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タイムラプスモニタリングシステム

胚にやさしいタイムラプスとは?

インキュベーターから出された胚は宇宙空間に出された人間と同じで温度も空気も全然違う環境で生命活動の危機にさらされます。タイムラプスを使うことによりインキュベーターから出さずに胚を観察できるので、培養環境を向上させることが出来ます。

最近、不妊治療の世界で注目を
集めている技術がタイムラプスです。

タイムラプスは5分毎や10分毎などの一定間隔で写真を撮影して、その写真を連続で映すことにより動画のように見る技術です。

●正常胚の成長
●正常胚の成長
胚に2つの円形のもが現れ、中心に予っていきます。これがそれぞれ、精子と卵子由来の核です。中心で核が消失すると、細胞が2つに割れます。しばらくすると、2つの細胞は4つになります。そして細胞は8、16、と倍々形式で増えていき、桑実胚、胚盤胞へと成長していきます。

妊娠率の向上へ

タイムラプスのメリットは培養環境の向上だけではありません。胚の成長をタイムラプスで調べると妊娠しやすい胚と妊娠しにくい胚の違いがわかると言われています。体外受精で採卵された卵子がどのようにしてお母さんのお腹に帰っていくのでしょうか? まず、採卵された卵子は培養液という胚を培養するためのお母さんのお腹の中(卵管・子宮)を再現するための液に移されます。この培養液の中で卵子と精子を受精させます。受精の方法には2種類あって、精子の数が多くて運動性も良い場合は培養液の中で卵子と精子を混ぜあわせて自然に近い形で受精させます。これを体外受精(Conventional IVF, cIVF)といいます。 もう一つは精子の数が少ない場合や精子の運動性が低い場合、またcIVFで正常に受精しなかった場合には卵子に精子を直接注入するICSIという方法で受精させます。ICSIは1つの卵子に対して1つの精子を注入しますので、精子が1つでもあれば大丈夫ということになります。受精した卵子は「受精卵」もしくは「胚」と呼ばれています。胚を培養する時にも培養液を使います。培養液はインキュベーターという専用の機器によって温度・pH・浸透圧など胚が成長するのに必要な環境を維持しています。インキュベーターは37℃に維持され、二酸化炭素(CO2)と酸素(O2)の濃度をコントロールしています。受精が正常に確認出来た胚はお母さんのお腹に移植(ET)されるまでインキュベーターで培養されます。

妊娠率の向上へ

胚はインキュベーターの中で、細胞分裂を繰り返して成長していきます。これを分割といいます。卵子が正常に受精すると1つの細胞(割球)の中に前核が2つ見える2PNと言われる状態になります。しばらくすると2PNが消え最初の分割が起こり2細胞期(2cell)の胚になります。次にこの2つの割球が同時期に分割して4 細胞期(4cell)になり、この4つの割球が分割して8細胞期(8cell)になります。8細胞期から16細胞期になる段階で割球と割球がくっついて(コンパクション)1つの塊に見える桑実胚(モルラ)になります。さらに時間が経つとモルラの中に胞胚腔という液胞が出来ます。この段階が胚盤胞(はいばんほう)で、内側の膨らみが胎児になる内部細胞塊(ICM)で外側の膜が胎盤になる栄養外胚葉(TE)です。

良好胚とは?

タイムラプスは5分毎や10分毎などの一定間隔で写真を撮影して、その写真を連続で映すことにより動画のように見る技術です。

胚盤胞のグレード

胚盤胞は成長段階のグレード、ICMとTEの細胞の数をA~Cのグレード分けで決まります。例えばグレード4の胚盤胞でICMの細胞が多く、TEの細胞が少ない場合4ACというグレードになります。


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