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1人目の時の受精卵か転院先で採卵するか、迷っています

コラム 不妊治療

1人目の時の受精卵か転院先で採卵するか、迷っています

特集|2人目の不妊治療

2015.4.30

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特集|2人目の不妊治療


1人目の時の受精卵か転院先で採卵するか、迷っています



相談者:ともりんさん(40歳)


1人目の時に地元病院で7回も体外受精したのに授からず、有名病院に転院したところすぐに授かり40歳で出産しました。地元病院でなぜダメだったか、考えられるのは、年齢と治療方法、あとは先生の腕が関係しているのでしょうか。地元病院は高刺激、転院先の有名病院は低刺激を行うクリニックです。転院前の地元病院には現在、凍結受精卵が2つあり、それは39歳の時の卵です。2人目不妊治療に際して、地元病院の卵を迎えに行くべきか、有名病院で一から採卵を行うべきか、迷っています。また、経産婦は妊娠しやすいと聞きますが、そうでしょうか?




地元病院と有名病院どちらがいいの?


浅田先生:地元病院か有名病院か、その選択の前にまず、妊娠するためには、いろいろな要素があることを知ってほしいと思います。たとえば、体外受精は体の外で受精卵をつくりますから、そこまでがうまくできていなければ話は別ですが、良い受精卵ができていたとしても、遺伝子の組み合わせによってその受精卵が育つか育たないかは大きく変わってきます。データ上、30代前半で1人の赤ちゃんを産むためには、卵子が平均25個いると言われていますが、我々が現場で実際に感じるのは、同じ年齢でも妊娠のしやすさは桁違いだということです。たとえば1個の受精卵ですぐ産める人もいれば、5個に1個で妊娠できるカップル、50個に1個で、500個に1個で…と、それくらい差があります。さらに500個に1個の場合も、赤ちゃんまで育つ1個というのが1個目なのか500個目にくるのかによって結果はまったく違います。要するに、同じカップルの受精卵でも遺伝子の組み合わせで何個かに1個は赤ちゃんにまでいけるはず、という発想と同時に、同じ年齢でも子宮に戻してから赤ちゃんまで育つ
率には違いがあるということなのです。ともりんさんの場合も、地元病院で何十個か採った中の受精卵では赤ちゃんまでいけず、転院先ではすぐ妊娠できたとのことですが、次も同じところで同じようにすぐ妊娠できるかといったら確実ではありませ
ん。それは、ごくたまたまそうなったという偶然の要素が高いのです。ただ、7回の体外受精というのは確かに多すぎます。そこで思うのは、地元病院が体外受精専門病院かどうかということです。たとえば、お産やがんなど他の治療と同じ感覚で体外受精を行っていて、検査技師が胚※培養士(エンブリオロジスト)を兼ねているような状況だとしたら、やはり不妊専門のクリニックとは治療法も実力も大きな差があることは否めません。 地元病院、有名病院というよりも、まず不妊に特化したところかどうか、また、有名といっても何をもって有名なのか。コマーシャルや自分が妊娠できたことなどは、実際の実力には反映しません。どんな先生がどれくらいのスタッフでやっているか、そういった点にも目を向けながら考えてほしいと思います。


高刺激と低刺激ではどちらが妊娠しやすい?


浅田先生:高刺激というか普通の調節卵巣刺激法というのは、卵がたくさん採れる分、妊娠率は上がります。1個よりも5個採れたほうが、本来5倍の確率になるわけです。ただ、注射を打って刺激していくことでホルモンが大きく変動し、着床の条件が悪くなる場合もあります。高刺激の地元病院でダメだったともりんさんが、たとえば、注射を打つことで黄体ホルモンが早めに出てくるような体質だったとしたら、それは
着床の条件が悪くてダメだったということも考えられます。しかし、受精卵をいったん、凍結してホルモンを調整し、着床条件を整えてから戻せば、そういった問題は解決できます。当院では全例そのようにしています。そう考えると、やはり受精卵を数つくることができる高刺激のほうが、格段に採卵率あたりの妊娠率は高いと言えます。


凍結受精卵を選ぶか新しく採卵するべきか?


浅田先生:同じ条件できちんと凍結されているのであれば、まず39歳の受精卵を戻すべきだと思います。その後に41歳の卵を採る場合には前とは条件が変わってきていますので、どういう卵子の採れ方をするか、受精卵もどうなるか、わかりません。やはり2年の差は大きいと思います。凍結受精卵を移送する場合、クリニックが変わっても凍結と融解時のやり方に問題がないことを確認する必要があります。今はビトリフィケーションというガ※ラス化法で行っていることがほとんどですので、同じようなキットで行っていれば同じ方法でできます。何年か前に凍結したものは凍結方法や融解する薬液が変わっている可能性もありますが、当院でいうと、古い融解剤を使わずとも新しい融解方法で成績が良かったことを確認して以来、すべて新しい融解剤で行っています。胚移植の際も、当院ではホルモン療法を行いますが、戻すプロトコルもそれぞれの流儀があります。まずは、自分が受診するクリニックがそういうことを受け入れてくれるかどうか、クリニックを変わってもラボ同士が技術的にOKかどうかをドクターに確認してみてください。


経産婦は妊娠しやすい?


浅田先生:妊娠・出産したことによって良い影響が出るとしたら子宮内膜症の人くらいではないでしょうか。ただ、もともと2、3㎜ほどの子宮動脈がお産の頃には1㎝ほどまで太くなり、静脈もものすごく血流が良くなります。それがいったん、縮んだとしても、初産時よりは子宮も卵巣も血流が良くなっている可能性はありますよね。その分、1度目よりも2度目のほうが状態はいいかもしれません。ただ、体外受精までしている人というのは、それ以外のところに原因があることが多く、子宮内膜症や血流が良くなるという恩恵がどれほど関与するかというと、あまり期待できないかもしれません。それよりも年齢が高くなる不利の要因のほうが強いのではないでしょうか。



Column ―コラム―



Q:クリニック選びで大切なことは?


①不妊専門かどうか?
体外受精を専門的に行っているクリニックかどうか、専任の胚培養士がいるか、ラボの規模は?など不妊治療に特化した技術やスタッフ、施設の有無をチェック!
②なぜ有名なのかを見極める
クリニックのコマーシャルと実際の妊娠の可能性は別。本当に腕のいいドクターのところには妊娠しにくい患者さんが集まる分、あまりに飛び抜けて高い妊娠率はありえません。
③質問にきちんと答えてくれる?
ドクターが信頼できるかどうかは、疑問点などを気軽に質問でき、きちんと答えてくれることも目安。具体的に答えてくれるドクターほど信頼できるでしょう。


Q:39歳と41歳、卵の質に差はある?


女性の卵子とは実年齢と一緒に年を取り、しかも年齢とともにどんどん減少するものです。また妊娠する力(妊孕性)も年齢と相関して年々衰えていきます。つまり年を取れば取るほど、卵子の質も数も妊娠率も低下していくのです。特に30代後半~40代前半は本来、妊娠できる限界期。不妊治療も時間との勝負になりますから、39歳と41歳の卵であれば、断然39歳の卵のほうが質的にも有利と言えます。







浅田レディースクリニック 浅田 義正先生

名古屋大学医学部卒業。1993年、米国初の体外受精専門施設に留学し、主に顕微授精を研究。帰国後、日本初の精巣精子を用いた顕微授精による妊娠例を報告。2004年、浅田レディースクリニック開院。2006年、生殖医療専門医認定。2010年、浅田レディース名古屋駅前クリニック開院。

≫ 浅田レディースクリニック




 




出典:女性のための健康生活マガジン jineko vol.26 2015 Summer
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