お知らせ・イベント・特集

特集 子どもが欲しい42歳からの選択

特集 子どもが欲しい42歳からの選択
特集 子どもが欲しい42歳からの選択


 
 

 
 

卵子提供について
ご自身の卵子で妊娠することが難しい場合、第三者に卵子を提供してもらい体外受精で妊娠する方法があります。
国内でも一部の医療機関で卵子提供が行われています※が、倫理委員会などによる承認が必要であったり、個人でドナーを探すことは実際上、困難なため、国内で実施された例はすべてが血縁、知人からの提供によるものです。そのため、ドナーが身近にいないカップルは海外へ渡航して卵子提供体外受精を受けています。
 
※JISART(日本生殖補助医療標準化機関)という不妊専門クリニックによる団体では、卵子提供ガイドラインの適応となれば、「卵子提供実施施設」にて治療を受けることができます。また、OD-NET(卵子提供登録支援団体)ではレシピエント登録を行い、ドナーとのマッチングが成立すれば治療を受けることができますが、現在受付を停止しているようです。詳しくは各ホームページでご確認ください。
 
海外で卵子提供を希望した場合、渡航先として、アメリカ、タイ、台湾、スペイン、等がネット上ですぐ目につくかと思います。卵子提供を検討する際、数年前迄は可能であった治療条件が規制によって大きく変わっていた、という国もあります。
それぞれの国は同じ条件で卵子提供を受けられる、というわけでは無いので、事前に選択する国のメリット、デメリットを知リ、ご自身に合った国を選ばれるのが宜しいかと思います。


 

卵子提供の方法は?
まず卵子提供を始める際、どのように治療を行っていくのか、方法は大きく2つに分けられます。
 
一つは、患者さんご自身で日本の卵子提供エージェントに連絡をし、エージェントの紹介する国、またはクリニックで治療を行う方法です。
エージェントを通す場合、ボランティアで卵子提供をしている日本人ドナーの卵子を使用する事が出来る、また海外との手続きを全て任せられるというメリットが有りますが、日本人ドナーの海外渡航費やエージェントに支払う手数料等が現地の卵子提供による体外受精費に追加されるため、費用が高くなるというデメリットが有ります。
 
もう一方は、患者さん自身で海外のクリニックとやり取りをする方法で、インターネットで見つけたクリニックに連絡を取ったり、または体外受精を日本で既に受けられている場合には、主治医の先生からクリニックを紹介される、といった方法がこれに当たります。
エージェントを通す事は無い為、クリニックの設定する費用で済む事や、クリニックによっては日本人スタッフの方がいる為、やり取りは日本語で可能な事もあります。エージェントを通さない為、自分の信頼出来るクリニックで治療を受けられるというメリットも有ります。デメリットとしては、卵子ドナーは各クリニックで卵子を凍結している現地の方が多い為、日本人卵子のみの使用を希望している場合、該当するドナーがおらず、アジア人という枠のみでの治療になる事です。
 
各国の状況
▶アメリカ
▶スペイン
▶タイ
▶香港
▶台湾

 
 

アメリカ
卵子ドナーを選ぶ際、条件に合った卵子を細かく選ぶ事が最も出来ると言っても良い国でしょう。国籍、肌の色、目の色、職業、身長、子供時代の写真、といったそれぞれの卵子バンクの設定する条件を公開していることがあります。
卵子エージェントから購入し、クリニックに選んだ卵子を届けて治療を行う方法、またはクリニックが直接提携している卵子バンクを利用する方法や、ネット・地域紙等で卵子ドナーと繋がる方法、様々な方法があります。
そしてドナーの個人情報は匿名と公表の両方があります。匿名の場合は、エージェントまたはクリニックにて、ドナーと一度も会う事は無く、ドナーの個人を特定出来る情報は表示されない方法です。
一方、ドナーの情報が公表というのは、新聞・ネット等を介して知り合った場合や、知り合い・親近者から卵子提供を受ける場合がこれに該当します。
 
両方とも基本的な身体検査が必須である事には違いは無いのですが、提供前にドナーと直接交流があった場合、匿名で提供する場合、性的関係をすでに持っているパートナーからの卵子提供、では卵子提供を受ける迄の検査項目と回数も異なります。
基本的に、ドナーは未婚、既婚は関係なく、身体検査、心理検査、家族に重篤な遺伝疾患を煩ってい無いか、感染症検査、等を全てクリアした場合に卵子提供を行う事が出来ます。
これらの基本となる規則を作っているのがFDA( Food and Drug Administration) という機関なのですが、この規則の他にも、州によって細かい規則が決められており、卵子バンクはその規則内で条件を設定しているのです。また、同一ドナーからの出生数が1人/850,000となるように国が規則を設定していたり、より厳しく規定の採卵回数に制限をつけているクリニック等も有ります。
ドナー年齢に関しては、ASRMが21-34歳を基準の年齢設定としていますが、35歳以上の場合も患者側の同意の下可能になっているため、知人や家族が35歳以上であっても同意の下、提供を受ける事ができます。
費用ですが、日本の卵子提供エージェントを通す場合、1回の治療あたり600〜700万円、海外のクリニックで直接卵子提供を受ける場合には卵子の数、クリニックによっても大きく異なりますが、350〜500万円(内ドナーへの支払いが50〜120万)、それぞれに渡航費・滞在費が追加で掛かります。 クリニックと提携している卵子バンクか、または卵子バンクから卵子を購入して治療に用いるのかで費用も変わって来るため、エージェントを通さない場合には事前に確認をする事をお勧めします。

 

スペイン
スペインはヨーロッパの中でも最も卵子提供が頻繁に行われており、体外受精も含め、治療成績がとても良い国の一つです。卵子提供は、クリニックの提携する卵子バンクを用いて購入する方法、およびクリニック内で卵子提供を治療の一環として行っている場合があります。
法律では、同じドナーからの出生は6名まで、ドナーも患者も18歳以上と決められており、ドナー情報は完全匿名性となっています。その為、国籍や顔、その他ドナーがどんな人物であるか等は一切提示されず、クリニック側の判断により、血液型、肌の色や目の色といった身体的特徴を似せて、患者に卵子の提供を行います。
スペインのドナー達は、学生が多く、謝礼金として金銭を受け取れる事が法律で認められています。その為、卵子提供を行っているクリニックの症例数も非常に多く、各クリニックで治療成績を提示している為、自分が納得したところで治療が出来るのが魅力的でもあります。また、費用はおおよそ150万円前後〜プラス渡航費となり、金銭的にも負担が少ない事がメリットに挙げられます。
デメリットとしてはやはりドナーの情報を提示されないことによる不安が大きいかと思いますが、ドナーの顔を知らない為、子供の成長過程による心理的な阻害感が無い、と仰る患者さんもいます。またドナーの大半がヨーロッパ系の人種である為、アジア系の卵子が確実にあるとも限りません。

 

タイ
少し前迄は卵子提供が他国に比べ規制の壁が低い印象であったタイですが、タイ国内の不妊治療クリニックの質を守るため、法律の改定が行われました。 
新しい法律に伴い、タイの不妊治療クリニックは、
 
①タイ国内で、卵子の売買には関与してはならない
②卵子提供者は20-35歳の身体検査、および心理検査を受け、両方に適正である場合
③卵子ドナーは現在婚姻中で旦那がいるか、結婚歴がある場合に限られる
④卵子提供ドナーは患者と同じ国籍であること 
⑤卵子ドナーは1回の採卵あたり、同一の患者のみに提供が可能である
⑥同一卵子ドナーの提供卵子は、患者3人までとする
 
これらの条件に変わった為、外国人がタイを訪れ、現地の不妊治療クリニックから卵子提供を受ける事が非常に難しくなっています。
上記を満たす為、ドナーは婚姻関係を満たす、または婚姻歴が判る書類をクリニックに提示する必要があります。費用に関しては、卵子提供自体には費用が掛からない為、クリニックに支払う金額は、体外受精の費用のみとなります。
今現在タイでは、多数のクリニックがタイ国外からの卵子提供希望患者の受け入れ自体を行っていないのが現状です。改定後の法律に該当しない、日本人の卵子を用いて、法律外で治療を行っているクリニックもあるようですが、卵子提供のフォローアップを考えると、お勧めは出来ません。卵子提供エージェントを用いてタイのクリニックでの治療を考えている方は、上記を確認されてみるのも良いかもしれません

 

香港
香港では、金銭が関与する卵子提供にクリニックが関与する事は禁止されているので、患者の同意の下に提供された凍結卵子が使用されなくなった場合や、患者が海外の卵子バンクで購入した卵子を用いての治療、無償の卵子提供であれば治療が可能です。卵子ドナーの年齢は18歳以上、35歳以下としています。クリニック内での提供卵子(体外受精で卵子凍結し、使用する事が無かった場合)の場合は、提供者の許可範囲内で情報が提示されます。
クリニックに支払う費用は、ドナー分の採卵費を卵子希望者が負担する形だけであるため、通常の体外受精と変わらず、1回の卵子提供あたり100-140万円となっています。但し、無償で卵子提供を行うドナーはほぼいない事から、卵子提供希望者は自身・またはクリニックが紹介する卵子バンクで卵子を購入する事になります。
メリットとしては、香港国外で購入した卵子バンクの卵を使用出来る為、アメリカの卵子バンク等を用いた場合、各卵子バンクの提示する身体的情報を全て確認した上で、治療を受けられます。また、日本からは近い為、渡航による負担が無い事もメリットの一つです。デメリットとしては、香港内での金銭に関与する卵子提供は禁止されている為、卵子バンクから卵子を購入する必要がある為、費用が各卵子バンクによって大きく異なる点が挙げられます。

 

台湾
日本からのアクセスも良く、国が管理をして卵子提供を実施しており、見た目の近いアジア人の卵子を提供して貰えるとあって、日本人の卵子提供が増えているのが台湾です。台湾ではドナーの卵子提供は無償としているものの、クリニックは30万円程度(栄養費と呼ばれる)を1回の採卵あたりドナーに支払う事が出来る為、完全無償の国と比較するとドナー卵子自体が集まりやすい傾向にあります。
患者さんはドナーの国籍、血液型、肌の色は知る事が出来ますが、個人情報は完全に匿名性で行われます。これは『出生を知る権利』が法律で認められていない為で、遺伝子の繋がりのある母親を将来特定する事は出来ません。
事実婚での卵子提供は認められていない為、未婚での治療は行われておらず、患者は婚姻を証明できるものを提示する必要があります。また、国が匿名性のみでの卵子提供を認めている為、姉妹間や知り合い等に卵子提供を頼む事は台湾では禁じられています。
費用はクリニックに直接問い合わせる場合、1回あたり200万円〜で、ドナーの殆どが台湾、中国、フィリピン、日本、からとアジア人の卵子が提供されています。
クリニックによっては日本のクリニックが推奨している場合や、日本人を含め日本語対応可能なスタッフが複数勤務しているクリニックもある為、エージェントを通さずに利用する事が容易な国です。デメリットとしては、やはり他国同様、アジア人卵子全体の中では日本人の卵子が少ない事、写真で身体的特徴が一切確認出来ない事が挙げられます。

 

 
 

台湾のドクターにインタビュー

 

台湾の卵子提供の現状について、『送子鳥(コウノトリ)生殖医療センター』の賴興華 先生にインタビューしました。

 
 

卵子提供とは、どのような治療でしょうか。
 台湾では、不妊治療の一環として卵子提供を実施しています。卵子提供は、若い女性のドナーが提供した卵子でご主人の精子と体外受精を行い、3〜5日かけて胚盤胞を培養してから奥様の子宮に戻す治療です。研究によると、43歳の女性は卵子の質が低下し数も減っているため、採卵周期では1〜2個程度しか採卵できません。しかし、年齢的な統計では120個の卵子でようやく1個の正常な胚盤胞ができるとされているため、採卵数を増やすためには何度も採卵周期を繰り返さなければなりません。このようなデータに基づき、コウノトリでは43歳以上の女性の場合は卵子提供のプログラムをお勧めしています。
 
 若い女性のドナーから提供されるため、卵子の質や胚盤胞の染色体正常率も高く、5日目の胚盤胞を1個戻した場合の妊娠率は50〜60%ととても高い確率で妊娠することが確認されています。胚盤胞を2個戻せば妊娠率は70〜80%とさらに高くなりますが、同時に多胎妊娠のリスクも高くなります。また、台湾では受精率を上げるために顕微授精という技術も取り入れています。
 
 生殖医療の欧米先進諸国では主に凍結卵子バンクを使用しています。凍結していない新鮮な卵子の場合はその都度の採卵になるため、例えば注射薬などの反応不良な場合などドナーの採卵周期治療中のリスクが高まります。そのため、台湾では凍結卵子を推奨し、『送子鳥(コウノトリ)生殖医療センター 』でも凍結卵子バンクを設立。現在までに300例の凍結卵子がありますので、子どもが誕生する幸せな瞬間を早く望むご夫婦の願いをかなえるための一助となれば幸いです。
 
スペインIVI生殖センター:ガラス化凍結法の研究報告
http://www.fertstert.org/article/S0015-0282(15)01866-X/fulltext

 

どのような患者さんが受けられますか。
  日本から台湾での卵子提供を希望される患者様の多くは、30回以上の採卵、20回以上の人工授精・体外受精と、何度繰り返してもなかなか妊娠できなかったご夫婦です。奥様が43歳以上の場合や早発閉経、卵子の老化、病気による卵巣摘出などで排卵がなくなってしまった人も、卵子提供を受けることができます。

 

台湾では、生殖医療に関してどのような法律がありますか。
2007年、台湾では生殖補助医療に関する「人工生殖法」を制定しました。生殖補助医療を受けるためには合法的な婚姻関係にあることが第一条件。卵子提供・精子提供ともに、ご夫婦のどちらか一人だけが受けることができます。 ドナー(提供者)に対しては、感染性疾患や遺伝性疾患の有無などを調べる健康診断が必須。当院ではドナーの健康診断は法律で制定されている検査よりもさらに厳しい基準で行ないます。(例:骨髄性筋委縮症遺伝子スクリーニング、染色体核型分析、尿の薬物検査、AMH値ほか)。そして、すべての健康診断に合格できた人のみが当院の卵子バンクのドナーに登録されます。

 

ドナーは選択できますか。
 法律により、ドナーとレシピエント(提供を受ける人)は匿名でともに知ることができない「二重盲検法」によって守られていますからお互いの写真を見ることはできません。レシピエントに提供される情報はドナーの人種、肌の色と血液型のみ。ドナー自身はどのご夫婦に卵子を提供したかを知ることはできませんし、台湾の生殖医療法では生まれてきた子どもが自らの出自を知ることもできません。しかし、ご夫婦としてはドナーがどのような人かわからないことで不安に思うでしょう。その気持ちを理解し、それぞれのご夫婦に最も適していると思われるドナーを探してマッチングします。これまでに1000組以上のご夫婦が卵子提供で子どもを授かり、幸せな家庭を築いています。「子どもが自分に似ていない」というご夫婦も今現在まではありません。

 

注意すべきことや、問題点はありますか。
 子宮環境の確認や、卵管水腫の有無、子宮頚部細菌、自己免疫抗体の検査など、胚盤胞を移植する前に諸検査を行います。もし、子宮に筋腫や癒着がある場合は、治療をしてから卵子提供を行います。橋本病など自己免疫疾患の場合も、しっかりコントロールができていれば卵子提供で妊娠できる可能性があります。単角子宮や子宮全摘出などの方が子どもを授かるには代理出産しかないと考えられますが、台湾の法律上では認められていませんから、この場合は卵子提供を受けることができません。

 

移植の時間を自分で選べますか。
 これは多くの患者様から寄せられる質問ですが、答えは「No」です。女性が妊娠に至るプロセスに「着床の窓(implantation window)」という時期があります。それは、子宮内膜の状態が着床できる状態になった時期を指します。着床の窓は70%の方が生理周期の18日目から20日目の間に開いていますが、30%の方はその範囲ではなく、どんなにグレードが良い胚盤胞でも、着床の窓が開いている時期に移植しなければ着床できません。現在の技術では、ERAという子宮内膜着床能検査で着床の窓が開く時期を確認することができますので、各患者様に応じて個別の体外授精プログラム(Personal Precision IVF)を提供しています。
 
スペインIVI生殖センター:着床の窓と反復流産
http://www.fertstert.org/article/S0015-0282(13)00567-0/fulltext

 
 

コウノトリの院長・賴興華医師

お話しを伺った先生のご紹介
コウノトリの院長・賴興華医師
コウノトリの院長・賴興華医師は、20年間熱心に生殖医療の分野に取り組み、3000組以上の不妊で悩むご夫婦の「子どもがほしい」という願いを実現させ、幸せな人生のお手伝いをさせていただいています。1992年に台湾の新竹に東門病院不妊症研究室を設立し、初の体外受精による妊娠を成功。2000年『送子鳥(コウノトリ)生殖医療センター』を設立し、2014年には最高の治療環境を追求するために設計した送子鳥生命の樹ビルを建設するなど、チームを率いて専門性及びサービスを向上させてきた実績は業界でも注目を集めています。2010年、アジア最大規模の卵子バンクを成立。台湾で卵子提供を受けた2組に1組は当院を受診し、2007年の法律制定以降は卵子提供により1000組のご夫婦が子どもを授かりました。
 
生殖医療専門医資格認定
台湾産婦人科医学会会員
台湾生殖医学会会員
台湾内視鏡外科医学会会員
TSRM国際医療準備委員
ヨーロッパ生殖医学会(ESHRE)会員
アジア太平洋生殖医学会(ASPIRE)会員
 
 

送子鳥(コウノトリ)生殖医療センター

所在地:台湾新竹市忠孝路80号
電話番号:+886-3-573-5292
メール:jp_service@icryobank.com
Line: @kounotori_jp

 
 

 

 
 

子どもが欲しい42歳からの選択

 
 
 

special feature article

  • 0 Twitterでシェア
  • 0 Facebookでシェア
  • 0 Google+でシェア
  • LINEでシェア