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移植周期の生理12日目で内膜が厚くなりすぎて出血。何が原因なのでしょうか?

コラム 不妊治療

移植周期の生理12日目で内膜が厚くなりすぎて出血。何が原因なのでしょうか?

小さい頃から両親が喫煙する環境で育ってきた影響があるのでしょうか。今後転院も考えていますが、移植何回を目安に考えればいいでしょうか。

2015.2.25

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相談者
なからむ さん(31歳)
体外受精で3回目の移植をしようと生理2日目からエストラーナテープ®2枚を貼っていましたが、生理開始12日目で不正出血。子宮内膜が厚くなりすぎたことによる剥離出血との診断でした。ルトラール®を飲んで止血しようとしていますが、3日間出血が止まっていません。剥離出血はどのような原因が考えられますか?
テープが体質に合わないのか、ホルモンバランスの乱れなのか、何か病気なのでしょうか。また、2回目の移植は見た目がより良い胚盤胞を移植しましたが、陰性でした。私は着床障害なのでしょうか。小さい頃から両親が喫煙する環境で育ってきた影響があるのでしょうか。今後転院も考えていますが、移植何回を目安に考えればいいでしょうか。



これまでの治療について、どのようにご覧になられますか?


徳岡先生:なからむさんは特に不妊の原因もなく、タイミング法、人工授精で妊娠に至らず、体外受精に進んだという、一般的なステップアップをしてこられています。ショート法から入り、体外受精で10個受精し、全部分割が進んでいるので、卵巣年齢は悪くないと思います。これだけ受精率も分割率もいいので、なぜ全部を胚盤胞まで持っていかず10分割胚をフレッシュで戻したのかは不明ですね。一般的に新鮮胚を戻すのは、ほかに方法がない場合です。採卵周期の子宮内膜の環境は着床に向かず、妊娠率は、子宮内膜を調整したホルモン補充周期で凍結融解胚を移植するほうが高いからです。受精率や分割の進み方を見ると、培養を続ければ10個中6~7個は胚盤胞になったと思われます。クリニックごとの方針もあるでしょうけれど、31歳という若い方で、ここまでのデータが良ければ全部胚盤胞まで持っていってもよかったのかなと思います。


今回の移植周期での不正出血はなぜ起こったのでしょうか。


徳岡先生:ホルモン補充周期とは、まずエストロゲンを補充し、どこかの時点で排卵後の状態を作り出す黄体ホルモンを補充することで子宮内膜をつくっていく方法です。なからむさんは生理の2日目からエストラーナテープ®を使ってエストロゲン補充をしていたところ、12日目に剥離出血をしてしまったということですね。剥離出血というのがどういうことなのかわからないのですが、一般的には「破綻出血」という言葉があります。破綻出血は、卵胞ホルモンだけで子宮内膜が途中まで育ってきて、排卵がないため黄体ホルモンがつくられず、子宮内膜が保持できなくなり途中ではがれてしまうことで起こります。なからむさんが出血した原因として一番考えられるのは、思ったより早く子宮内膜が育っていってくれたので、黄体ホルモンを追加するタイミングが少し遅れてしまったために破綻出血が起こってしまったのではないかということです。

しかし、通常14~15日目から黄体ホルモンを追加していきますので、それほど遅れていたわけではないと思います。12日目で出血したというのは少し早いと思いますね。出血後プレマリン®に変更したということですが、これはエストラーナテープ®より少し弱いエストロン(E1)製剤です。出血したので、エストロゲンを少し弱めたけれど、それでも止まらないのでルトラール®で黄体ホルモンを補充したということになるのでしょう。


テープが体質に合わなかったのでしょうか。


徳岡先生:エストラーナテープ®が合わないという人はまずいないでしょうし、なからむさんも1周期目はおそらく同じ方法でうまくいったのだと思います。ホルモンの値が書かれていないので断定はできませんが、テープが合わなかったのではなく、やはり黄体ホルモンを追加するタイミングが遅かったのではないでしょうか。プレマリン®からルトラール®に変更したのは、その周期はもうやめましょうということで黄体ホルモンを加えたのだと思います。しかし、完全にやめるならルトラール(R)を使う時に一緒にエストラーナテープ®を10日間使い、ピルを飲んだのと同じ状態にして子宮内膜を剥離してあげないと、しっかりリセットされないのではないかという心配があります。


前回は条件が良い胚盤胞を戻しても着床しなかったので、着床障害の心配をしていらっしゃいます。


徳岡先生:先日の日本生殖医学会でも卵子の染色体異常率についての報告があったのですが、30代で約5割、40代で6~7割の卵子が染色体異常を持っているそうです。検査は胚が8分割くらいの時に1個の細胞を取り出して調べるのですが、異常が見つかった胚の残りの7個の細胞を調べたら、4個は正常で3個は異常というものがあったそうです。一つの胚の中でも正常な細胞と異常な細胞が混在しているということもたくさんあるということなんですね。ですので、着床がうまくいかなかった場合も、着床障害というよりは、まず受精卵が原因だと考えるのが自然だと思います。胚はあと8個残っているわけですから、いい子宮内膜をつくってあげればうまくいくのではないでしょうか。


幼少期の両親の喫煙の影響は何かあるのでしょうか。


徳岡先生:喫煙による影響は、卵子の予備能の減少だといわれています。採れた卵子の染色体異常を増やすというデータはありません。なからむさんの場合卵子はしっかり採れていますので、喫煙の影響はないと考えていただいていいと思います。


転院をする場合、移植何回を目安に考えたらいいですか、ということですが。


徳岡先生:せっかく受精卵が凍結されているわけですから、少なくとも2回は今のところで移植されたほうがいいと思います。胚盤胞のグレードがよいのだったら胚盤胞を2回、6分割、4分割の方がいいと判断した場合は、胚盤胞と分割期胚のいいものを戻す。それで妊娠の可能性は十分にあると思います。もし それでうまくいけば、残っているあとの5個でもう一人ということもあり得ると思いますよ。気を落とさずに頑張ってほしいと思います。


出典:女性のための健康生活マガジン jineko vol.25 2015 Spring
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徳岡 晋先生


防衛医科大学校卒業。同校産婦人科学講座入局。自衛隊中央病院産婦人科勤務後、防衛医科大学校医学研究科に入学し、学位(医学博士)取得。2005年、とくおかレディースクリニックを開設。A型・みずがめ座。今先生が心がけている健康維持法は早寝早起きすること。「免疫を安定させるメラトニンはがんや認知症を予防するのに大切なホルモンで、22:00~3:00の間に脳の松果体から分泌されます。妊娠したい人にとっても早寝早起きは大切。12時前には寝るようにしてくださいね」






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