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黒いのは「瘀血」だから? 体を温めても冷え性が改善しない
相談者 夏みかん さん(29歳) 【不妊の原因:男性不妊】 ○胃腸が弱い ○めまいや立ちくらみがよくある ○朝、起きることができない ○目がかすんだり疲れる ○冷え性である ○寝不足の日が多い ○月経前になると乳房や下腹部が張る ○寒がりである ○下痢と便秘を繰り返す 血不足からおきている「瘀血」状態 お灸は「気血」を補うのに最適な治療方法 舌の裏の血管が黒くて浮き出ているようですが、東洋 医学の舌診では「舌下脈絡」といって、典型的な「瘀血」 症状のひとつといわれています。これ以外にも、舌面上 に青紫色の斑点が見られる状態や、舌が紫色や青色に なっている状態は、「瘀血」の症状になります。 「瘀血」 の症状は舌の裏の血管だけで判断せず いろいろな自覚症、他覚症状を総合して判断する 日によってあるいは一日のうちで舌の裏の血管が変化 するようですが、それは舌の状態に限らず、たとえば脈 状もそうですし、おなかの硬さなども、その時々の体の 状態、周囲の環境からの影響などによって変化します。 ただし、「瘀血」の症状は舌の裏の血管だけで判断は しません。舌のほかに脈の状態、おなかの状態、女性の 場合は月経の症状など、いろいろな自覚症状や他覚症 状などを総合して判断していきます。 「瘀血」の原因にはさまざまなものがあります。夏み かんさんの体質をみますと、胃腸が弱いようですし、目 のかすみやめまい立ちくらみがよくあるようなので、「気 血」が不足していることがうかがえます。 体を温めることに加えて 気血 を増やすような生活改善をする必要がある 「気血」が不足していると、体を温める力が不足する ので、冷えやすい体になります。また、「気」は血液循環 を促す働きもあるので、「気」が不足することは血液循環 が悪くなり、手足の末端までしっかり血液が送られない ため、結果的に「瘀血」になる可能性が高いといえます。 日常的に体を温めたり、冷たいものを摂らないように 気を付けるのはとても大切ですが、体を温めることだけ ではなく、もともと「気血」が不足している体質ですので、 体を温めることに加えて「気血」を増やすような生活改 善をする必要があるでしょう。 睡眠中は「気」を養う時間でもありますので、しっかり睡 眠をとるように心がけたり、胃腸が弱いので、暴飲暴食は せず、腹八分目で消化の良いものを摂るようにしましょう。 お灸は「気血」を補うには最適の治療方法ですので、 できれば自宅で毎日お灸をされることをおすすめしま す。胃腸の調子を整える「足三里」「天枢」、「気血」を 補う「関元」「血海」、生殖機能を整える「腎兪」「三陰交」 などの経穴にお灸をしてみましょう。 男性不妊が原因とのことですので、ご主人にもお灸を してあげてみてください。 神薗 克也先生 芝浦工業大学工学部卒、日本鍼灸理療専門学校卒、鍼灸師、医薬品登録販売者。不妊鍼灸ネットワーク会員。2004年翠明館治療室を開設。2009年より漢方専門薬店を併設。不妊症や月経不順、PMSなど婦人科疾患を中心に、鍼灸と漢方を用い て、体の内外より総合的に治療を行って いる。 相談者 夏みかん さん(29歳) 【不妊の原因:男性不妊】 ○胃腸が弱い ○めまいや立ちくらみがよくある ○朝、起きることができない ○目がかすんだり疲れる ○冷え性である ○寝不足の日が多い ○月経前になると乳房や下腹部が張る ○寒がりである ○下痢と便秘を繰り返す 血不足からおきている「瘀血」状態 お灸は「気血」を補うのに最適な治療方法 舌の裏の血管が黒くて浮き出ているようですが、東洋 医学の舌診では「舌下脈絡」といって、典型的な「瘀血」 症状のひとつといわれています。これ以外にも、舌面上 に青紫色の斑点が見られる状態や、舌が紫色や青色に なっている状態は、「瘀血」の症状になります。 「瘀血」 の症状は舌の裏の血管だけで判断せず いろいろな自覚症、他覚症状を総合して判断する 日によってあるいは一日のうちで舌の裏の血管が変化 するようですが、それは舌の状態に限らず、たとえば脈 状もそうですし、おなかの硬さなども、その時々の体の 状態、周囲の環境からの影響などによって変化します。 ただし、「瘀血」の症状は舌の裏の血管だけで判断は しません。舌のほかに脈の状態、おなかの状態、女性の 場合は月経の症状など、いろいろな自覚症状や他覚症 状などを総合して判断していきます。 「瘀血」の原因にはさまざまなものがあります。夏み かんさんの体質をみますと、胃腸が弱いようですし、目 のかすみやめまい立ちくらみがよくあるようなので、「気 血」が不足していることがうかがえます。 体を温めることに加えて 気血 を増やすような生活改善をする必要がある 「気血」が不足していると、体を温める力が不足する ので、冷えやすい体になります。また、「気」は血液循環 を促す働きもあるので、「気」が不足することは血液循環 が悪くなり、手足の末端までしっかり血液が送られない ため、結果的に「瘀血」になる可能性が高いといえます。 日常的に体を温めたり、冷たいものを摂らないように 気を付けるのはとても大切ですが、体を温めることだけ ではなく、もともと「気血」が不足している体質ですので、 体を温めることに加えて「気血」を増やすような生活改 善をする必要があるでしょう。 睡眠中は「気」を養う時間でもありますので、しっかり睡 眠をとるように心がけたり、胃腸が弱いので、暴飲暴食は せず、腹八分目で消化の良いものを摂るようにしましょう。 お灸は「気血」を補うには最適の治療方法ですので、 できれば自宅で毎日お灸をされることをおすすめしま す。胃腸の調子を整える「足三里」「天枢」、「気血」を 補う「関元」「血海」、生殖機能を整える「腎兪」「三陰交」 などの経穴にお灸をしてみましょう。 男性不妊が原因とのことですので、ご主人にもお灸を してあげてみてください。 神薗 克也先生 芝浦工業大学工学部卒、日本鍼灸理療専門学校卒、鍼灸師、医薬品登録販売者。不妊鍼灸ネットワーク会員。2004年翠明館治療室を開設。2009年より漢方専門薬店を併設。不妊症や月経不順、PMSなど婦人科疾患を中心に、鍼灸と漢方を用い て、体の内外より総合的に治療を行って いる。
2015.4.2
コラム 漢方・鍼灸
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食事や漢方などで卵の質を良くできる?基礎体温が高温期と低温期に分かれない原因と改善方法は?
相談者 ももじ さん(44歳) 【不妊の原因:よい卵が採れない】 ○冷え性である ○月経が乱れやすい ○ため息をよくつく ○月経前になると乳房や下腹部が張る ○ゲップやおならが出やすい ○イライラをため込みやすい ○抜け毛や白髪が多くなってきた ○顔にシミやクマが出やすい ○肩こりや頭痛が慢性的にある ○肌が乾燥しやすい ○のどが乾きやすい ○寝不足の日が多い ○寒がりである ○手足がいつも冷たい ○いつも眠い 和食、粗食、少食で卵の質を上げて早寝早起きで本来の基礎体温に戻す 卵の質を良くするために、20年前から子宝相談の方にすすめているのが、毎日の食事を和食、粗食、少食にすることです。素直に実践される方は漢方の効き目も早く、今までに927組のご夫婦からお喜びの報告をいただいています。 カロリー制限をしたときに働く「長寿遺伝子(サーチュイン)」が、新しい高効率のミトコンドリアを活発につくり、細胞の老化の予防に役立っているという報告があります。油物や甘いもの、お肉類をよく食べる、食べ過ぎるなどの傾向がある人は、この和食・粗食・少食の実践と、月経のリズムを整える目的で、新月と満月の日に軽い断食をしてみてはいかがでしょう。 腎の働きを補う貝類や海藻、小魚などミネラルが豊富な黒いものを毎日食べるようにする 東洋医学では、卵の質を良くするために生殖器と関連の深い「腎」の働きを補います。貝類や海藻、小魚などミネラルの豊富な黒いものを毎日食べましょう。いりこやあごなどの小魚で出汁を取ったみそ汁に、わかめなどの海藻やしじみ、あさりなどの具を入れるのがおすすめ。 漢方では、卵の質を良くする手助けとして、体質に合わせた動物性生薬の入った漢方をよく使います。さらに、冷えや胃腸の調子、血行やホルモンのバランスを改善していく漢方薬を飲むといいでしょう。 早寝早起きをすることと、できるだけ同じ時間に同じ行動をとる生活リズムで基礎体温を整える 次に、基礎体温がきちんと二相性に分かれない原因ですが、高温期というのは1日のなかで太陽が出ている昼間の時間に相当し、起きているときに優位に働く交感神経が中心に働きます。低温期は太陽が沈んでいる夜の時間に相当し、寝ているときに優位に働く副交感神経が深く関わってきます。 寝不足の日が続くと、副交感神経がゆっくり休めず、ストレスがたまりイライラしやすくなるので交感神経が緊張します。それで本来の二相性に分かれた基礎体温になりにくいのかもしれません。この状態が続くときには排卵が行われていないことが多く、脳下垂体の働きがうまくいっていない場合があります。そんなときは、その人に合ったホルモンバランスを整える漢方を選んで排卵を助けていきます。 まず、自分で気をつけることは、早寝早起きをすることと、できるだけ同じ時間に同じ行動をとるリズムある生活を心がけることです。 金丸 幸市先生 子宝相談ひとすじ、不妊専門相談を始めて21年目を迎える。母親が3度の流産の末に漢方相談薬局に相談し、漢方を続けたおかげで自身が誕生。今の仕事を天職だと思い取り組んでいる。毎日更新し続けているブログは「子宝ひとすじ」を検索。宮崎ケーブルテレビ「五時生テレビ」に4年間生出演。11年間継続して「おもしろラジオ」に出演している。 相談者 ももじ さん(44歳) 【不妊の原因:よい卵が採れない】 ○冷え性である ○月経が乱れやすい ○ため息をよくつく ○月経前になると乳房や下腹部が張る ○ゲップやおならが出やすい ○イライラをため込みやすい ○抜け毛や白髪が多くなってきた ○顔にシミやクマが出やすい ○肩こりや頭痛が慢性的にある ○肌が乾燥しやすい ○のどが乾きやすい ○寝不足の日が多い ○寒がりである ○手足がいつも冷たい ○いつも眠い 和食、粗食、少食で卵の質を上げて早寝早起きで本来の基礎体温に戻す 卵の質を良くするために、20年前から子宝相談の方にすすめているのが、毎日の食事を和食、粗食、少食にすることです。素直に実践される方は漢方の効き目も早く、今までに927組のご夫婦からお喜びの報告をいただいています。 カロリー制限をしたときに働く「長寿遺伝子(サーチュイン)」が、新しい高効率のミトコンドリアを活発につくり、細胞の老化の予防に役立っているという報告があります。油物や甘いもの、お肉類をよく食べる、食べ過ぎるなどの傾向がある人は、この和食・粗食・少食の実践と、月経のリズムを整える目的で、新月と満月の日に軽い断食をしてみてはいかがでしょう。 腎の働きを補う貝類や海藻、小魚などミネラルが豊富な黒いものを毎日食べるようにする 東洋医学では、卵の質を良くするために生殖器と関連の深い「腎」の働きを補います。貝類や海藻、小魚などミネラルの豊富な黒いものを毎日食べましょう。いりこやあごなどの小魚で出汁を取ったみそ汁に、わかめなどの海藻やしじみ、あさりなどの具を入れるのがおすすめ。 漢方では、卵の質を良くする手助けとして、体質に合わせた動物性生薬の入った漢方をよく使います。さらに、冷えや胃腸の調子、血行やホルモンのバランスを改善していく漢方薬を飲むといいでしょう。 早寝早起きをすることと、できるだけ同じ時間に同じ行動をとる生活リズムで基礎体温を整える 次に、基礎体温がきちんと二相性に分かれない原因ですが、高温期というのは1日のなかで太陽が出ている昼間の時間に相当し、起きているときに優位に働く交感神経が中心に働きます。低温期は太陽が沈んでいる夜の時間に相当し、寝ているときに優位に働く副交感神経が深く関わってきます。 寝不足の日が続くと、副交感神経がゆっくり休めず、ストレスがたまりイライラしやすくなるので交感神経が緊張します。それで本来の二相性に分かれた基礎体温になりにくいのかもしれません。この状態が続くときには排卵が行われていないことが多く、脳下垂体の働きがうまくいっていない場合があります。そんなときは、その人に合ったホルモンバランスを整える漢方を選んで排卵を助けていきます。 まず、自分で気をつけることは、早寝早起きをすることと、できるだけ同じ時間に同じ行動をとるリズムある生活を心がけることです。 金丸 幸市先生 子宝相談ひとすじ、不妊専門相談を始めて21年目を迎える。母親が3度の流産の末に漢方相談薬局に相談し、漢方を続けたおかげで自身が誕生。今の仕事を天職だと思い取り組んでいる。毎日更新し続けているブログは「子宝ひとすじ」を検索。宮崎ケーブルテレビ「五時生テレビ」に4年間生出演。11年間継続して「おもしろラジオ」に出演している。
2015.1.28
コラム 漢方・鍼灸
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子宮筋腫が不妊の原因ではないなら体質改善すれば妊娠が可能なの?
相談者 もりもり さん(36歳) 【不妊の原因:不明・高齢・子宮筋腫】 ○なんだか疲れやすい ○胃腸が弱い ○息ぎれをしやすい ○冷え性である ○月経前になると乳房や下腹部が張る ○ゲップやおならが出やすい ○イライラをため込みやすい ○抜け毛や白髪が多くなってきた ○爪がもろく割れやすい ○めまいや立ちくらみがよくある ○目がかすんだり疲れる ○肩こりや頭痛が慢性的にある ○のぼせやほてりがある ○顔色が青白い ○手足がいつも冷たい ○体が重く、いつもだるい ○口の中がよく粘つく ○いつも眠い 漢方で「血」と「気」を補い流れるようになると元気になって妊娠に一歩近づく 始めにもりもりさんの不安要素のひとつである、「子宮筋腫」についてお話します。すでにご存知かもしれませんが、「子宮筋腫」は妊娠に影響がある場合とない場合があります。 子宮の内側にできる「粘膜下筋腫」や子宮の入り口付近にできる「頸部筋腫」また、「筋層内筋腫」でもかなり大きい筋腫であれば妊娠に影響しますが、それ以外は影響ない場合が多いのです。 出産を経験された女性の多くの方に筋腫は見られますし、医師から筋腫が原因ではないと言われているのですから、心配はないでしょう。 「気」・「血」・「津液(体液)」のバランスが少し乱れるとさまざまな症状がでる 次にもりもりさんが気にしているいろいろな症状についてお話しします。漢方では女性のこのような症状を改善するのが、得意分野だといえます。東洋医学で考える「気」・「血」・「津液(体液)」のバランスが少し乱れると、もりもりさんのようなさまざまな症状がでます。 私たちの体は食べた物からできています。食事を摂る時間や生活習慣を見直して、早寝・早起きを遵守しましょう。また、ストレスはホルモンバランスを崩すきっかけになりますから気分転換を上手にしましょう。 「女性は血をもって本となす」という言葉がありますが、女性の健康には「血」がとても大切です。もりもりさんはその「血」の不足、「気」の不足があり、さらに「血」と「気」がめぐっていない状態にあると考えられます。 体の状態に合った漢方薬を選んでもらうために漢方の専門家に相談を 「血」と「気」を補って「血」や「気」を流すようにすると元気になって妊娠に一歩近づくことと思います。 ただ、胃腸が弱いようですから、漢方薬の選薬には気を使わなければなりません。胃の働きを整えながら元気になる胃の漢方薬「健胃顆粒(けんいかりゅう)、香砂六君子湯(こうしゃりっくんしとう)」、血を補いながら血のめぐりを良くする「きゅう帰調血飲第一加減(きゅうきちょうけついんだいいちかげん)」、またストレスを和らげる「逍遥散(しょうようさん)」や「四逆散(しぎゃくさん)」などの服用をおすすめします。 いずれにしても、もりもりさんの体の状態に合った漢方薬を選んでもらうために、漢方の専門家に相談してもらうのがいいと思います。 岩井 明先生 35年続く相談専門の薬局店主。国際中医専門員。不妊カウンセラー。中国研修中に2名の方から妊娠報告を受けたことをきっかけに、不妊相談をライフワークと定め、西洋医学と東洋医学に精通し、1年間に100人を超える新しい生命の誕生をお手伝いしている。 相談者 もりもり さん(36歳) 【不妊の原因:不明・高齢・子宮筋腫】 ○なんだか疲れやすい ○胃腸が弱い ○息ぎれをしやすい ○冷え性である ○月経前になると乳房や下腹部が張る ○ゲップやおならが出やすい ○イライラをため込みやすい ○抜け毛や白髪が多くなってきた ○爪がもろく割れやすい ○めまいや立ちくらみがよくある ○目がかすんだり疲れる ○肩こりや頭痛が慢性的にある ○のぼせやほてりがある ○顔色が青白い ○手足がいつも冷たい ○体が重く、いつもだるい ○口の中がよく粘つく ○いつも眠い 漢方で「血」と「気」を補い流れるようになると元気になって妊娠に一歩近づく 始めにもりもりさんの不安要素のひとつである、「子宮筋腫」についてお話します。すでにご存知かもしれませんが、「子宮筋腫」は妊娠に影響がある場合とない場合があります。 子宮の内側にできる「粘膜下筋腫」や子宮の入り口付近にできる「頸部筋腫」また、「筋層内筋腫」でもかなり大きい筋腫であれば妊娠に影響しますが、それ以外は影響ない場合が多いのです。 出産を経験された女性の多くの方に筋腫は見られますし、医師から筋腫が原因ではないと言われているのですから、心配はないでしょう。 「気」・「血」・「津液(体液)」のバランスが少し乱れるとさまざまな症状がでる 次にもりもりさんが気にしているいろいろな症状についてお話しします。漢方では女性のこのような症状を改善するのが、得意分野だといえます。東洋医学で考える「気」・「血」・「津液(体液)」のバランスが少し乱れると、もりもりさんのようなさまざまな症状がでます。 私たちの体は食べた物からできています。食事を摂る時間や生活習慣を見直して、早寝・早起きを遵守しましょう。また、ストレスはホルモンバランスを崩すきっかけになりますから気分転換を上手にしましょう。 「女性は血をもって本となす」という言葉がありますが、女性の健康には「血」がとても大切です。もりもりさんはその「血」の不足、「気」の不足があり、さらに「血」と「気」がめぐっていない状態にあると考えられます。 体の状態に合った漢方薬を選んでもらうために漢方の専門家に相談を 「血」と「気」を補って「血」や「気」を流すようにすると元気になって妊娠に一歩近づくことと思います。 ただ、胃腸が弱いようですから、漢方薬の選薬には気を使わなければなりません。胃の働きを整えながら元気になる胃の漢方薬「健胃顆粒(けんいかりゅう)、香砂六君子湯(こうしゃりっくんしとう)」、血を補いながら血のめぐりを良くする「きゅう帰調血飲第一加減(きゅうきちょうけついんだいいちかげん)」、またストレスを和らげる「逍遥散(しょうようさん)」や「四逆散(しぎゃくさん)」などの服用をおすすめします。 いずれにしても、もりもりさんの体の状態に合った漢方薬を選んでもらうために、漢方の専門家に相談してもらうのがいいと思います。 岩井 明先生 35年続く相談専門の薬局店主。国際中医専門員。不妊カウンセラー。中国研修中に2名の方から妊娠報告を受けたことをきっかけに、不妊相談をライフワークと定め、西洋医学と東洋医学に精通し、1年間に100人を超える新しい生命の誕生をお手伝いしている。
2015.1.26
コラム 漢方・鍼灸
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経血が去年の2月ごろから半分以下に減少。胸が苦しいときもあり閉経が早まるの?
相談者 モンチッチ さん(38歳) 【不妊の原因:高齢・受精卵が育たない】 ○なんだか疲れやすい ○朝、起きることができない ○ゲップやおならが出やすい ○イライラをため込みやすい ○顔や唇の色が黒ずんでいる ○湯船にゆっくり浸かれない ○肩こりや頭痛が慢性的にある ○とくにおなかや下半身が冷える ○太りやすい 「気虚」、「気滞」、「血虚」、「お血」、「痰濁」、「陽虚」、「腎精」不足を改善する漢方薬を服用する 中医学の基礎的な考え方ですが、体内には「気(エネルギー)」、「血(血液)」、「水(体液)」、「精(ホルモン)」があり、これらが十分にあってスムーズに流れているのが正常と考えます。これらが不足した状態(虚証)やとどこおった状態(実証)になることがあります。 気になるそれぞれの症状にあった漢方薬で妊娠しやすい体質改善する モンチッチさんの場合、疲れやすい、朝起きられないのは「気虚」、ゲップやおならが出やすい、イライラをため込みやすい、胸苦しいのは「気滞」、経血量が少ないことから「血虚」、顔や唇の色が黒ずんでいる、肩こりや頭痛があるのは「お血」、太りやすいのは「痰濁」、お腹や下半身が冷えるのは「陽虚」、高齢、受精卵が育たないのは「腎精不足」などが考えられます。これらを念頭に体質を改善するには次のように考えます。 受精卵が育たず年齢が38歳なので、卵子の状態が良くないので、栄養のある血液を補うために「婦宝当帰膠(ふほうとうきこう)」を使い、「冠元顆粒(かんげんかりゅう)」や「血府逐お丸(けっぷちくおがん)」などを服用して血流を改善して行きます。これで卵巣内の環境を改善します。次に「参茸補血丸(さんじょうほけつがん)」や「八味丸(はちみがん)」で腎精を補って温めます。これで子宮内膜も厚くふかふかにしていきます。 「どうして妊娠しないの?」といつも考えていると気がとどこおり消耗もします。気の流れを改善する「逍遙丸(しょうようがん)」や「開気丸(かいきがん)」で気が身体全体にめぐるようになると、疲れなども解消していくことが多いのです。 それでも疲れや、朝起きにくい状態があるのなら、「補中益気湯(ほちゅうえっきとう)」で気を補っていきましょう。 フラフープはおなか周りの運動になり気と血のめぐりも良くなるのでおすすめ 食事の面では体を冷やさないために、アイスやお刺身などの生ものは摂りすぎず、なるべく火を通した物を食べるようにしましょう。 食べ過ぎるのは良くないですが、栄養不足も体を温めることができません。タンパク質、脂質、炭水化物(糖)、ビタミン、ミネラルの五大栄養素を、バランス良く摂るようにしてください。 お腹周りや婦人科系を冷やさないために、腹巻きをする、カイロを入れるというのもいいでしょう。軽い運動として、フラフープをしてみてはどうでしょうか。お腹周りの運動にもなるし、気と血のめぐりも良くなり、イライラや肩こり頭痛が解消されれば、一石二鳥になりますよ。 渡邊 英俊先生 薬剤師、鍼灸師、あん摩マッサージ指圧師、教員免許を持つ。西洋医学を学び、中国人の漢方専門医師より漢方の神髄を学ぶ。また試験に合格し、学会から「不妊カウンセラー」「生殖医療相談士」に認定される。「35才からの妊娠」「卵子の老化」に取り組み「周期調節法」で実績を上げている。じっくりと時間をかけるカウンセリングが好評で多数の顧客から支持を得ている。 相談者 モンチッチ さん(38歳) 【不妊の原因:高齢・受精卵が育たない】 ○なんだか疲れやすい ○朝、起きることができない ○ゲップやおならが出やすい ○イライラをため込みやすい ○顔や唇の色が黒ずんでいる ○湯船にゆっくり浸かれない ○肩こりや頭痛が慢性的にある ○とくにおなかや下半身が冷える ○太りやすい 「気虚」、「気滞」、「血虚」、「お血」、「痰濁」、「陽虚」、「腎精」不足を改善する漢方薬を服用する 中医学の基礎的な考え方ですが、体内には「気(エネルギー)」、「血(血液)」、「水(体液)」、「精(ホルモン)」があり、これらが十分にあってスムーズに流れているのが正常と考えます。これらが不足した状態(虚証)やとどこおった状態(実証)になることがあります。 気になるそれぞれの症状にあった漢方薬で妊娠しやすい体質改善する モンチッチさんの場合、疲れやすい、朝起きられないのは「気虚」、ゲップやおならが出やすい、イライラをため込みやすい、胸苦しいのは「気滞」、経血量が少ないことから「血虚」、顔や唇の色が黒ずんでいる、肩こりや頭痛があるのは「お血」、太りやすいのは「痰濁」、お腹や下半身が冷えるのは「陽虚」、高齢、受精卵が育たないのは「腎精不足」などが考えられます。これらを念頭に体質を改善するには次のように考えます。 受精卵が育たず年齢が38歳なので、卵子の状態が良くないので、栄養のある血液を補うために「婦宝当帰膠(ふほうとうきこう)」を使い、「冠元顆粒(かんげんかりゅう)」や「血府逐お丸(けっぷちくおがん)」などを服用して血流を改善して行きます。これで卵巣内の環境を改善します。次に「参茸補血丸(さんじょうほけつがん)」や「八味丸(はちみがん)」で腎精を補って温めます。これで子宮内膜も厚くふかふかにしていきます。 「どうして妊娠しないの?」といつも考えていると気がとどこおり消耗もします。気の流れを改善する「逍遙丸(しょうようがん)」や「開気丸(かいきがん)」で気が身体全体にめぐるようになると、疲れなども解消していくことが多いのです。 それでも疲れや、朝起きにくい状態があるのなら、「補中益気湯(ほちゅうえっきとう)」で気を補っていきましょう。 フラフープはおなか周りの運動になり気と血のめぐりも良くなるのでおすすめ 食事の面では体を冷やさないために、アイスやお刺身などの生ものは摂りすぎず、なるべく火を通した物を食べるようにしましょう。 食べ過ぎるのは良くないですが、栄養不足も体を温めることができません。タンパク質、脂質、炭水化物(糖)、ビタミン、ミネラルの五大栄養素を、バランス良く摂るようにしてください。 お腹周りや婦人科系を冷やさないために、腹巻きをする、カイロを入れるというのもいいでしょう。軽い運動として、フラフープをしてみてはどうでしょうか。お腹周りの運動にもなるし、気と血のめぐりも良くなり、イライラや肩こり頭痛が解消されれば、一石二鳥になりますよ。 渡邊 英俊先生 薬剤師、鍼灸師、あん摩マッサージ指圧師、教員免許を持つ。西洋医学を学び、中国人の漢方専門医師より漢方の神髄を学ぶ。また試験に合格し、学会から「不妊カウンセラー」「生殖医療相談士」に認定される。「35才からの妊娠」「卵子の老化」に取り組み「周期調節法」で実績を上げている。じっくりと時間をかけるカウンセリングが好評で多数の顧客から支持を得ている。
2015.1.23
コラム 漢方・鍼灸
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基礎体温を上げたがホルモン値と基礎体温は関連があるの?
相談者 ゆうち さん(42歳) 【不妊の原因:卵が採れない(少ない)】 ○少し動くだけで汗が出る ○月経が乱れやすい ○眠れないことが多い ○肩こりや頭痛が慢性的にある ○のどが乾きやすい ○寝不足の日が多い ○下痢をしやすい 多くの情報に振り回されることなく自分自身の体調に向き合うことが大切 ゆうちさんが目指してこられた、基礎体温が整っていることや食事内容、冷えにより血行不良をおこさないことなどは、体づくりのポイントであるといえます。また、基礎体温はホルモン活動の目安として、活用できるものともいえます。 ただ、注意しなければならないのは、これらの条件は目安であり、正しいとか間違いという答えが明確なものではないという点です。「妊娠メカニズム」が最先端医療でも解明しきれないのは、まだまだ個人差やパートナーとの関係性により左右される要素が含まれているからだと思います。ですから、多くの情報に振り回されることなく自分自身の体調に向き合うことも大切です。 「体にいいこと」を始める前に「悪い状態」を解消することが先決 ゆうちさんの場合、前向きな努力を支える根本である「日常の体調」そのものに不安定さが見受けられます。例えば、睡眠の不足は、漢方的には「腎精」という卵の成熟やホルモン活動をつかさどる「生殖の力」の不足につながることが懸念されます。また、下痢など胃腸機能の不調は、食事や薬や栄養などの消化不十分につながります。慢性的な肩こり・頭痛などの原因としては血行不良や疲労、ストレスなど体全体におよぶものもあります。 「体にいいこと」を始める前に、まずは「悪い状態」を解消することです。そうすれば「いいこと」の効果がより得られると思います。 もしも、努力のわりに成果が上がりにくい状況であるなら、今一度普段の体調から妊娠を受け入れる準備を整えられることをおすすめします。良好な体調が続けば体質改善にもつながりますし、効率よく内臓機能が働くことも期待できます。 妊産婦向けに使用されてきた処方がたくさんあるので自分に合った漢方薬を また、卵が採れないという状況だからこそ採卵の方法も医師としっかり相談して、最適な選択をすることも大切だと思います。採れない状態のまま同じことを繰り返しているだけでは、むしろ非効率となる場合もあるからです。 漢方薬などで体の状態を整えられるのも選択肢のひとつです。古来から漢方薬は妊産婦向けに使用されてきた処方がたくさんありますので、不妊治療の有無に関わらず服用可能なものが提案できます。漢方薬は経験が基本的概念になっていますので、しっかりと相談の上、自分に合ったものを服用されることが大切です。 かしたに 陽子先生 一陽館薬局代表。薬剤師。日本不妊カウンセリング学会認定・不妊カウンセラー。女性のための漢方相談の専門薬局として2004年一陽館薬局を開局。とくに、不妊に悩む女性たちの理解者として、妊娠力を高めるための漢方相談に加え、治療スケジュールの相談、カウンセリングを行っている。豊富な経験に裏付けられたノウハウが好評。 ■ あわせて読みたい ■ 排卵検査薬と基礎体温、どちらのほうが信頼性が高いのでしょうか? 基礎体温が安定せず化学流産は6回目。黄体機能が弱いせい? 基礎体温を測るのがストレスになってきました 凍結胚移植を予定。移植日がD28以降でもよいのでしょうか? 3回目の胚移植に失敗。まだ凍結胚がありますが転院を迷っています 胚はどのタイミングで移植するのが望ましいのでしょうか? 長すぎる低温期に悩んでいます。このまま閉経してしまうのでしょうか? 人工周期で移植予定。排卵日の予測と実際の体温が少しズレているけど大丈夫? 漢方薬の一陽館薬局 女性のための健康生活マガジン JINEKO 相談者 ゆうち さん(42歳) 【不妊の原因:卵が採れない(少ない)】 ○少し動くだけで汗が出る ○月経が乱れやすい ○眠れないことが多い ○肩こりや頭痛が慢性的にある ○のどが乾きやすい ○寝不足の日が多い ○下痢をしやすい 多くの情報に振り回されることなく自分自身の体調に向き合うことが大切 ゆうちさんが目指してこられた、基礎体温が整っていることや食事内容、冷えにより血行不良をおこさないことなどは、体づくりのポイントであるといえます。また、基礎体温はホルモン活動の目安として、活用できるものともいえます。 ただ、注意しなければならないのは、これらの条件は目安であり、正しいとか間違いという答えが明確なものではないという点です。「妊娠メカニズム」が最先端医療でも解明しきれないのは、まだまだ個人差やパートナーとの関係性により左右される要素が含まれているからだと思います。ですから、多くの情報に振り回されることなく自分自身の体調に向き合うことも大切です。 「体にいいこと」を始める前に「悪い状態」を解消することが先決 ゆうちさんの場合、前向きな努力を支える根本である「日常の体調」そのものに不安定さが見受けられます。例えば、睡眠の不足は、漢方的には「腎精」という卵の成熟やホルモン活動をつかさどる「生殖の力」の不足につながることが懸念されます。また、下痢など胃腸機能の不調は、食事や薬や栄養などの消化不十分につながります。慢性的な肩こり・頭痛などの原因としては血行不良や疲労、ストレスなど体全体におよぶものもあります。 「体にいいこと」を始める前に、まずは「悪い状態」を解消することです。そうすれば「いいこと」の効果がより得られると思います。 もしも、努力のわりに成果が上がりにくい状況であるなら、今一度普段の体調から妊娠を受け入れる準備を整えられることをおすすめします。良好な体調が続けば体質改善にもつながりますし、効率よく内臓機能が働くことも期待できます。 妊産婦向けに使用されてきた処方がたくさんあるので自分に合った漢方薬を また、卵が採れないという状況だからこそ採卵の方法も医師としっかり相談して、最適な選択をすることも大切だと思います。採れない状態のまま同じことを繰り返しているだけでは、むしろ非効率となる場合もあるからです。 漢方薬などで体の状態を整えられるのも選択肢のひとつです。古来から漢方薬は妊産婦向けに使用されてきた処方がたくさんありますので、不妊治療の有無に関わらず服用可能なものが提案できます。漢方薬は経験が基本的概念になっていますので、しっかりと相談の上、自分に合ったものを服用されることが大切です。 かしたに 陽子先生 一陽館薬局代表。薬剤師。日本不妊カウンセリング学会認定・不妊カウンセラー。女性のための漢方相談の専門薬局として2004年一陽館薬局を開局。とくに、不妊に悩む女性たちの理解者として、妊娠力を高めるための漢方相談に加え、治療スケジュールの相談、カウンセリングを行っている。豊富な経験に裏付けられたノウハウが好評。 ■ あわせて読みたい ■ 排卵検査薬と基礎体温、どちらのほうが信頼性が高いのでしょうか? 基礎体温が安定せず化学流産は6回目。黄体機能が弱いせい? 基礎体温を測るのがストレスになってきました 凍結胚移植を予定。移植日がD28以降でもよいのでしょうか? 3回目の胚移植に失敗。まだ凍結胚がありますが転院を迷っています 胚はどのタイミングで移植するのが望ましいのでしょうか? 長すぎる低温期に悩んでいます。このまま閉経してしまうのでしょうか? 人工周期で移植予定。排卵日の予測と実際の体温が少しズレているけど大丈夫? 漢方薬の一陽館薬局 女性のための健康生活マガジン JINEKO
2015.1.23
コラム 漢方・鍼灸
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体外受精に踏み切ることに躊躇している。体質改善の判断はなにを目安にしたらいい?
相談者 ちょめ さん(39歳) 【不妊の原因:不明・高齢】 ○なんだか疲れやすい ○胃腸が弱い ○息ぎれをしやすい ○冷え性である ○下痢と便秘をくり返す ○イライラをため込みやすい ○抜け毛や白髪が多くなってきた ○めまいや立ちくらみがよくある ○目がかすんだり疲れる ○肩こりや頭痛が慢性的にある ○レバーのような経血の塊が出る ○のどが乾きやすい ○のぼせやほてりがある ○とくにおなかや下半身が冷える ○太りやすい ○体が重く、いつもだるい ○むくみやすい ○痰が出やすい 体質改善の指標は体調と基礎体温表の好転、排卵前後のおりものの質、量、期間で判断する 体外受精をするなら、「腎精」を補い、しっかりとした体づくりをしてからがおすすめです。「腎精」は、親からおなかのなかにいるときにもらえる先天の精と、生まれてから食べものを摂取することで後天的につくられる精が合ったものです。この「腎精」は、ホルモンの働きや妊娠力、成長、発育、老化と直接関わっていて、女性は28歳をピークに下がってきます。「腎精」を補うことで質の良い卵ができやすくなり、妊娠力もアップします。 ちょめさんは腎の力が衰えつつある年齢であり、「腎精」の症状もあるので、「腎精」を重点的に補うことをおすすめします。ただし、胃腸が弱いので漢方薬の選薬は慎重にするべきです。 まずは脾の状態を改善してから補腎薬、駆お血(くおけつ)薬を服用する さらに、胃腸が弱いなど「脾虚」の症状が長く続き、水の流れが悪くなり「痰湿」がたまった状態です。飲食物を摂取して消化を主る脾胃の機能が低下している「脾気虚」で、その機能を良くすることで水分代謝や消化吸収も良くなります。結果、妊娠に必要な血がつくられます。 肩こりなどの「お血」の症状は、血流を良くして「お血」を取り去ることで子宮のなかの血流も良くなり、固くなった子宮内膜が柔らかくなり着床率が高まります。「脾虚」があるので、先に脾から治療しましょう。少し気の停滞もあり、「柴芍六君子湯(さいしゃくりっくんしとう)」、「香砂六君子湯(こうしゃりっくんしとう)」などで脾の機能を良くしてから、補腎薬、「駆お血薬」を入れるといいと思います。補腎薬の中でも「鹿茸(ろくじょう)」や「紫河車(しかしゃ)」などは動物生薬の中の補陽薬です。動物生薬は草や木の生薬に比べられないくらい、精や血を補う作用が高いです。「亀板(きばん)」、「鼈甲(べっこう)」は動物生薬の補陰薬です。冷え性にも関わらず熱の症状があり、腎の「陰陽両虚」と考えます。 周期療法を取り入れ陰と陽のバランスをとること、動物生薬を使うことが妊娠しやすくなるポイント 補陽薬と補陰薬をうまく合わせて周期療法を取り入れ、陰と陽のバランスをとることと、動物生薬を使うことが卵巣機能と黄体機能を高めて妊娠しやすくなるポイントだと思います。 「冠元顆粒(かんげんかりゅう)」は血液の流れを改善することで、老化の抑制、肝組織のコレステロールの改善、糖尿病の改善する薬である特許を取っています。 血液の流れは、妊娠、月経はもちろん、生活の質に大きく影響を与えますので、ぜひこの機会に試してみてください。 前川 紗智子先生 平成3年より八面体質論、中医学を学ぶ八蒙会、古法の漢方を中心とした医経会に入会して学ぶ。2008年に中国政府認定国際中医師を取得。社団法人子宝カウンセラー、国際医療団体、カッサ療法士。相談者が後悔しない選択ができるようにカウンセリングを行い、じっくり話を聞くことを心がけている。 相談者 ちょめ さん(39歳) 【不妊の原因:不明・高齢】 ○なんだか疲れやすい ○胃腸が弱い ○息ぎれをしやすい ○冷え性である ○下痢と便秘をくり返す ○イライラをため込みやすい ○抜け毛や白髪が多くなってきた ○めまいや立ちくらみがよくある ○目がかすんだり疲れる ○肩こりや頭痛が慢性的にある ○レバーのような経血の塊が出る ○のどが乾きやすい ○のぼせやほてりがある ○とくにおなかや下半身が冷える ○太りやすい ○体が重く、いつもだるい ○むくみやすい ○痰が出やすい 体質改善の指標は体調と基礎体温表の好転、排卵前後のおりものの質、量、期間で判断する 体外受精をするなら、「腎精」を補い、しっかりとした体づくりをしてからがおすすめです。「腎精」は、親からおなかのなかにいるときにもらえる先天の精と、生まれてから食べものを摂取することで後天的につくられる精が合ったものです。この「腎精」は、ホルモンの働きや妊娠力、成長、発育、老化と直接関わっていて、女性は28歳をピークに下がってきます。「腎精」を補うことで質の良い卵ができやすくなり、妊娠力もアップします。 ちょめさんは腎の力が衰えつつある年齢であり、「腎精」の症状もあるので、「腎精」を重点的に補うことをおすすめします。ただし、胃腸が弱いので漢方薬の選薬は慎重にするべきです。 まずは脾の状態を改善してから補腎薬、駆お血(くおけつ)薬を服用する さらに、胃腸が弱いなど「脾虚」の症状が長く続き、水の流れが悪くなり「痰湿」がたまった状態です。飲食物を摂取して消化を主る脾胃の機能が低下している「脾気虚」で、その機能を良くすることで水分代謝や消化吸収も良くなります。結果、妊娠に必要な血がつくられます。 肩こりなどの「お血」の症状は、血流を良くして「お血」を取り去ることで子宮のなかの血流も良くなり、固くなった子宮内膜が柔らかくなり着床率が高まります。「脾虚」があるので、先に脾から治療しましょう。少し気の停滞もあり、「柴芍六君子湯(さいしゃくりっくんしとう)」、「香砂六君子湯(こうしゃりっくんしとう)」などで脾の機能を良くしてから、補腎薬、「駆お血薬」を入れるといいと思います。補腎薬の中でも「鹿茸(ろくじょう)」や「紫河車(しかしゃ)」などは動物生薬の中の補陽薬です。動物生薬は草や木の生薬に比べられないくらい、精や血を補う作用が高いです。「亀板(きばん)」、「鼈甲(べっこう)」は動物生薬の補陰薬です。冷え性にも関わらず熱の症状があり、腎の「陰陽両虚」と考えます。 周期療法を取り入れ陰と陽のバランスをとること、動物生薬を使うことが妊娠しやすくなるポイント 補陽薬と補陰薬をうまく合わせて周期療法を取り入れ、陰と陽のバランスをとることと、動物生薬を使うことが卵巣機能と黄体機能を高めて妊娠しやすくなるポイントだと思います。 「冠元顆粒(かんげんかりゅう)」は血液の流れを改善することで、老化の抑制、肝組織のコレステロールの改善、糖尿病の改善する薬である特許を取っています。 血液の流れは、妊娠、月経はもちろん、生活の質に大きく影響を与えますので、ぜひこの機会に試してみてください。 前川 紗智子先生 平成3年より八面体質論、中医学を学ぶ八蒙会、古法の漢方を中心とした医経会に入会して学ぶ。2008年に中国政府認定国際中医師を取得。社団法人子宝カウンセラー、国際医療団体、カッサ療法士。相談者が後悔しない選択ができるようにカウンセリングを行い、じっくり話を聞くことを心がけている。
2015.1.23
コラム 漢方・鍼灸
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漢方・鍼灸体験者のジネコ読者に聞きました
フラドールさん (34 歳) 漢方医院で煎じ薬を処方してもらって飲んだ時は、 エキス剤より効果があるような気がしました。冷え やむくみなど体質改善に効果があったと思います。 さとうさぷー (37歳) 当帰芍薬散を冷え性改善のため、不妊治療で通 院していたクリニックから4年間処方しても らっていました。少し変化をみて温経湯に変 更してみて1年で妊娠反応がでました。漢方は 飲み続けなければ効果がないと言われていた ので5年間飲んで妊娠でき効果が少しはあっ たのではないかと思っています。私は飲むの が習慣となり、飲み忘れることもほとんどな く漢方薬に関しては気楽に続けられました。 HKさん (36 歳) 漢方は初めから不妊治療の足しになればという 目的でいきました。そのうち、さらに激務にな り精神の安定に必要な漢方も処方されるように なりました。結果的には漢方を飲み始めたこと で経血の様子が変わったという感じがしまし た。排卵誘発剤を服用していましたが、お休み 周期のときに自然妊娠になりました ひめじさん (38歳) 飲み始めて基礎体温がきれいな2 層に分かれ た。また、薬とは関係ないが、不妊専門の漢 方薬店のため色々な情報を教えてくれるし、 病院よりも話を聞いてくれました。 かっちんさん(40 歳) 約2年前から鍼灸に通院中、生理痛や周期がかなり改善 されて私には合っているのかもしれません。鍼灸は痛い ものだと思い込んでいたけど、実際施術してもらったら 痛くないし体調良いしこんなことならもっと早く施術し てもらうべきでした。鍼灸行くかやめるか悩んでいる人 がいたらまずは一度試していただきたいですね。 こやきさん(43 歳) 不妊治療期間の1 年10 ケ月間、 週2 回ペースで鍼灸に通ってい ました。正直効果が目に見えて 分かるわけではありませんでし たが、体外受精を3 回行ったな かで全て胚盤胞まで育ったのは 鍼灸の効果もあると思います。 何より自宅でお灸をしたり下半 身を温めたりと、行動に変化が ありました。また妊娠中はお腹 の張りを指摘されたり早産防止 の治療もしてもらい、無事出産 出来ました。 ひまわりさん(43 歳) 体外受精を始めて、なかなか胚盤砲ま で育たず、卵子の数も減ってきていた ので、冷え症だった事もあり鍼灸院に 通う事にしました。針は全然痛くもな く、始めは効いてるのかな?とも思い ましたが、その後の採卵で今までより も数も採れ胚盤砲まで育ち凍結まで 出来ました!まだ着床には至りませ んが、鍼灸の効果が現れてきたのか な?!と思ってます。後は着床を願う ばかりです。 みやびさん(35歳) 1 年間近く続けているが、劇的 に効果があったとは言いがたい。 西野 裕一 先生 鍼灸に関しては、経験された方が効果を 実感されています。その反面、漢方薬は 効果を実感できない方や、体質にあって いるのか不安を抱えている方も多いよう です。鍼灸には局所に対して直接効果が あり肩こりや腰痛、生理痛など施術後に 効果が実感できる点が評価されていると 考えられます。漢方薬は副作用が少ない、 からだに優しいなどと言ったイメージで 服用されている方が多いのではないかと 思われます。医療者が患者に対して体質 や漢方薬についての説明が十分ではない のかもしれません。体質や漢方薬の説明 をしっかり求めて、納得して服薬してい ただくことが大切ですね。 フラドールさん (34 歳) 漢方医院で煎じ薬を処方してもらって飲んだ時は、 エキス剤より効果があるような気がしました。冷え やむくみなど体質改善に効果があったと思います。 さとうさぷー (37歳) 当帰芍薬散を冷え性改善のため、不妊治療で通 院していたクリニックから4年間処方しても らっていました。少し変化をみて温経湯に変 更してみて1年で妊娠反応がでました。漢方は 飲み続けなければ効果がないと言われていた ので5年間飲んで妊娠でき効果が少しはあっ たのではないかと思っています。私は飲むの が習慣となり、飲み忘れることもほとんどな く漢方薬に関しては気楽に続けられました。 HKさん (36 歳) 漢方は初めから不妊治療の足しになればという 目的でいきました。そのうち、さらに激務にな り精神の安定に必要な漢方も処方されるように なりました。結果的には漢方を飲み始めたこと で経血の様子が変わったという感じがしまし た。排卵誘発剤を服用していましたが、お休み 周期のときに自然妊娠になりました ひめじさん (38歳) 飲み始めて基礎体温がきれいな2 層に分かれ た。また、薬とは関係ないが、不妊専門の漢 方薬店のため色々な情報を教えてくれるし、 病院よりも話を聞いてくれました。 かっちんさん(40 歳) 約2年前から鍼灸に通院中、生理痛や周期がかなり改善 されて私には合っているのかもしれません。鍼灸は痛い ものだと思い込んでいたけど、実際施術してもらったら 痛くないし体調良いしこんなことならもっと早く施術し てもらうべきでした。鍼灸行くかやめるか悩んでいる人 がいたらまずは一度試していただきたいですね。 こやきさん(43 歳) 不妊治療期間の1 年10 ケ月間、 週2 回ペースで鍼灸に通ってい ました。正直効果が目に見えて 分かるわけではありませんでし たが、体外受精を3 回行ったな かで全て胚盤胞まで育ったのは 鍼灸の効果もあると思います。 何より自宅でお灸をしたり下半 身を温めたりと、行動に変化が ありました。また妊娠中はお腹 の張りを指摘されたり早産防止 の治療もしてもらい、無事出産 出来ました。 ひまわりさん(43 歳) 体外受精を始めて、なかなか胚盤砲ま で育たず、卵子の数も減ってきていた ので、冷え症だった事もあり鍼灸院に 通う事にしました。針は全然痛くもな く、始めは効いてるのかな?とも思い ましたが、その後の採卵で今までより も数も採れ胚盤砲まで育ち凍結まで 出来ました!まだ着床には至りませ んが、鍼灸の効果が現れてきたのか な?!と思ってます。後は着床を願う ばかりです。 みやびさん(35歳) 1 年間近く続けているが、劇的 に効果があったとは言いがたい。 西野 裕一 先生 鍼灸に関しては、経験された方が効果を 実感されています。その反面、漢方薬は 効果を実感できない方や、体質にあって いるのか不安を抱えている方も多いよう です。鍼灸には局所に対して直接効果が あり肩こりや腰痛、生理痛など施術後に 効果が実感できる点が評価されていると 考えられます。漢方薬は副作用が少ない、 からだに優しいなどと言ったイメージで 服用されている方が多いのではないかと 思われます。医療者が患者に対して体質 や漢方薬についての説明が十分ではない のかもしれません。体質や漢方薬の説明 をしっかり求めて、納得して服薬してい ただくことが大切ですね。
2013.11.29
コラム 漢方・鍼灸