリニックを開院。不妊症治療の情報収集のため、アメリカや日本国内の不妊症専門施設の見学・研修を数 多く積んでいる。2014年7月からクリニックの3階に2人目不妊治療専用フロアを開設。お子さんと一緒に持参したお弁当やお菓子などが食べられるイートインコーナーも同時にオープン。周りに気兼ねすることなく、快適に受診できます。




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