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卵子提供について考える(1)

コラム 不妊治療

卵子提供について考える(1)

卵子提供について考える(1)

2015.3.25

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卵子提供による不妊治療、法律で容認すべき?


日本では体外受精やその関連技術に関する法規制がなく、日本産科婦人科学会では、法律上の夫婦以外の卵子を使っての体外受精を認めておりません。そのため、卵子の老化による不妊が深刻化する中、卵子提供を求めて海外に渡航する夫婦が増えています。生殖医療の法整備は急務ですが、賛否両論ありまだまだ時間がかかりそうです。
そこでジネコ編集部では、ジネコ読者の卵子提供に対する考えを把握すべく、アンケートを実施。その結果をレポートいたします。


95%が法律で卵子提供を容認、または限定的に容認すべき


ジネコアンケートでは、回答者の17%が法律で卵子提供を全面的に容認すべき、78%が限定的に容認すべきという意見でした。(※グラフ1)

どのようなケースで卵子提供による治療を容認すべきか聞いたところ、病気や抗がん剤治療によって卵巣機能が低下した場合は容認すべきとの意見が多数だったのに対し、年齢的な要因の場合は意見の分かれる結果となりました。(※グラフ2)

年齢階層別に見ると、40歳以上の方は高齢による要因であっても卵子提供を容認すべきという方の比率が増えています。(※グラフ3)

・ジネコ会員へのメールによるWEBアンケート
・回答数 205名(全て女性)
・実地日:2015年3月13日〜3月26日
(アンケートに答えていただいた方の90%は不妊治療経験者、平均年齢38歳)




容認すべき(どのような場合も認める)と答えた人の声



卵子提供は海外だから危険だと聞いたことがある。日本でも可能になればより安心できるのではないかと思う。(むまふさん・30歳)




子供が欲しいのに治療してもなかなか授かれず、高額治療の為諦めなくてはいけない現状。なぜここまで苦しまなくていけないのでしょうか。(匿名・43歳)




私は、そろそろ決断の時期に来ています。このつらさを誰が、消し去ってくれるでしょうか?乗り越えるまでが、大変です。今も苦しいです。少しでも、希望がほしいです。卵子提供が少しでも広く認知されて、治療が受けられる日が来るとしたら、少子化もなくなり、もっと未来は明るいと思います。(nonさん・41歳)




日本では認められていない治療だけに難しいとは思いますが、現在の卵子提供事情など、わかりやすい資料やHPなどあればうれしいです。(匿名・44歳)




卵子提供に関する正しい情報をもっと広げるべき。(カメさん・30歳)




卵子、精子は老化するということを、学校教育でしっかり指導するべき。(三毛猫さん・46歳)



限定的に容認(医学的に妊娠の方法がない夫婦に限り認める)と答えた人の声



理想としては限定的に認められればと思うが、実際にその線引きは難しいのではないだろうか。卵子提供を現実的に行っていくことに対して多くの人の理解を得るためには、リスクやマイナス面も含めて、もう少し慎重に多くの世代に議論させるべきだと思う。(チャロさん・25歳)




海外渡航で卵子提供を受ける人がいる現状を踏まえれば、日本の法律で認めて行えるようにした方が安全と思う。健康な卵子をもらえるものならもらいたい。ぜひ法律で認めてほしい。(匿名・36歳)




正直、自分が早発閉経でなかったら、卵子提供自体、自分に身近なことではありません。その立場だったら、反対だったと思います。ただ、誰の卵子であっても育て方次第でどうにでも…という考えは甘いと思います。生まれつき、先天性の特性があり、それは育て方の良い悪いでどうにもならない部分もあるからです。卵子提供を受けるということは、そういうことも受け入れて生むという覚悟が必要なことであり、たやすく選んでよい選択肢ではないと思います。(とーりゅさん・40歳)




卵子提供に限らず、不妊治療により、自然で妊娠できなかった人も生むことができる時代になったので、出自も色々あっても良いと思う。それも個性だといえる時代になってほしい(midoさん・38歳)




顕微受精を経て妊娠し出産しました。そしてその子を乳幼児突然死症候群で亡くしました。ここまでしても、最後は命というものは神の領域であって、人間が科学の力で超えようとしてはいけないのではないかと思うようになりました。自然淘汰にまさる選別方法はないように思うのです。流産手術もしました。辛かった。育たない命を無理やり体の外で育て、結果、流産する。命ってなんだ、と悩み抜きました。(ソーニャさん・40歳)




不妊治療中は、本当に精神的に大変でした。なかなか人には言えず、治療のため、会社を休んだりしなければならなかったので…。高齢出産になってしまった自分に責任があるという思いもあるのですが、若い頃は仕事にやりがいを感じ、子どもを持つ事など考えてもいませんでした。仕事が面白くなり始める30歳前後の女性は、同じように感じている人が多いのではないでしょうか。そういう女性には、仕事は年をとってもできるけど、子どもが生めるのは期間が限られるということを強く言いたいです。(rinrinさん・42歳)




日本はほぼ単一民族で島国な為か、血縁関係のこだわりが強い社会だと思うが、これから人口減少が確実な中で、移民の受け入れ等と同じく卵子提供などの問題も国が検討すべき課題だと思う。ジネコのような団体が積極的に活動して、社会の意識が変化することを願っています。(アリーさん・34歳)




女性なら子どもが埋めて当たり前のように思う方もたくさんいると思いますが、そうじゃないです。そうじゃないんだということを多くの人に知ってほしいと思います。赤ちゃんができることは本当に素晴らしいことです。多様な選択ができるようになることを願います。(みゆきちさん・23歳)




たとえ他人の遺伝子でも、やはり本能でもある産み育てたい気持ちを簡単に捨てる事は難しいだろうと思う。女としては法整備して欲しい。でも、子供の立場だとしたら可能であって欲しくは無い…かな。(凛さん・30歳)




漠然と卵子提供について考えたのみなので、まだよく分からないが、不妊治療を長年続けた夫婦が、夫の遺伝子だけでも残したいと卵子提供を選択する気持ちは分かる。その選択をした人について批判する気持ちはない。しかし、自分に当てはめた時に、自分と血のつながらない子供が胎内に宿ることに違和感を感じるかもしれないと思う。でもやはり、出産育児をしたいという気持ちは強いので、最終的にいつか卵子提供を調べるかもしれないと思う。(匿名・39歳)




産まれたてくる子供達の立場も考えないとですね。(三日月さん・39歳)




わたしは悩まず、一人目を出産しましたが、妊娠後期で夫から「実は精子の運動率がすごく低くて、子供はできないと思ってた」と言われました。わたし自身もこういったことを知ることはとても大切なことなのかと思います。(べえさん・27歳)




自分の旦那が他人の卵子と受精する事を考えたとき、自分のお腹で育てても自分の遺伝子ではない。それでもいいから私は希望したいが、旦那は2人の子でないなら要らないといっている。(まつさん・39歳)




卵子提供は、調べてもなかなか金額が書いていません。また、血液型や容姿など、提供者の情報がどれくらい教えてもらえるのかがわかりません。また、そのエージェントの信頼度がわからず、足を踏み出せません。ジネコや赤ちゃんが欲しいなど雑誌など公平な立場で、エージェントの比較や海外のホテルや病院などの施設情報があると、検討しやすいと思います。(うっちーさん・44歳)




本当に子供を授かりたいと思う夫婦のみが精一杯考えた結果なら卵子提供も必要ではないかと思う。(マサンさん・39歳)




クリニックの不妊治療や体外受精の説明会で、淡々と事務的に卵子提供やそのための渡航について説明されていたことにびっくりした。現在、基本的には、自分の卵子以外の妊娠出産は考えられないので、このまま不妊治療を続けて、妊娠出産を目指したい。年齢を重ねていくので、今後が不安だが、自分自身の健康に気をつけていつまでも若く元気で過ごせるように心がけている。さらなる生殖医療の進歩を願っています。(れいこさん・45歳)




1)母体が妊娠・出産に耐えられる。2)夫婦が生まれた子供を成人になるまで一般的な環境で養育できる。3)子どもの「出自を知る権利」が保障される。以上三点がクリアできるのであれば、背景云々は別として容認しても良いと思います。(reiさん・48歳)




望まない妊娠で生まれ不幸になる子どもがいて、望むんでも授かることができない夫婦がいる、世の中の矛盾に日本の未来が暗くなる…と感じることがあります。産まれてくる子どもが幸せになる国であって欲しいです。(匿名・42歳)




卵子を提供したとしても、受精卵になるかどうかも分かりませんからね…(はるさん・42歳)




子どもを授かり、産みたいと思う気持ちは否定することは出来ないし、その気持ちはとても大切だと思うが、医療技術の発達によって自然の摂理を超えてしまうことには抵抗がある。
例えば、お妾さんに産ませた子を育てると言うことはこれまでもあったと思うが、それは産まれた子どもは誰の子かはっきりと分かっている。しかし、誰から提供されたのか不明な卵子(や精子)で生まれた子どもの出自を知る権利がないがしろにされてしまうなら、それは親自身の産みたいというエゴイズムだけになってしまうと思う。
卵子提供でも妊娠出産は100%成功するわけではないし、母体へのリスクもあるということを周知すること、非配偶者間の卵子提供により産まれてきた子どもの心と身体の健やかな成長を守れるルール作りが成されること、子育てすることに悩みは付き物なので両親と子の精神的なケアや一生悩みを背負う覚悟についても熟考されるべきで、安易に技術だけを利用すべきではないと思う。
私は体外受精の治療をするだけでもかなり大変だったのでそのように考えます。(suiさん・36歳)



前面禁止と答えた人の声



もしも卵子提供や精子提供で生まれた子には、絶対に口が裂けても教えてはならないと思う。教えると言う事は自分の中で消化しきれていないから。全て自分の中でデリートされていたら、自分の子であるとしか思えないはずなので、そんな事は忘れるくらい本気でないならするべきではない。子どもはペットじゃない。その子の人生においてすべての責任を背負う覚悟があるのか。病気では生まれたら受け入れられないから、着床前診断、新型出生前検査をして、NGなら捨てるようなお人形さん感覚で、子どもを産み育てる資格があるとは思えない。ムリ!!!(五児ママさん・44歳)



法律で定めず、現状維持(学会でのガイドラインのみ)と答えた人の声



自分としては、自分の子供でないなら、子供は必要ないと思っています。親のエゴに過ぎない…生命を道具にするような気がする。そんな権利が人間にあるのかと思ってしまう。自分の欲求を満たすためなら子供に申し訳ないと思う。ただ人それぞれなので、どうしても跡取りが必要なら、せめて自分のお腹を痛めた子でだんなの遺伝子を持っている方が良いと思う。そう思う反面、産まれてしまった命を助け養子縁組した方が良いのかもしれないとも思います。(みぴーさん・42歳)




43歳で妊娠44歳でシングルマザーで出産しました。若い頃から全く子供に興味なく過ごし 、アクシデント的な出産でしたが、今は子供がいてくれて良かったです。欧米のいうに血の繋がりばかりこだわるのでなく、子供が欲しい人達には子供を育てて欲しい。(あんさん・47歳)




その後を負うのは難しいけれど、もっと考える場所があればいいと思う(みぐさん・42歳)



卵子提供について考える(2) はこちら
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出典:女性のための健康生活マガジン jineko vol.26 2015 Summer
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