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ここが知りたい!「無痛分娩」

インタビュー 妊娠・出産

ここが知りたい!「無痛分娩」

2017Webコラム

2017.7.27

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ここが知りたい!「無痛分娩」




2017/7/27 大塩 達弥先生(おおしおウィメンズクリニック 院長)






痛みを取り、穏やかな気持ちでお産ができる「無痛分娩」


無痛分娩は、腰椎のL3-4間の硬膜外腔にカテーテル(硬膜外カテーテル)を挿入し、麻酔で痛みを取りのぞいて分娩を行います。このため、痛みは感じません。陣痛の波に合わせて、いきむ事ができます。当院では、妊婦さんの要望に合わせ、あらかじめご主人が立ち会えるスケジュールに日を合わせて分娩をする「計画無痛分娩」も行いますが、リスクを伴うケースもあるため、基本的にはすすめていません。ほとんどは自然に陣痛が来るのを待ち、痛みを感じたらすぐにカテーテルを挿入する方法をとっています。こちらの方がより安全で、お産がスムーズに進むからです。カテーテルを挿入すると痛みは10分ぐらいで取れて、お産が進んでいきます。痛みを感じない分、妊婦さんはとても冷静になり、赤ちゃんの頭の位置が今どこにあるかが把握でき、だんだん下りてくる感覚がわかります。痛みがなくても意識ははっきりしているので、お産を楽しんでいらっしゃる方が多いです。

 



「無痛分娩」のメリット・リスク


痛みを伴わない無痛分娩のメリットは、先に話した通り、お産を冷静に楽しめることにあります。よく第一子を自然分娩で出産して、二人目は無痛を選択する人がいるのですが「こんなに痛くないなんて! お産が楽しめた!」と驚かれています。また、自然分娩は体力を消耗しますが、無痛分娩は体力を消耗しない分、母体の回復が早く、お産の翌日から赤ちゃんのケアを十分にできるという利点もあります。分娩時に痛みを感じない分、お産の後にくる「後陣痛」に痛みを感じる方がいます。

無痛分娩のリスクとしては、硬膜外腔の先にある脊髄腔に硬膜外カテーテルが入ってしまうケースがあります。この状態のままお産を進めないよう、麻酔薬をカテーテルに注入する前に位置確認をします。カテーテルからせき髄液が出てこないことを確認し、カテーテルの位置を把握してから麻酔薬を使います。それでもごくまれにカテーテルが入ってしまう時があることが報告されています。この場合は、麻酔科専門医、産科麻酔医が常駐している当院ではすみやかに対応可能です。

 



高齢の人、痛みに敏感な人におすすめ


10年前は当院での分娩のうち10%ほどだった無痛分娩ですが、最近では年間約400に及ぶ分娩の約50%は無痛分娩です。それだけ無痛分娩を選択する方が増えてきています。

無痛分娩を選ぶ方に多いのは、高齢で体力を温存しておきたいという方です。このなかには体外受精を経験された方も少なくありません。また、痛みの感じ方は本当に人それぞれなので、ちょっとした痛みにも弱い、と思っている方も選択されます。

ただ、もともと子宮筋腫を持っていて、筋腫が大きくなっているケース、胎盤の位置が悪いケース、また途中で赤ちゃんが逆子だとわかった場合などには無痛分娩ができないこともあります。

 



“お産は楽しくあるべき”。だから無痛分娩がおすすめ


特に日本では、「お腹を痛めてこそ母親になれる」という考え方もまだあり、それはそれで間違いではないと思います。実際、そこで迷って無痛分娩を躊躇される方もいます。私はそういった方に無理強いはせず、どちらも選択できるように用意します。ただ、せっかくのお産は、楽しくあるべき、家族にも出産シーンをオープンにして、ママにはニコッと笑いながら分娩を楽しんでほしいと思います。人生の一大イベントのお産に、無痛分娩と言う選択肢を加えてみてはいかがでしょう。

 



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お話を伺った先生のご紹介





大塩 達弥先生(おおしおウィメンズクリニック 院長)


日本大学医学部卒業 横須賀市立市民病院産婦人科、川口市立市民病院、関東逓信病院産婦人科、セントマーガレット病院産婦人科部長を経て、平成9年おおしおウィメンズクリニックを開設。クリニックは産科、婦人科だけでなく、不妊外来、胎児ドック、ピル外来、産後の美容・エステなど、女性をトータルでサポートしてくれる。日本産科婦人科学会専門医、日本母性衛生学会会員 母体保護法指定医 日本受精着床学会評議員 日本不妊学会会員。ほか、日本大学医学部産婦人科兼任
講師としても活躍中。


≫ おおしおウィメンズクリニック


 




 


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